魔法少女フウ&魔法少女スイ #4
その日、二人はオフィスでカエデとケイトリンに会いました。
「これからよろしく。」カエデが言いました。
「よろしくお願いします。」二人が言いました。
「キャプターに関する基本的な情報は知ってる?」カエデが言いました。
「はい。」フウが言いました。
「基本的なことなら……。」スイが言いました。
「まあ、実際のところはまだあまり多くのことは分かっていないんだけど……。」カエデが言いました。
「とりあえずは平和を脅かすキャプターが現れたらその活動を阻止すれば良いんですよね?」フウが言いました。
「うん。それが目下の目標だね。」カエデが言いました。
「きっと上手くやってみせますよ。」スイが言いました。
「頼もしいね。」カエデが言いました。
「二人はレベル8の最上級魔法少女。期待して良いと思います。」ケイトリンが言いました。
「レベル8か……。」カエデが言いました。
「スイの隠された能力は一人の人物を対象に魔法の波動でチューニングを行い、対象となった人物のレベルを1上げてその攻撃力もアップさせるというもののようです。」ケイトリンが言いました。
「あの時の……。」フウが言いました。
「そう!チューニング……。」スイが言いました。
「対象がレベル8の魔法少女ならそのレベルを9にまで上げることが出来ちゃうワケか……。スゴいなあ。」カエデが言いました。
「レベル10で神に匹敵するとされていますから、レベル9は本当に規格外と言えますね。」ケイトリンが言いました。
「確かにあの力、スゴかった。」フウが言いました。
「神の一歩手前、ホントにスゴいね。」スイが言いました。
「ただし、その能力の発動には相応の魔力の消費が伴います。使用は極力控えた方が良いですね。」ケイトリンが言いました。
「そうなの?」フウが言いました。
「そんな……。」スイが言いました。
「まあ、レベル9の力が必要になる場面なんてそうは無いでしょう。」ケイトリンが言いました。
「確かに……。」フウが言いました。
「それもそうだね。」スイが言いました。
「ちなみに、フウの特殊能力は……?」カエデが言いました。
「残念ながらマジカルチェンジャーのリミットにより隠された能力を知ることが出来ません。」ケイトリンが言いました。
「そうなの?」カエデが言いました。
「はい。リミテッドマジカルチェンジャーを装着すると、そのリミッターが解除されるまでは隠された能力は存在しないものとして扱われてしまうのです。」ケイトリンが言いました。
「そっか……。」フウが言いました。
「今後のお楽しみってことだね。」スイが言いました。
「まあ、いっか。」フウが言いました。
「うん。」スイが言いました。
「二人はこれからどうするつもりなの?方針は決まってる?」カエデが言いました。
「二人で町をパトロールしてみようと思います。」フウが言いました。
「やっぱり情報は足で稼がないと……。」スイが言いました。
「積極的だね。私はインドア派だから、なかなかマネ出来ないや。」カエデが言いました。
「様々なタイプの人員が揃ったことは良いことです。多角的な活動を展開していけますね。」ケイトリンが言いました。
「そうだね。」カエデが言いました。
「それじゃあ早速行こうか?」フウが言いました。
「うん!」スイが言いました。
とある通りでファイヤーキャプターが暴れていました。
ファイヤーキャプターは掌から魔法の火炎を放射して通りを燃やしていました。
「ハッハッハッハッハッ!燃えろ!全て燃えてしまえ!この俺こそが最強なのだ!」ファイヤーキャプターが言いました。
そこへ二人が姿を現しました。
「アレは……!」フウが言いました。
「炎の魔法使い!」スイが言いました。
「ん……?」ファイヤーキャプターが二人に気付きました。
「何だお前達は?」ファイヤーキャプターが言いました。
「変身!」二人が変身しました。
「魔法少女?ムダだ!俺の炎で焼き尽くしてやる!」ファイヤーキャプターが言いました。
「ハアッ!」ファイヤーキャプターが二人に向けて魔法の火炎を放射しました。
「ウワアアッ……!」二人は魔法の火炎を受けて転倒しました。
「くっ……!」フウが言いました。
「強い!」スイが言いました。
「ハッハッハッハッハッ!魔法少女が二人で挑んだところでこの俺の炎には勝てまい!」ファイヤーキャプターが言いました。
二人が立ち上がりました。
「だったら……!」そう言ってフウがマジカルスラッシャーを構えました。
「ハアッ!」スイがマジカルシューターを撃ちました。
「ハアッ!」ファイヤーキャプターが前方に魔法の炎の壁を生成することでスイの攻撃を防ぎました。
「あっ……!」フウが言いました。
「防がれた!」スイが言いました。
「ハアアッ!」ファイヤーキャプターが魔法の火炎を放射しました。
「マジカルブレード!」フウが魔法の刃を飛ばしてファイヤーキャプターの攻撃を防ぎました。
「マジカルバースト!」スイが魔法弾を三連射してファイヤーキャプターを攻撃しました。
「グッ……!」スイの攻撃を受けてファイヤーキャプターが怯みました。
「よし!」フウが言いました。
「ダメージを与えた!」スイが言いました。
「くっ……!」ファイヤーキャプターが体勢を立て直しました。
「フン!少しはやるようだな!」ファイヤーキャプターが言いました。
