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魔法少女ミク #6

 その日、ミクは部屋で情報整理を行っていました。

 そこへアルグラがやって来ました。

「よお。」アルグラが言いました。

「アルグラ……!?」ミクが言いました。

「ああ。」アルグラが言いました。

「ちょっと……!勝手に入って来ないでよ、今仕事中なんだから!」ミクが言いました。

「副業……?公務員は副業禁止だろ。」アルグラが言いました。

「執筆活動くらいは出来るんじゃないの、知らないけど?てか、そもそも私って正式な公務員なワケ?」ミクが言いました。

「知るか。」アルグラが言いました。

「ええ……?」ミクが言いました。

「それで、何やってたんだ?」アルグラが言いました。

「え……?いや、もうすぐさ、出来るでしょ、スーパーアリーナ。」ミクが言いました。

「ああ。アレのことか。」アルグラが言いました。

「で、やるわけよ、完成記念コンサート!」ミクが言いました。

「コンサート……?アリーナでか?」アルグラが言いました。

「やるでしょ、アリーナで!」ミクが言いました。「そんなことも知らないの?」

「バカ。そんぐらい知ってんに決まってんだろ。でもアレだろ。アリーナっつーからには、もっとアリーナっぽいことした方が観客だって喜ぶだろ。格闘技とか……。」アルグラが言いました。

「格闘技……?」ミクが言いました。「プロレスとかそういうの……?」

「そう。総合とかそういうのとか……。」アルグラが言いました。

「プロレスとか私は興味無いけどなあ……?」ミクが言いました。「アルグラは好きなワケ?」

「好き……プロレスをか?」アルグラが言いました。

「うん。」ミクが言いました。

「プロレス……どっちかと言えば嫌いだな。」アルグラが言いました。

「この会話の流れで嫌いとかある?」ミクが言いました。「どうして……?」

「そりゃアレだよ。」アルグラが言いました。「殴ってやりたいヤツの顔を思い出す……。」

「穏やかじゃないな。」ミクが言いました。

「別にヤツのことはそこまで嫌いでも無いんだけどな。」アルグラが言いました。「いるだろ、そういうヤツ?」

「私は孤独の身だから……。」ミクが言いました。

「ああ……。」アルグラが言いました。「まあ、コンサートも良いよな。」

「でしょ!?で、最近売れ始めてる子が何人か来るワケ!」ミクが言いました。

「売れ始め……?それ逆に言うとまだそこまでメジャーじゃねえってことか?」アルグラが言いました。

「まあ……。」ミクが言いました。

「せっかくのスーパーアリーナなのにそんなヤツらしか来ねえのかよ。」アルグラが言いました。「これじゃモールと変わんねえじゃねえか。」

「色々大人の事情があるんだよ。」ミクが言いました。

「金か。」アルグラが言いました。

「それは分かんないけど……。」ミクが言いました。

「で、どんなヤツらが来るんだ?」アルグラが言いました。「ま、言われたところで分かんねえけどよ。」

「えーっと……。」そう言ってミクは資料を漁りました。「ある程度この町で名が知られてる子って言うと……。」

「キスとか知ってる?」ミクが言いました。

「キスっつったら……アレだろ、チューのことだろ?」アルグラが言いました。

「まあ間違いじゃないけど……名前だよ、アイドルの。」ミクが言いました。

「ほう。」アルグラが言いました。「知らねえな。」

「はあ……。」ミクが言いました。

「コイツらは何だ?」アルグラが資料を見て言いました。「ニーソ……?」

「“kneesocksuite”、最近急に人気が出始めたアイドルグループだよ。」ミクが言いました。

「人気なのか、コイツらが?」アルグラが言いました。

「急上昇中らしいよ。」ミクが言いました。「私はこの子達の歌、あまりよく分かんないだけどね。」

「どんな歌なんだ?」アルグラが言いました。

「まあ……普通かな?」ミクが言いました。

「普通って何だよ?」アルグラが言いました。

「普通は普通だよ。」ミクが言いました。

「は……?」アルグラが言いました。

「でも何か知んないけどファンが増えてるんだよね。」ミクが言いました。「しかもどういう訳かみんな熱狂的だし。」

「サクラじゃねえのか?」アルグラが言いました。

「それは無いと思うよ。」ミクが言いました。

「じゃあクスリでも飲ませたか?」アルグラが言いました。

「そんなクスリがあればね。」ミクが言いました。

「こういうの何っつーんだったか?推し活……?」アルグラが言いました。

「熱狂的なだけならまだ良かったんだけどね。ニーソスイートのファンってやたら他の子のファンに攻撃的で、それで色々と問題になったりもしてるんだよね。」ミクが言いました。

