魔法少女X #9
その日、とある通りにエボリューションアニマルキャプターが姿を現しました。
「ウアアアアアアアッ!」エボリューションアニマルキャプターは暴れ回ってその通りを破壊しました。
ミチコはとある建物の屋上に立ってエボリューションアニマルキャプターの様子を見ていました。
「見つけたわよ。」ミチコが言いました。
「変身!」ミチコが変身しました。
ミチコはエボリューションアニマルキャプターの前に姿を現しました。
「ン……?」エボリューションアニマルキャプターが言いました。
「久しぶりね。」ミチコが言いました。
「フン……。」エボリューションアニマルキャプターが言いました。
「元気にしてた?」ミチコが言いました。
「ハアアアアアアアッ!」エボリューションアニマルキャプターがミチコに殴り掛かりました。
ミチコはエボリューションアニマルキャプターの攻撃をかわしました。
「元気にしてたみたいね。」そう言ってミチコはマジカルピストルを構えました。
ミチコがマジカルピストルを撃ってエボリューションアニマルキャプターを攻撃しました。エボリューションアニマルキャプターはミチコの攻撃を受けても怯まずにミチコに殴り掛かりましたが、ミチコはその攻撃をかわしました。
そこへアンナとヨウコが警官達と共に駆けつけました。
「ンッ……!?」エボリューションアニマルキャプターが言いました。
「警察……?」ミチコが言いました。
「変身!」アンナとヨウコが変身しました。
「アイツは……!」ミチコが言いました。「X……!」
「まさか私を狙うつもりじゃ無いでしょうね?」ミチコが言いました。
「ヨウコ、あのキャプターは“アニマル”と“エボリューション”の二枚のカードを使用しているようです。」ヨウコが言いました。
「二枚も……?」ヨウコが言いました。
「そうよ。相棒もそう言ってることだし、先にあっちを倒したらどう?」ミチコが言いました。
「あの魔法少女……レベルXの魔法少女のようです。」アンナが言いました。
「レベルX……!?私達が探している黒幕の候補なのよ!」ヨウコが言いました。
「黒幕……私が……!?」ミチコが言いました。
「ウアアアアアアアッ!」エボリューションアニマルキャプターがアンナとミチコに襲い掛かりました。
「フッ!」アンナが魔法の剣を具現化してエボリューションアニマルキャプターと戦い始めました。
「X……!」ヨウコがミチコに向かって走り出しました。
「結局こうなるワケね。」そう言ってミチコがヨウコに向けてマジカルピストルを撃ちました。
ヨウコはマジカルジッテでヨウコの攻撃を弾きながらミチコに近づきました。
ヨウコはそのままマジカルジッテでミチコに攻撃を仕掛けましたが、ミチコはヨウコの攻撃をかわしました。
そこへレイコが警備員達と共に姿を現しました。
「ん……?」ヨウコが言いました。
「ゼロ……!」ミチコが言いました。
「X……。」レイコが言いました。
「SSSがどうして……?」ヨウコが言いました。
「マジカルカードを回収するついでに我が社の計画を妨害したあなたを始末させて貰うわ。」そう言ってレイコが“ホーン”のカードと“ブレイク”のカードを取り出しました。
「それって……!」ミチコが言いました。
「マジカルカード……!?」ヨウコが言いました。
「変身!」レイコが変化したマジカルチェンジャーで変身しました。
レイコは魔法の槍“マジカルテックランス”を構えてミチコに近づいていきました。
「ハアッ!」レイコがマジカルテックランスでミチコを殴りました。
「ウアッ……!」ミチコが怯みました。
「あっ……!」ヨウコが言いました。
レイコが再びミチコを殴ろうとしました。
「フッ!」ミチコは高速移動でレイコの攻撃をかわしました。
そしてミチコはレイコの背後へと回り込んでキックを繰り出しました。
レイコはミチコのキックを受けても怯まずに振り返り、ミチコを殴り飛ばしました。
「ウウッ……!」ミチコは地面を転がりヨウコの傍に倒れ込みました。
「X……!」ヨウコが言いました。
「トドメよ。」そう言ってレイコがマジカルテックランスを構え直しました。
「マジカルテッククラック!」レイコがマジカルテックランスを地面に突き刺しました。
その瞬間、地面に亀裂が入りました。
「ウワアアアアアアッ……!」ミチコとヨウコは亀裂から地下道へと落下していきました。
「ヨウコ……!」アンナがエボリューションアニマルキャプターの攻撃を防ぎながら言いました。
「これで邪魔者は排除したわ。」そう言ってレイコはマジカルテックランスをエボリューションアニマルキャプターへと向けました。
「くっ……!」アンナが言いました。
「アンナ……どいた方が良いわ。」レイコが言いました。
「何故私の名前を……?」アンナが言いました。
「一流企業の情報網を甘く見ないで貰いたいわ。」レイコが言いました。
ミチコとヨウコは地下深くにある地下鉄の路線に落下しました。
「ううっ……!」ミチコはよろめきながら立ち上がりました。
「くうっ……!」ヨウコも立ち上がりました。
「ここは……。随分と深くまで落とされたようね。」ミチコが言いました。
「何よ。何なのよ。どうして私まで攻撃されなきゃいけないのよ。」ヨウコが言いました。
「私の傍にいたからよ。」ミチコが言いました。
