魔法少女フウ&魔法少女スイ #5
その日、二人は通りを歩いていました。
「あれからキャプターを見かけないね。」フウが言いました。
「情報によると取り逃がしたキャプターが何人かいるみたいなんだけど……。」スイが言いました。
「カードを二枚持ってるキャプターが出始めてるんだよね。」フウが言いました。
「まあ、そういうのも出てくるよね。」スイが言いました。
「平和を守る為にはそういったヤツも倒さないといけないね。」フウが言いました。
「うん!」スイが言いました。
そこへツバキが姿を現しました。
「やあ、お二人さん。」ツバキが言いました。
「あなたは……!」フウが言いました。
「確か……!」スイが言いました。
「そう。ツバキさ。」ツバキが言いました。
「研究開発担当の……!」フウが言いました。
「今は確か……時計塔の整備をしてるんだっけ?」スイが言いました。
「時計塔のメンテナンスも大変なんだけど、それ以外の仕事も押し付けられてて、今日はそっちの用件で君達に会いに来たんだ。」ツバキが言いました。
「それ以外の仕事……?」フウが言いました。
「それってどんな……?」スイが言いました。
「君達を頼るってことはモチロンキャプター絡みの問題さ。」ツバキが言いました。
「キャプターの……?」フウが言いました。
「何か情報が入ったってこと?」スイが言いました。
「SSSは知っているかな?」ツバキが言いました。
「SSSってあの……!」フウが言いました。
「警備会社の皮を被った民間軍事会社……!」スイが言いました。
「どうもあの会社がマジカルカードを集め始めたみたいなんだよ。」ツバキが言いました。
「SSSが……?」フウが言いました。
「マジカルカードの回収を……?」スイが言いました。
「まあきっと、マジカルカードの軍事利用を図っているんだろうね。政府にはあの会社と懇意にしている連中もいるけど、あの会社は控えめに言ってクソさ。」ツバキが言いました。
「マジカルカードの軍事利用……。」フウが言いました。
「ヤバそうな感じするね。」スイが言いました。
「実際ヤバい話なんだけど、相手が一応の一流企業だと政府としては迂闊に手は出せない。タイミングが大事だ。」ツバキが言いました。
「タイミング……!」フウが言いました。
「時と場合に気をつけなくちゃいけないね!」スイが言いました。
「そう!今すぐに手を出すことは出来ないけど、タイミングを逃してもいけない。君達にはちゃんと備えていて貰おうと思ってね。」ツバキが言いました。
「なるほど。」フウが言いました。
「心得た!」スイが言いました。
「ところで、君達は特殊能力でレベル9になることが出来るんだよね?」ツバキが言いました。
「えっと……。」フウが言いました。
「そうだけど……。」スイが言いました。
「それならこれが役に立つハズさ。」そう言ってツバキが魔法のアイテム“マジカルブースター”を差し出しました。
「これは……?」フウがマジカルブースターを受け取って言いました。
「マジカルチェンジャーの拡張パーツ……?」スイが言いました。
「マジカルブースター。マジカルチェンジャーに取り付けた状態で起動することで高度な魔法の発動が可能になるアイテムさ。」ツバキが言いました。
「へええ。」フウが言いました。
「何だかスゴいね。」スイが言いました。
「但し、レベル8以下の魔法使いが使用すると死亡してしまうリスクがある。」ツバキが言いました。
「ええっ……?」フウが言いました。
「そんなデメリットが……?」スイが言いました。
「それ程のアイテムさ。くれぐれも使いどころは気をつけて欲しいね。」ツバキが言いました。
「はい……。」フウが言いました。
「うん……。」スイが言いました。
とある通りでビートキャプターがギターを手に暴れていました。
「俺のビートを聞きな!」ビートキャプターがギターから魔法の音波を放って通りを破壊しました。
そこへ二人が駆けつけました。
「いた!」フウが言いました。
「キャプター……!」スイが言いました。
「行くよ、スイ!」フウが言いました。
「うん!」そう言ってスイが“ウェーブ”のカードを取り出しました。
「変身!」!二人が変身しました。
「ん……?」ビートキャプターが二人に気付きました。
「オレのビートを特等席で聞きに来たのか?命知らずなヤツらめ!気に入ったぜ!」ビートキャプターが言いました。
「何……?」フウが言いました。
「いかれてるね。」スイが言いました。
「そんなお前らの為に、特別な曲を聞かせてやるぜ!」そう言ってビートキャプターが“サンダー”のカードを取り出しました。
「あっ……!」フウが言いました。
「二枚目のカード……!」スイが言いました。
「俺のビートにシビれな!」そう言ってビートキャプターが“サンダー”のカードをマジカルキャプトライザーに挿入しました。
「超変身!」ビートキャプターがサンダービートキャプターに変身しました。
「クアアアアアアアアッ!ロックンロール!」サンダービートキャプターがギターから魔法の稲妻を放って周囲を破壊しました。
「いきなり進化した!」フウが言いました。
「雷属性の魔法使い……!」スイが言いました。
「クアアアッ!」サンダービートキャプターが走りながらギターでフウを殴りました。
サンダービートキャプターは怯んだフウをさらにギターで殴り飛ばしました。
「ウワアアッ……!」フウは転倒して地面を転がりました。
「ハアッ!」スイが掌から魔法の水流を放ちました。
「グアッ……!」サンダービートキャプターが魔法の水流を受けて怯みました。
