魔法少女モエ #5
その日、モエはオインクと共にとある通りを歩いていました。
「この近くにヤツがいるの、オインク?」モエが言いました。
「オインク。」オインクが言いました。
「ヤツが私の魔力を吸収したから、アイツの居場所が分かるの?」モエが言いました。
「オインク。」オインクが言いました。
「アイツがあのカードの力を使った時にその気配が分かるの?」モエが言いました。
「オインク。」オインクが言いました。
「何とかアイツを見つけて、今度こそ倒そう。」モエが言いました。
別の通りにキングバンパイアキャプターが姿を現しました。
「ウアアアアアアアアッ!」キングバンパイアキャプターが三体のマジカルバンパイアを召喚しました。
マジカルバンパイア達は通りを破壊し始めました。
とある建物の屋上にタマコがいました。
「変身。」タマコは“バレット”のカードを使って変身しました。
キングバンパイアのいる通りにタマコが姿を現し、拳銃でマジカルバンパイア達を攻撃しました。
「不気味なバケモノ達ね。」タマコが言いました。
「我に歯向かう愚か者め、死ぬが良い!」キングバンパイアキャプターが言いました。
マジカルバンパイア達が一斉にタマコに襲い掛かりました。
タマコは魔法のロープで移動しながら拳銃を撃ってマジカルバンパイア達を攻撃しました。
「ハアアアッ!」キングバンパイアキャプターが空を飛んでタマコを殴りました。
「ウアアッ……!」タマコはふっ飛ばされて地面に倒れ込みました。
「くっ……!」タマコが立ち上がりました。
マジカルバンパイア達がタマコを取り囲みました。
そこへモエとオインクが姿を現しました。
「変身!」モエが変身しました。
「お前は……!」キングバンパイアキャプターが言いました。
「オインク!」オインクがマジカルテックメイスを召喚しました。
「マジカルスマッシュ!」モエがマジカルテックメイスでマジカルバンパイアの一体を叩きました。
モエの攻撃を受けたマジカルバンパイアが爆発しました。
「君は……?」タマコが言いました。
「私はモエ。あなたは?」モエが言いました。
「タマコ。」タマコが言いました。
モエとタマコはそれぞれ一体のマジカルバンパイアと戦い始めました。
「フッ!」タマコが殴って怯ませたマジカルバンパイアを拳銃で撃ちました。
「ハアアアッ!」モエがマジカルテックメイスでマジカルバンパイアを叩きました。
モエとタマコの攻撃を受けて二体のマジカルバンパイアは爆発しました。
「くっ……!」キングバンパイアキャプターが言いました。
「オインク!」オインクがマジカルテックピストルを召喚しました。
「フッ!」タマコが拳銃を構えました。
「フッ!」モエがマジカルテックピストルを構えました。
「ハアアッ!」モエとタマコがそれぞれの武器を撃ってキングバンパイアキャプターを攻撃しました。
「ウアアアアアアアッ……!」キングバンパイアキャプターがモエとタマコの攻撃を受けて落下し、そのまま近くを流れていた川へと転落しました。
「これでヤツの息の根を止めたと思う?」タマコが言いました。
「そうは思わないね、バンパイアは不死身みたいだし。」モエが言いました。
「ヤツはバンパイアなの?」タマコが言いました。
「違うよ。それでも血を吸われないよう用心した方が良いかもね。」モエが言いました。
「どういう意味?」タマコが言いました。
「アイツがキャプターってことは知ってる?」モエが言いました。
「ええ。」タマコが言いました。
「アイツのカードは“バンパイア”なんだよ。」モエが言いました。
「“バンパイア”のキャプター……。」タマコが言いました。
「ついでに言っちゃうと“キング”のカードも使っているんだ。」モエが言いました。
「二枚のカードを使ったキャプター……。」タマコが言いました。
「バンパイアの王らしいね。」モエが言いました。
「モエ、君は何者なの?」タマコが言いました。
「ここだけの話、政府で働いてるんだ。」モエが言いました。「タマコは……?」
「私は一人で活動してるわ。」タマコが言いました。
「一人で……?」モエが言いました。
「私は戦う力を手に入れた。だから一人でも戦わなければならない。」タマコが言いました。
「そう言えば、そのマジカルチェンジャー……。」モエが言いました。
「私もマジカルカードを使っているわ。マジカルカードも上手く使えば平和を守る役に立つかも知れない。」タマコが言いました。
「確かにタマコならそのカードを使って世界の平和を守れるかも知れない。」モエが言いました。
「ところで、君の連れているそのブタは何なの?」タマコが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
「この子はオインク、私のパートナー。」モエが言いました。
「君のパートナーはポケモンなの?」タマコが言いました。
「鳴き声しか言わないからってポケモンじゃないよ。これでも妖精なんだよ。」モエが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
「そう……。」タマコが言いました。
また別の通りにキングバンパイアキャプターが姿を現しました。
「ハアアアアアアアッ!」キングバンパイアキャプターが周囲を破壊し始めました。
そこへタマコとモエとオインクが駆けつけました。