「だが、その程度の攻撃でこの俺を倒せると思うな!」そう言ってファイヤーキャプターは両手を構えました。
「ハアーッ!」ファイヤーキャプターが両手から次々と魔法火炎弾を放ちました。
フウは前に出るとマジカルスラッシャーで飛んでくる魔法火炎弾を弾きました。しかし飛んでくる全ての魔法火炎弾を弾くことは出来ず、二人は魔法火炎弾を受けて爆発と共に地面に倒れ込みました。
「くうっ……!」フウが言いました。
「ううっ……!」スイが言いました。
「ハッ!どうした?もう終わりか?」ファイヤーキャプターが言いました。
「やっぱり強い!」フウが言いました。
「こうなったら……!」スイが立ち上がりながら言いました。
「待って!」フウが立ち上がりながら言いました。
「えっ……?」スイが言いました。
「特殊能力はダメだよ!スイの魔力が……!」フウが言いました。
「でも、このままじゃどの道負けちゃう!」スイが言いました。
「そんなこと無いよ!スイの魔力を使わなくても、まだ勝機はある!」フウが言いました。
「確かにそうかも知れないけど……。」スイが言いました。
「ハアーッ!」フウがマジカルスラッシャーを構えてファイヤーキャプターに向かっていきました。
「降参をするかどうか話し合っていたんじゃ無かったのか?まあ良い。愚かにもバトルを続けると決めたのであれば、俺の灼熱の火炎で葬り去ってくれる!」そう言ってファイヤーキャプターは構え直しました。
フウがファイヤーキャプターに向けてマジカルスラッシャーを振り降りましたが、ファイヤーキャプターは片腕でそれを弾きました。尚もフウはマジカルスラッシャーを振って攻撃を続けましたが、ファイヤーキャプターはそれらの攻撃を全て防ぐと、魔法の火炎を纏わせた拳でフウを殴り飛ばしました。
「ウアッ……!」フウが地面に倒れ込みました。
「フウ……!」スイが言いました。
「くっ……!」スイがマジカルシューターを撃ってファイヤーキャプターを攻撃しました。
「フン!」ファイヤーキャプターは飛んできた魔法弾を片腕で受け止めました。
「ううううっ……!」フウは倒れ込んだまま立ち上がれずにいました。
「さて、相手が二人だろうと俺の勝利は揺るがないが、それでもまずは敵の数を減らしておくとしよう。」そう言ってファイヤーキャプターはフウを見つめました。
「フウ……!」そう言ってスイがマジカルシューターを撃ちました。
「ムダだ!」そう言ってファイヤーキャプターはスイの攻撃を防ぎました。
「ハアッ!」ファイヤーキャプターが魔法の火炎を放射してスイを攻撃しました。
「ウワアッ……!」スイが転倒してマジカルシューターを手放しました。
「お前は大人しくそこで見ているが良い!」ファイヤーキャプターが言いました。
「スイ……!」そう言ってフウが立ち上がろうとしました。
「フン!」ファイヤーキャプターがフウを蹴りました。
「アアッ……!」フウが再び倒れ込みました。
「さあ、トドメだ。」そう言ってファイヤーキャプターが構えました。
「フウ……!」スイが言いました。
その瞬間、スイの目の前に一枚のカードが舞い降りてきました。
「あっ……!」スイがそのカードを手に取りました。
「これは……!ウェーブ……?」スイがそのカードを見て言いました。
スイが“ウェーブ”のカードを手にしたまま立ち上がると、スイのマジカルチェンジャーが変化しました。
「ん……?」ファイヤーキャプターがスイの方を見ました。
「まさか……そのカードは……!」ファイヤーキャプターが言いました。
スイは“ウェーブ”のカードをマジカルチェンジャーに挿入しました。
「変身!」スイが“ウェーブ”のカードで変身しました。
「バカな!魔法少女がカードの力を得ただと……!?」ファイヤーキャプターが言いました。
「あっ……!」フウが言いました。
「これが……マジカルカードの力……?」スイが言いました。
「そのカードを寄越せ!」そう言ってファイヤーキャプターがスイに向かっていきました。
「ハアッ!」スイが掌から魔法の水流を放ってファイヤーキャプターを攻撃しました。
「ウアアアッ……!」ファイヤーキャプターがスイの攻撃を受けて転倒しました。
「グアアッ……!」ファイヤーキャプターが倒れ込んだまま言いました。
「スゴい……。」フウが立ち上がって言いました。
「魔力が……溢れる!」スイが言いました。
「これなら……!」そう言ってスイはフウをチューニングしました。
「フッ!」シンクロしたフウがマジカルスラッシャーを構えました。
「おのれ……!」ファイヤーキャプターが立ち上がりました。
フウがマジカルスラッシャーでファイヤーキャプターを連続で切りつけました。
「ウアアアッ……!」ファイヤーキャプターがフウの連続攻撃を受けて後退しました。
「今だ!」そう言ってスイがマジカルムーブを発動しました。
スイが両手で魔法の波動から魔法弾を生成しました。
「マジカルウェーブ!」スイが両手から魔法弾を放ちました。
「なっ……!ウアアアアアアアッ……!」ファイヤーキャプターが魔法弾を受けて倒れました。
「勝った!」フウが言いました。
「うん!」スイが言いました。
「それにしても……。」フウが言いました。
「この私が……マジックカードを使えるなんて……。」スイが言いました。
「この町での戦いは奥が深そうだね。」フウが言いました。
「うん。」スイが言いました。
おわり