「ハッ!このオレに水で勝負を挑むとは、その根性、なかなかロックじゃねえか!だが……!」そう言ってサンダービートキャプターがスイに魔法の稲妻を放ちました。
「ウッ……!」スイが魔法の稲妻を受けて地面に膝を突きました。
「ハッ!シビれたか?」サンダービートキャプターが言いました。
「くうっ……!」スイが立ち上がれずに言いました。
フウが立ち上がりました。
「フウ……!」そう言ってスイはフウをチューニングしました。
「何……!?」サンダービートキャプターが言いました。
「ハアーッ!」フウがサンダービートキャプターに殴り掛かりました。
サンダービートキャプターはフウが連続で繰り出すパンチをギターで防ぎました。フウは攻撃を続けてサンダービートキャプターを追い詰めようとしましたが、サンダービートキャプターはフウの攻撃を防ぎきってギターでフウを殴り飛ばしました。
「ううっ……!」フウが地面を転がりました。
「二人の力をシンクロさせて派手に逆転を狙うとはロックだぜ!だが……!だがな……!」サンダービートキャプターが言いました。
その瞬間、サンダービートキャプターがよろめきました。
「えっ……?」フウが立ち上がって言いました。
「様子が……変……!」スイが言いました。
「オレの……!このオレのロックは止まらねえぜ!クアアアアアアアッ!」サンダービートキャプターが言いました。
「ハアアアアアアアッ!」サンダービートキャプターが魔法の稲妻を放って周囲を破壊しました。
「暴走してる!」フウが言いました。
「ヤバい……!」スイが言いました。
そこへ多数の警官達が駆けつけました。
さらにアンナとヨウコも駆けつけました。
「警察……?」フウが言いました。
「どうやら騒ぎを知って駆けつけてきたみたいだね。」スイが言いました。
「変身!」アンナとヨウコが変身しました。
「あのキャプターは“ビート”と“サンダー”の二枚のカードを使用しているようです。」アンナが言いました。
「あっちの二人は何なの?」ヨウコが言いました。
「魔法少女のようですが……アレは……!」アンナが言いました。
「どうしたのよ?」ヨウコが言いました。
「一人は“ウェーブ”のカードを使用しているようです。」アンナが言いました。
「魔法少女が……カードを……?」ヨウコが言いました。「どういうことなのよ?」
「ハアアアアアアアッ!」サンダービートキャプターが魔法の稲妻で周囲を破壊しました。
「くっ……!」ヨウコが言いました。
「先にあのキャプターを倒す必要がありそうです。」アンナが言いました。
「そのようね!」ヨウコが言いました。
「ハアアアアアアアッ!」サンダービートキャプターが周囲に魔法の稲妻を放ちました。
「ムダよ!ムダなのよ!」ヨウコが魔法の稲妻を吸収しました。
「なっ……!」サンダービートキャプターが言いました。
「私は電気を吸収出来るのよ!」ヨウコが言いました。
さらにアンナが魔法の拳銃を具現化し、サンダービートキャプターを撃ちました。
サンダービートキャプターはアンナの放った魔法弾をギターで防ぐと、魔法の音波でアンナとヨウコを攻撃しました。
「ウワアッ……!」魔法の音波を受けてアンナとヨウコが転倒しました。
「あっ……!」スイが言いました。
「こうなったら……!」そう言ってフウがマジカルブースターをマジカルチェンジャーに接続しました。
「フウ……!」スイが言いました。
「ンッ……?」サンダービートキャプターが言いました。
フウがマジカルブースターを起動しました。
「ハアアッ!」サンダービートキャプターがフウに魔法の音波を放ちました。
「フッ!」フウは高速移動で魔法の音波をかわし、サンダービートキャプターの背後へと回り込みました。
「ハアッ!」フウはサンダービートキャプターにキックを当てました。
「ウアッ……!」サンダービートキャプターがフウの攻撃を受けて怯みました。
「ハアッ!」立ち上がったアンナがサンダービートキャプターを撃ちました。
「ウウッ……!」サンダービートキャプターが怯みました。
「ハアアッ!」フウがさらにサンダービートキャプターにパンチを当てて怯ませました。
そしてフウはマジカルムーブを発動しました。
「マジカルトルネード!」フウが横に回転して宙に浮かびながらサンダービートキャプターに連続でキックを当てました。
「ウアアアアアアアッ……!」サンダービートキャプターがふっ飛ばされて倒れました。
「勝った。」スイが言いました。
「くううっ……!」フウがよろめいて地面に膝を突きました。
「フウ……!」スイが言いました。
「とりあえずあのキャプターは倒したようね。」ヨウコが言いました。「残るはあの二人だけど……。」
「ヨウコ、魔法少女がマジックカードを使用していることに憤りを感じてはいませんか?」アンナが言いました。
「別に……関係無いのよ。」ヨウコが言いました。
「それなら良いのですが……。」アンナが言いました。
「私達は敵じゃないから……!」そう言いながらスイが立ち上がってフウの傍に寄りました。
「フウ、大丈夫?」スイが言いました。
「うん……。行こう!」そう言ってフウが立ち上がりました。
フウとスイはその場を離れました。
「追いますか?」アンナが言いました。
「いや……別に良いのよ。」ヨウコが言いました。
フウとスイはとある路地へと移動しました。
「何とかなったね。」フウが言いました。
「まあね。」スイが言いました。
「良かった。」フウが言いました。
「それにしてもそのアイテム……大変そうだね。」スイが言いました。
「うん。使い過ぎないようにしないと……。」フウが言いました。
「上手く頑張って行こう。」スイが言いました。
おわり