「アイツ……!」モエが言いました。
「懲りていないようね。」タマコが言いました。
タマコが拳銃を撃ってキングバンパイアキャプターを攻撃しました。
「ムダだ!」そう言ってキングバンパイアキャプターが四体のマジカルバンパイアを召喚しました。
「またソイツら……?」タマコが言いました。
「オインク!」オインクがマジカルテックナイフを召喚しました。
モエはマジカルテックナイフを使ってマジカルバンパイア達を次々と切りつけていきました。
「フッ!」タマコは魔法のロープで移動しながら拳銃を撃ってキングバンパイアキャプターを攻撃しました。
「ウアアアアアアアッ!」キングバンパイアキャプターが言いました。
タマコは攻撃を続けました。
「目障りなヤツめ、消えろ!」そう言ってキングバンパイアキャプターが無数の魔法のコウモリを召喚しました。
タマコは地面に着地して転がりながら魔法のコウモリたちの自爆をかわしました。そしてタマコは拳銃を撃ってキングバンパイアキャプターを攻撃しました。
四体のマジカルバンパイア達を怯ませたモエがキングバンパイアキャプターに向かっていきました。
「マジカルマーダー!」モエがキングバンパイアキャプターを切りつけました。
「ウアアアアッ……!」キングバンパイアキャプターが怯みました。
「やった?」タマコが言いました。
「アイツを倒せば残りのバケモノも全部消えるハズ……!」モエが言いました。
「グッ……!」キングバンパイアキャプターが体勢を立て直しました。
「くっ……!」タマコが言いました。
体勢を立て直したマジカルバンパイア達がモエの前に立ちました。
「まだ倒せない……!」モエが言いました。
「でも、確実にダメージは与えられたハズ……!」タマコが言いました。
「真祖であるこの我が小娘如きに不覚を取るとは……!だが……!」そう言ってキングバンパイアキャプターが“アサルト”のカードを取り出しました。
「何……!?」タマコが言いました。
「三枚目のカード……!」モエが言いました。
「それを使うつもり……?二枚のカードでも殆ど自我が残っていないのに……。」タマコが言いました。
「三連コンボで貴様達を完膚なきまでに叩きのめしてくれる!」キングバンパイアキャプターが言いました。
「グッ……!ウアアアッ……!」キングバンパイアキャプターが“アサルト”のカードを手にしたままよろめきました。
「やっぱり二枚が限界のようだね。」モエが言いました。
「フッ!」タマコが魔法のロープで移動して“アサルト”のカードを奪い取りました。
「き……貴様……!」キングバンパイアキャプターが言いました。
「このカードは使わせない。」タマコが言いました。
「ウアアアアアアアッ!」キングバンパイアキャプターが言いました。
「ウワッ……!」モエがマジカルバンパイア達の攻撃を受けて転倒しました。
「やれ!」キングバンパイアキャプターがそう言うと同時にマジカルバンパイア達がタマコへと向かっていきました。
「ウアアアアアアアッ!」キングバンパイアキャプターが言いました。
「これ以上暴走はさせない。」タマコはそう言って“アサルト”のカードをマジカルチェンジャーに挿入しました。それと同時に「Assaultbullet」と電子音声が発せられました。
「超変身!」タマコがさらに変身しました。それと同時にタマコの拳銃が突撃銃へと変化しました。
「オインク……!?」オインクが言いました。
「タマコ……!」モエが言いました。
「ウアアアアアアアッ!」キングバンパイアキャプターがさらに五体のマジカルバンパイアを召喚してタマコに向かわせました。
「ハアアアアアアアッ!」タマコが突撃銃から魔法弾を連射しました。
タマコの放った魔法弾を受けてマジカルバンパイア達は次々と爆発し、あっという間に全滅しました。
「アアッ……!?」キングバンパイアキャプターが言いました。
「終わりよ。」そう言ってタマコがまた魔法弾を連射しました。
「ウアアアアアアアッ……!」キングバンパイアキャプターがタマコの攻撃を受けて倒れました。
「くっ……!」タマコがよろめきました。
「大丈夫……!?」モエがタマコに駆け寄りました。
「ええ……。」そう言ってタマコは体勢を整えました。
モエとタマコは変身を解除しました。
そしてモエは“バンパイア”と“キング”のカードを手に取りました。
「このカードは貰っていくよ。良いよね?」モエが言いました。
「ええ。ついでにこれも持っていくと良いわ。」そう言ってタマコが“アサルト”のカードを差し出しました。
「えっ……?良いの?」モエが言いました。
「構わないわ。」タマコが言いました。
「ありがとう。」モエが言いました。
「ところで……SSSがマジカルカードに目をつけていることは知ってる?」タマコが言いました。
「うん。そうみたいだね。」モエが言いました。「タマコも知ってたんだ。」
「ええ。尤も、私のような一匹狼に大企業の悪事を止める術は無いけれど……。」タマコが言いました。
「私にも大した力は無いよ。でも……。」モエが言いました。
「ん……?」タマコが言いました。
「私達友達になれないかな?」モエが言いました。
「私は友人は作らない主義だけど、話し相手くらいにならなってあげても良いわ。」タマコが言いました。
「うん。」モエが言いました。
おわり