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魔法少女タマコ #2

 その日、とある通りにエボリューションアニマルキャプターが姿を現しました。

「ウッ……!ウウウッ……!」エボリューションアニマルキャプターはよろめきながら歩いていました。

「ハアアアアアアアッ!」エボリューションアニマルキャプターが暴れ出し、右手から魔法弾を放って周囲を破壊し始めました。


 とある建物の屋上でタマコはエボリューションキャプターの様子を見ていました。

「変身。」タマコは“バレット”のカードを使って変身しました。


 タマコはエボリューションアニマルキャプターの前に姿を現しました。

「ンッ……!?」エボリューションアニマルキャプターが言いました。

「何がしたいの?」タマコが言いました。

「ハアアアアアアアッ!」エボリューションアニマルキャプターがタマコに襲い掛かりました。

「フッ!」タマコが拳銃を撃ってエボリューションアニマルキャプターを攻撃しました。

 エボリューションアニマルキャプターはタマコの攻撃を受けても怯まずにタマコに向かっていきました。タマコは魔法のロープを使って移動し、エボリューションアニマルキャプターの攻撃をかわしました。

「まるで野獣ね。」タマコが言いました。

「フン!」エボリューションアニマルキャプターが構え直しました。

「ハアッ!」タマコが拳銃を撃ちました。

「ハアアッ!」エボリューションアニマルキャプターは撃たれても意に介さずに魔法弾を放ちました。

「くっ……!」タマコは横に転がってエボリューションアニマルキャプターの攻撃をかわしました。

「攻撃が効いていない?」タマコが言いました。

「ハアアアアアアアッ!」エボリューションアニマルキャプターがタマコに向かって走り出しました。

「マズいわね。」そう言ってタマコは魔法のロープを使って移動し、エボリューションアニマルキャプターの攻撃をかわしました。

「どうすればヤツを倒せるかしら?」タマコがエボリューションアニマルキャプターに向けて拳銃を構えながら言いました。

「ウウッ……!」エボリューションアニマルキャプターがよろめきました。

「えっ……?」タマコが言いました。

「ウウウウウウウウッ……!」エボリューションアニマルキャプターがよろめきながら路地へと姿を消しました。

「あっ……!」タマコがエボリューションアニマルキャプターを追いかけました。

 タマコがその路地に入りましたが、エボリューションアニマルキャプターの姿は見当たりませんでした。

「逃がしたわ。」タマコが言いました。

 その瞬間、タマコは後ろを振り返って拳銃を構えました。

 そこにはデスペルが立っていました。

「デスペル……。」タマコが言いました。

「どうやら二枚のカードを使うことは無理があるようだな。」デスペルが言いました。

「二枚のカード……?」タマコが言いました。

「今のキャプターのことだ。特にあの“エボリューション”のカードは強力だ。」デスペルが言いました。

「デスペル、あなたの狙いは何?キャプターを生み出しているのはあなたでしょう?」タマコが言いました。

「私はただ、マジカルカードの可能性に興味があるのだ。」デスペルが言いました。

「カードの可能性……?」タマコが言いました。

「強大な魔力を秘めたカードだ。我々を脅かす闇の力への対抗手段になるかも知れない。だからキャプターを生み出し、マジカルカードを集めさせ、その可能性を探っていたのだ。」デスペルが言いました。

「今はそのキャプターが平和を脅かしているわ。」タマコが言いました。

「キャプター達を見て分かった。マジカルカードの魔力は強過ぎる。カードを使用した人間の多くはその魔力の虜となって暴走する。仮に一枚のカードを使いこなせたとしても、二枚目のカードを使えばあのザマだ。」デスペルが言いました。

「あなたの期待通りにはならなかったワケね。」タマコが言いました。

「それはどうかな?」デスペルが言いました。

「えっ……?」タマコが言いました。

「魔法少女もキャプターと変わらない。必ずしも平和を守る存在になるとは限らない。逆にキャプターが平和を守る可能性も残されている。」デスペルが言いました。

「キャプターが平和を守る存在になると……?」タマコが言いました。

「ああ。少なくともお前はマジカルカードを使って平和を守っている訳だ。マジカルカードの力はリスクが大きいが、最終的にはその使い手次第ということになる。」デスペルが言いました。

「フン……。」タマコが言いました。

「ところで、マジックカードの可能性について探っているのは私だけでは無いようだな。」デスペルが言いました。

「えっ……?」タマコが言いました。

「レオを知っているか?」デスペルが言いました。

「レオ……?妖精……?知らないわね。生憎全ての妖精と知り合いじゃないの。」タマコが言いました。

「SSSなら知っているか?」デスペルが言いました。

「スピアソルジャーズセキュリティ……警備会社ね。」タマコが言いました。

「警備会社というのは表向きの話だ。」デスペルが言いました。

「で、レオという妖精は……?」タマコが言いました。

「SSSのトップだ。」デスペルが言いました。

「大企業のトップが妖精……?」タマコが言いました。

「ああ。レオは人間社会に興味を持ち、それを体験すべくSSSを設立した。」デスペルが言いました。

「SSSにそんな秘密が……。」タマコが言いました。

「レオの目的は人間の社会を体験すること。その過程としてSSSを成長させようとしている。そしてSSSは今や巨大な民間軍事会社として成長を遂げた。」デスペルが言いました。

