魔法少女X #8
その日、ミチコはハルナのアジトでハルナと共にカエデと会っていました。
「進展はあった?」ミチコが言いました。
「また新しく二人の魔法少女が加わったけど、大きな進展は無いかな。」カエデが言いました。
「また増員?」ハルナが言いました。「今度は何て名前なの?」
「フウとスイ。」カエデが言いました。
「今時の魔法少女の名前は理解出来ないね。」ハルナが言いました。
「でも二人共優秀な魔法少女だよ。」カエデが言いました。
「でもまだまだキャプターの根絶には至らないのよね。」ミチコが言いました。
「うん。」カエデが言いました。
「で、私達はどうすれば良い?」ミチコが言いました。
「今のところこれといった情報が無いから具体的な依頼は出せないけど、ただ、とりあえずキャプターを見つけたら倒して欲しいんだ。」カエデが言いました。
「分かり易いと言えば分かり易いわね。」ミチコが言いました。
「カードを持ってきてくれたら報酬を支払うよ。いや、この際情報だけでも構わないから……。」カエデが言いました。
「分かったわ。」ミチコが言いました。
「これでしばらく収入には困らなさそうだね。」ハルナが言いました。
「何言ってるのよ。キャプターの脅威度が増してるような雰囲気になってるけど、キャプターなんてそんなに見かけるもんじゃ無いわよ。」ミチコが言いました。
「でも、収入源が何も無いよりはマシだよ。」ハルナが言いました。
「まあ、そうかも知れないわね。」ミチコが言いました。
「とにかく、よろしく頼むね。」カエデが言いました。
カエデが去った後、ミチコとハルナは話し合いました。
「こりゃあ積極的にパトロールをした方が良さそうだね。」ハルナが言いました。
「ここでずっとアニメばかり見て過ごしてるあなたにしては随分とやる気のある発言ね。」ミチコが言いました。
「たまには……ね。」ハルナが言いました。
「でも、私も個人的にキャプターの情報収集を進めてたけど、さっきも言ったようにキャプターなんてそうそうお目に掛かれるもんじゃ無いわよ。」ミチコが言いました。
「妖精がいれば気配を察知してくれるかも知れないけど……。マーシャはどうなの?」ハルナが言いました。
「そういうの得意そうには見えないわ。」ミチコが言いました。
「まあ、妖精の察知能力にもムラがあるからね。カエデちゃんの様子を見ると、あの有能そうなケイトリンも全てのキャプターの出現は察知出来ていなさそうだし。」ハルナが言いました。
「結局は足で稼ぐしか無いってワケね。」ミチコが言いました。
「それじゃあ一緒に行こう。」ハルナが言いました。
「何で一緒?」ミチコが言いました。
「だって、私達チームじゃん。」ハルナが言いました。
「チームだからこそ役割分担が大事でしょ?二人で一緒に行動するより別々に行動して捜索範囲を広げた方が効率が良いわ。」ミチコが言いました。
「でも、一人だと退屈じゃん。」ハルナが言いました。
「ここは目的の達成が優先でしょ。」ミチコが言いました。
「しょうがないなあ。」ハルナが言いました。
「ええ。」ミチコが言いました。
「でも、私達はチームだからね?どっちか片方だけが成果を挙げた場合でも報酬は山分けだよ?」ハルナが言いました。
「分かってるわ。」ミチコが言いました。
ミチコはハルナと別れてとある建物の屋上へと移動しました。
「さて……獲物は見つかるかしらね。」ミチコが言いました。
とある通りにアニマルキャプターが姿を現しました。
アニマルキャプターは両腕に生成した鉤爪を使ってその通りを破壊しました。
「フン。この力……。やはり俺こそが最強か。」アニマルキャプターが言いました。
「見つけた。」ミチコが言いました。
「行くわよ!」そう言ってミチコが構えました。
「変身!」ミチコが変身しました。
「フッ!」ミチコがその建物から飛び降りました。
ミチコはアニマルキャプターの前に着地しました。
「ん……?」アニマルキャプターが言いました。
「キャプターね?」ミチコが言いました。
「そう言うお前は……?」アニマルキャプターが言いました。
「魔法少女。魔法少女……Xよ。」ミチコが言いました。
「魔法少女……?」アニマルキャプターが言いました。
「あなたのその力、一体どこで手にしたの?」ミチコが言いました。
「俺の力……?このカードのことか?」アニマルキャプターがマジカルキャプトライザーに挿入された“アニマル”のカードを見せながら言いました。
「ええ。そのマジックカードのことよ。」ミチコが言いました。
「拾った。」アニマルキャプターが言いました。
「拾った?どこで……?」ミチコが言いました。
「あれは数か月前……いや、数週間前のようにも感じるな……俺は通りを歩いていた。そしたら電柱の傍に段ボールが置かれていることに気付いたんだ。何故だか俺はその段ボールが無性に気になってその中を覗いてみた。そしたら中にこのカードが入っていたんだ。」アニマルキャプターが言いました。
「そんな捨て猫みたいな……。」ミチコが言いました。
「信じられないかも知れないが、それが事実だ。きっと他のキャプターも偶然カードを拾っただけに違いない。」アニマルキャプターが言いました。
「そんなもんなのかしらね。」ミチコが言いました。