「仕方が無いのよ。それが私の仕事なのよ。」ヨウコが言いました。
「私のこと黒幕だと疑ってたけど、こんな目に遭わされてる私を見てもまだ黒幕だと思ってるワケ?」ミチコが言いました。
「さっきのレイコの攻撃は意味不明過ぎるのよ。あの攻撃に巻き込まれたからってアンタの疑いは晴れないのよ。」ヨウコが言いました。
「ふーん……。じゃあ、この場で私のこと殺しちゃえば……?」ミチコが言いました。「今なら誰にもジャマされずに倒せるわよ?」
「フン。今はそんな気分にはなれないのよ。」ヨウコが言いました。
「仕事なんでしょ?気分なんて関係無いわ。」ミチコが言いました。
「何でいちいち挑発してくるのよ、せっかく生き延びられるチャンスなのに?」ヨウコが言いました。
「そういう気分だから……。」ミチコが言いました。
「フン……。」ヨウコが言いました。
「やる気が無いんだったら一緒に上を目指しましょう。いつまでもここに居ても仕方が無いわ。」ミチコが言いました。
「良いわよ。」ヨウコが言いました。
ミチコとヨウコはそのまま出口へと歩き始めました。
「ところで、あなたどうしてそんなに私の処刑にこだわってたの?仕事だからってだけじゃない気もするけど……。」ミチコが言いました。
「何でアンタにそんなこと話さなきゃならないのよ?」ヨウコが言いました。
「こっちは殺されかけたのよ?それとも、クズには何も教えられない?」ミチコが言いました。
「むう……。」ヨウコが言いました。
「ちょっとくらい話してくれても良いじゃない、この際なんだし。」ミチコが言いました。
「昔話よ。」ヨウコが言いました。
「昔話……?」ミチコが言いました。
「私がポリーにスカウトされて魔法少女として警察に入った頃、同じように警察に入った魔法少女がいたのよ。」ヨウコが言いました。
「もう一人の魔法少女……?つまり、あなたの相棒……?」ミチコが言いました。
「名前はケイコ、警察の鑑のような魔法少女だったのよ。」ヨウコが言いました。
「ケイコ……。」ミチコが言いました。
「彼女は優秀だったのよ。でも、彼女は優秀過ぎたのよ。」ヨウコが言いました。
「優秀過ぎ……?」ミチコが言いました。
「ケイコは警察として捜査をする傍ら、捜査情報を犯罪者に流してお金を受け取っていたのよ。」ヨウコが言いました。
「ありがちな話だけど、魔法少女にもある話なのね。」ミチコが言いました。
「皮肉にもそのことを最初に突き止めたのは私だったのよ。」ヨウコが言いました。
「その優秀な魔法少女も相棒の目をいつまでも欺くことは出来なかったワケね。」ミチコが言いました。
「それで、私はケイコを処刑したのよ。」ヨウコが言いました。
「えっ……?」ミチコが言いました。
「その時分かったのよ、魔法少女なのに悪事を働くようなヤツはクズだって。そんなクズは処刑しなければならないのよ。」ヨウコが言いました。
「なるほど。」ミチコが言いました。
「アンタの質問には答えたのよ。満足?」ヨウコが言いました。
「前の相棒は死んだのよね?今の相棒は……?」ミチコが言いました。「私が見るのは初めてだけど……。」
「アンナよ。」ヨウコが言いました。
「アンナ……。彼女は優秀なの?」ミチコが言いました。
「優秀なのよ。」ヨウコが言いました。
そこへアンナが姿を現しました。
「アンナ……!」ヨウコが言いました。
「無事ですか、ヨウコ?」アンナが言いました。
「ええ。何とかね。」ヨウコが言いました。「それよりも、どうしてここに……?」
「ヨウコのことが心配で……。」アンナが言いました。
「あのキャプターは……?」ヨウコが言いました。
「レイコが戦っていますので、問題無いかと……。」アンナが言いました。
「そう……。」ヨウコが言いました。
「悪党をほったらかしにしてこんな地下までやってくるなんて、大して優秀じゃ無いみたいね。」ミチコが言いました。
「いや……それは……。」アンナが言いました。
「フッ。確かにこの子はポンコツなのよ。」ヨウコが言いました。
「ヨウコ……。」アンナが言いました。
「でも、嬉しかったのよ。」ヨウコが言いました。
「フッ。」アンナが言いました。
ミチコとアンナとヨウコはその通りに戻りました。
レイコと警備員達とエボリューションアニマルキャプターの姿は既にありませんでした。
ヨウコは残っていた警官達から話を聞きました。
「どうやらあのキャプターはレイコの攻撃を受けて逃げて行ったみたいよ。」ヨウコが言いました。
「そうですか。」アンナが言いました。
「逃げ足の速いヤツなのよね。」ミチコが言いました。
「アンタが言うべきじゃ無いのよ。」ヨウコが言いました。
「そう言えば、私も逃げた方が良さそうね。」そう言ってミチコは高速移動でその場を去りました。
「あっ……!」ヨウコが言いました。
「彼女は高速移動の能力を持っているようですね。」アンナが言いました。
「知ってるのよ。」ヨウコが言いました。
「追っても無駄だとは思いますが、追わなくても良いのですか?」アンナが言いました。
「無駄なことはしないのよ。」ヨウコが言いました。
「変わりましたね、ヨウコ。」アンナが言いました。
「フン……。アンタを見てたら私も変わりたくなったのよ。でも、Xを完全に許したワケじゃ無いのよ。」ヨウコが言いました。
「ええ。」アンナが言いました。
おわり