「そうなのか?つか、ニーソスイートって何だよ。略すならもっと短く略せよ。これじゃ略す意味ねえじゃねえか。」アルグラが言いました。

「他に略しようも無いでしょ?だからみんなそう言ってるよ。」ミクが言いました。

「そうなのか?」アルグラが言いました。

「実際のところ、グループ名の呼び易さってのは大事なことなんだ。」ミクが言いました。

「だろうな。」アルグラが言いました。「そう言われてみると、コイツらが売れてる理由が私にも分かんねえかもな。」

「その点、“キス×キル”はキャッチーと言えるね。」ミクが言いました。

「キスって、さっき言ってたヤツか?」アルグラが言いました。「キルもいるのか?」

「前はいたんだけど、今はあまり聞かないかな。最近はキスがソロで活動してるイメージ。」ミクが言いました。

「何だよ。キルがいたらファンになってたかも知んねえのによ。」アルグラが言いました。

「いても絶対ならないでしょ、ファン。」ミクが言いました。

「かもな。」アルグラが言いました。

「まあ、そんなワケで、今はそのライブの記事を書くので忙しいの。」ミクが言いました。

「その……ニースイの記事か?」アルグラが言いました。

「ニーソスイートね。」ミクが言いました。「彼女達だけじゃないけど……。」


 その頃、とある工場でチミツとキョウコが話をしていました。

「他のメンバー達に推し活をさせてるって聞いたが、本当のことなのか?」キョウコが言いました。

「ああ。本当だ。」チミツが言いました。

「何を考えてそんなことを……?」キョウコが言いました。

「無論、組織の発展の為だ。」チミツが言いました。

「推し活をすればネオエリコが発展するとでも……?」キョウコが言いました。

「ただの推し活をさせているワケでは無い。」チミツが言いました。

「つまり……?」キョウコが言いました。

「奴らには他のアイドル達を誹謗中傷するよう指示している。」チミツが言いました。

「そんなことをして何になる?」キョウコが言いました。

「推しを貶されたこの町のオタク達は怒りを覚え、その怒りはストレスとなる。ストレスの溜まった人間が増えれば社会の安定は乱れ、人々の心から道徳が失われていく。」チミツが言いました。

「そうなれば、生温い正義感から我々と敵対する魔法少女達よりも、むしろ我々と共に歩まんとする魔法少女達の方が増えるということか。」キョウコが言いました。

「そういうことだ。」チミツが言いました。「社会が乱れれば、その分お前の望む政府転覆も狙い易くなるだろう。」

「それは良い!」キョウコが言いました。


 ミクはアルグラと話を続けていました。

「日本政府が狙われてる!?」ミクが言いました。「その……ネオエリコって人達に……?」

「ああ。そうだ。」アルグラが言いました。「だからお前もアイドルなんかに現抜かしてる場合じゃねえぞ。」

「この仕事は辞めるつもり無いけど、まあ、政府がピンチだって言うならとりあえず手は貸すよ。」ミクが言いました。「何処に行って誰と戦えば良いの?」

「知るかバカ。そういうのは自分で調べるモンだろうが。」アルグラが言いました。「それでもライターか?」

「こういう時だけライター扱いして……。」ミクが言いました。

「悪いかよ。」アルグラが言いました。

「とりあえず分かったよ。私にやれる範囲のことはやるけど、期待しないでよね、そこら辺に関しては素人なんだから。」ミクが言いました。

「心配すんな、端からお前にそこまで期待してねえ。ただ、この時点でお前に何も指示を出してないってなったら煩く言うヤツがいるかも知れねえから、その対策だけだ。」アルグラが言いました。

「そうなんだ。」ミクが言いました。

「それじゃあな。」そう言ってアルグラはその場を去りました。

「はあ……。」ミクが言いました。


 ミクはとある建物の屋上にやって来ました。

「変身!」ミクが変身しました。


 とある路地で一人の魔法少女がマジカルスラッシュチェンジャーで一人のアイドルファンを襲おうとしていました。

「そんな……どうして……?」そのアイドルファンが言いました。

「今、この町に穏健派のドルオタは必要無い。」その魔法少女が言いました。「死ね。」

「ハアッ!」ミクが姿を現しました。

「お前は……!?」その魔法少女が言いました。

「逃げて!」ミクがそのアイドルファンに言いました。

「は……はい!」そのアイドルファンはそう言ってその場を離れました。

「お前……!」その魔法少女が言いました。

 ミクがマジカルカタナを召喚して構えました。

 ミクとその魔法少女はお互いの武器を何度もぶつけ合いました。

「フン!」その魔法少女がマジカルスラッシュチェンジャーでマジカルカタナを建物の壁に押し付けました。

「ハアアアアアアアッ!」その魔法少女はマジカルカタナを壁に押し付けたままミクを後ろに押していきました。

 ミクとその魔法少女は壁を抉りながら移動していきました。

「ハアッ!」ミクが足を止めてその魔法少女を受け流しました。

 その魔法少女は受け流されて体勢を崩しました。

「マジカルマーダー!」ミクがマジカルカタナをその魔法少女に振り下ろしました。

「ウアッ……!」その魔法少女にミクの攻撃が直撃しました。

「ウアアアアアアアッ……!」その魔法少女が消滅しました。

「魔法少女が人を襲う……か……。」ミクが言いました。


 おわり

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