「民間軍事会社……。」タマコが言いました。

「そしてレオはSSSの更なる発展の為にマジカルカードに目を付けたようだ。」デスペルが言いました。


 SSSの本社では人間の姿へと変化したレオがレイコを呼んで話をしていました。

「人工的に妖精を作り出し、兵士として活用する計画は随分と難航したようだな。」レオが言いました。

「Xの仕業です。」レイコが言いました。

「X……。ウワサの魔法少女か……。」レオが言いました。

「Xは何らかの理由により我々のプロジェクトを妨害しようとしているようです。」レイコが言いました。

「政府の差し金か……。」レオが言いました。

「Xがいかなる理由で動いているにせよ、我々のスプライト計画は一定の成果を挙げています。」レイコが言いました。

「Xの妨害を受けながらも人工妖精兵士スプライトを完成させたお前の手腕は称賛に値する。お前には次なるプロジェクトも推し進めて貰いたい。」レオが言いました。

「次なるプロジェクト……?」レイコが言いました。

「事業拡大の為のプランを一つしか持たず、何らかの理由によってそのプランが失敗に終わる可能性にまで考えが至らないようでは経営戦略のトップに立つ者として二流の誹りを免れない。」レオが言いました。

「なら次は何を……?」レイコが言いました。

「マジカルカードだ。」レオが言いました。

「マジカルカード……。」レイコが言いました。

「マジカルカードを研究し、その力を軍事に活用する。」レオが言いました。

「確かに世間を騒がせているあのカードの力を用いれば更なる事業拡大も可能。しかし、あまり政府を刺激し過ぎるのは良くないのでは……?」レイコが言いました。

「心配は要らん。こちらが真っ向から敵対しない限り政府も大きな動きは見せない筈だ。それに失敗を恐れていては成功を手にすることも出来ん。」レオが言いました。

「ならば直ちにマジカルカードの収集及び研究を開始します。」レイコが言いました。

「うむ。期待しているぞ、レイコ。」レオが言いました。


「もしもレオがSSSを発展させる為にマジカルカードを軍事利用することになればどうなるだろうな?」デスペルが言いました。

「さあね。」タマコが言いました。

「まあ、いずれその答えも出るだろう。その時にお前がどう動くのか楽しみだ。」デスペルが言いました。

「私は私のやりたいようになるわ。平和を脅かす者を倒す。」タマコが言いました。

「その心を失わぬよう精々頑張るが良い。ハハハハハハハッ!」そう言ってデスペルは姿を消しました。

「SSS……。」タマコが言いました。


 とある通りでブリザードキャプターが暴れていました。

「フッ!この俺こそが最強だ!」ブリザードキャプターが魔法の冷気を放って周囲を凍らせていきました。

 そこへタマコが姿を現しました。

「町を凍らせるのがそんなに楽しいの?」タマコが言いました。

「誰だお前は?」ブリザードキャプターが言いました。

「カード……?」ブリザードキャプターがタマコのマジカルチェンジャーに挿入された“バレット”のカードを見て言いました。

「ソイツを寄越せ!」ブリザードキャプターが言いました。

「残念だけどそれは出来ない。」タマコが言いました。

「冷たいな。尤も、俺程では無いがな!」そう言ってブリザードキャプターが魔法の冷気を放ちました。

「フッ!」タマコは魔法のロープで移動してブリザードキャプターの攻撃をかわしました。

「何……!?」ブリザードキャプターが言いました。

 タマコが魔法のロープで移動しながら拳銃を撃ってブリザードキャプターを攻撃しました。

「ウアアアッ……!」魔法弾を受けてブリザードキャプターが怯みました。

「ハアアッ!」タマコがそのまま跳び蹴りを繰り出しました。

「ウアアアッ……!」ブリザードキャプターがタマコの攻撃を受けてふっ飛ばされ、そのまま近くを流れていた川へと転落しました。

「フン……。」タマコがその川を見つめて言いました。


 ブリザードキャプターがその川の下流から岸へと上がりました。

「くっ……!油断したな。だが次こそは……!」ブリザードキャプターが言いました。

 そこへレイコが姿を現しました。

「ん……!?」ブリザードキャプターが言いました。

「最初のサンプルが見つかったわね。」レイコが言いました。

「変身!」レイコが変身しました。

「くっ……!ウアアアアアアアッ……!」ブリザードキャプターが言いました。


 おわり

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