「偶然カードを手にした俺の元に謎の人物が姿を現した。フードを被っていて顔は見えなかった。」アニマルキャプターが言いました。
「まだ続きがあるのね。」ミチコが言いました。
「その人物がこれをくれたんだ、このマジカルキャプトライザーがあればこのカードの力を使うことが出来ると言ってな。」アニマルキャプターがマジカルキャプトライザーを見せながら言いました。
「マジカルキャプトライザー……ね。」ミチコが言いました。
「そして俺はこのカードとマジカルキャプトライザーを使いキャプターとなった。そして、何かに突き動かされるかのように他のカードを探し始めたという訳だ。」アニマルキャプターが言いました。
「で、この破壊活動は何なの?」ミチコが言いました。
「カード収集の一環だ。こうしていれば、カードが見つかるのではないかという気がしてな。」アニマルキャプターが言いました。
「通りを荒らしてもカードは出て来ないでしょ。一枚目のカードを偶然手に入れたのなら、二枚目以降も偶然手に入るのを待ったらどう?」ミチコが言いました。
「それじゃあダメだ!」アニマルキャプターが言いました。
「そうなの?」ミチコが言いました。
「じっとなんかしていられない!俺には力がある……最強の!この……力で……!」アニマルキャプターが言いました。
「どうにもマジックカードには人の心を悪に染める力があるようね。」ミチコが言いました。
「さあ、俺とバトルしろ!俺の力を思い知らせてやる!」アニマルキャプターが言いました。
「良いわ!望むところよ!あなたは魔法で悪になったのかも知れないけど、私は自分の意志で悪の道を選んだ魔法少女よ。悪としてあなたに負けたりはしないわ。」ミチコが言いました。
「善も悪も関係無い!強き者が生き残る、それがこの世界の掟だ!」アニマルキャプターが言いました。
「さあ、掛かって来なさい!」ミチコが言いました。
「ハアーッ!」アニマルキャプターがミチコに飛び掛かりました。
「フッ!」ミチコがアニマルキャプターをかわしました。
「ハアッ!」ミチコがマジカルピストルを撃ってアニマルキャプターを攻撃しました。
「クッ……!」アニマルキャプターが魔法弾を受けて怯みました。
「ハアアッ!」アニマルキャプターがすぐに体勢を立て直し、鉤爪をミチコに振り下ろしました。
ミチコはアニマルキャプターの攻撃をかわし、マジカルピストルを撃ちました。アニマルキャプターは撃たれても怯まずに鉤爪を振ってミチコのマジカルピストルを叩き落としました。
「あっ……!」ミチコが言いました。
「ハアアッ!」アニマルキャプターがミチコを引っ掻こうとしました。
「フッ!」ミチコは高速移動でアニマルキャプターの攻撃をかわしました。
「何……!?」アニマルキャプターが言いました。
アニマルキャプターが素早い動きでまたミチコを引っ掻こうとしました。しかしミチコは高速移動でその攻撃もかわしました。
「くっ……!」アニマルキャプターが言いました。
「なかなか良い動きね。でも、そんな攻撃じゃこの私は倒せないわよ。」ミチコが言いました。
「ハアアッ!」アニマルキャプターがミチコに飛び掛かりました。
ミチコは横に転がってアニマルキャプターをかわしつつ、地面に落ちたマジカルピストルを拾い上げました。
「マジカルバースト!」ミチコがアニマルキャプターに向けて魔法弾を三連射しました。
「ウアアアッ……!」アニマルキャプターが魔法弾を受けて怯みました。
「どう?降参する?」ミチコが言いました。
「フン。少しはやるようだな。だが、まだ俺には奥の手がある!」そう言ってアニマルキャプターが“エボリューション”のカードを取り出しました。
「それは……!」ミチコが言いました。
「二枚目のカードだ。手に入れたんだ、キャプターを倒して。」アニマルキャプターが言いました。
「そうなの?」ミチコが言いました。
「見せてやる、この俺の更なる力を。」アニマルキャプターが言いました。
「オーバーレイ!」そう言ってアニマルキャプターが“エボリューション”のカードを“アニマル”のカードの上に重ねる形でマジカルキャプトライザーに挿入しました。それと同時にマジカルキャプトライザーから「Evolutionanimal」と電子音声が発せられました。
「二枚のカードを……同時に……!?」ミチコが言いました。
「超変身!」アニマルキャプターがそう言うと同時にマジカルキャプトライザーから「Exceedchange」と電子音声が発せられ、アニマルキャプターがエボリューションアニマルキャプターへと変身しました。
「これって……!?」ミチコが言いました。
「ハアアアアアアアッ!」エボリューションアニマルキャプターが動物の頭部のような形に変化した右腕から魔法弾を放ってミチコを攻撃しました。
「アアアアアアアアッ……!」ミチコが魔法弾を受けてふっ飛ばされました。
「ううっ……!なんて威力……!」ミチコが倒れ込んだまま言いました。
「くっ……!力が……!クアアッ……!」エボリューションアニマルキャプターはよろめきながらその場を去っていきました。
「戦いを……止めた?」ミチコがそう言って立ち上がりました。
「こんなことならハルナと一緒に動いていれば良かったかも知れないわね。ま、情報だけでも報酬は貰えるけど……。」ミチコが言いました。
おわり