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魔法少女アンナ #3

 その日、アンナは警察署でヨウコと話をしていました。

「ここ最近になってキャプターによるものと思われる破壊行為が増えているのよ。」ヨウコが言いました。

「おそらくキャプターの数が増加しているのでしょう。そして町が破壊されているのはキャプター同士の戦闘によるものと考えられます。」アンナが言いました。

「まあ、そうよね。」ヨウコが言いました。

「市民から怪物の目撃情報が寄せられています。怪物の正体はおそらくキャプターでしょう。」アンナが言いました。

「現行犯でお縄を頂戴出来ないなら、アジトに乗り込むしかないけど、情報の信憑性に問題があるのよ。」ヨウコが言いました。

「私の分析によりキャプターの存在する可能性が高い場所を一箇所だけ絞り込んであります。その場所でキャプターを捕らえることが出来れば黒いフードの人物に関する情報も手に入れられるかも知れません。」アンナが言いました。

「早速行ってみるのよ。」ヨウコが言いました。


 アンナとヨウコはとあるアパートを訪れました。そしてそのアパートの一室を目指しました。

「この先の部屋ね?」ヨウコが言いました。

「はい。」アンナが言いました。

 アンナとヨウコはその部屋の前に着きました。

 アンナがその部屋のチャイムを鳴らしました。しかし、部屋の中から反応がありませんでした。

「すみません。」アンナがドアをノックしながら言いました。

「警察だ!開けろ!」アンナが言いました。

 すると中から物音が聞こえました。

「変身!」ヨウコが変身しました。

 そしてヨウコはドアを蹴破り、部屋へと入りました。アンナもヨウコの後を追って中へと入りました。

 部屋では一人の人物が窓から外へ出ようとしていました。

「そこまでよ!」ヨウコがマジカルジッテを構えながら言いました。

「くっ……!」その人物が言いました。

 その人物は腕にマジカルキャプトライザーを装着していました。

「あなたキャプターね?」ヨウコが言いました。

「そうだ!」そう言ってその人物が“ダッシュ”のカードをマジカルキャプトライザーに挿入しました。

「変身!」その人物がダッシュキャプターに変身しました。

「この俺こそ最速、最強のキャプターだ!」そう言ってダッシュキャプターは走ってヨウコを突き飛ばしました。

「ウアッ……!」ヨウコが転倒しました。

 ダッシュキャプターはそのままアンナの方へ走っていきましたが、アンナは向かってくるダッシュキャプターをかわしました。

 ダッシュキャプターはそのまま部屋の外へと出て行きました。

「何してるの!?追うのよ!」ヨウコが立ち上がろうとしながら言いました。

「変身!」アンナは変身してダッシュキャプターを追って走り出しました。

 ダッシュキャプターはアパートの階段を駆け上がり、屋上に出ました。

 アンナも階段を駆け上がって屋上に出ました。

 ダッシュキャプターは走って隣の建物へと飛び移りました。

 アンナはマジカルスタイラスで魔法の道を実体化し、隣の建物へと移動しました。

 ダッシュキャプターはその建物の非常階段を駆け下りていきました。

 アンナはその建物の壁に魔法のポールを実体化すると、そこを滑り降りました。

 アンナは非常階段の終点に先回りし、ダッシュキャプターを捕らえようとしました。

 ダッシュキャプターはアンナの動きを見ると、非常階段から飛び降りてそのまま路地を駆け出しました。

 アンナは走ってダッシュキャプターを追いかけましたが、ダッシュキャプターとの距離がどんどん開いていきました。

 アンナは立ち止まって魔法のバイクを実体化すると、それに乗ってダッシュキャプターを追いかけ始めました。

 魔法のバイクに乗ったアンナは通りに出ると、前方を走るダッシュキャプターを追い抜き、その行く手を塞ぎました。

「くっ……!」ダッシュキャプターが引き返そうとしました。

 そこへヨウコが追いつき、ダッシュキャプターの行く手を阻みました。

「観念するのよ!」ヨウコが言いました。

「君にそのアイテムを渡した人物について教えて欲しい!」アンナが言いました。「もし教えてくれれば君のことを見逃しても構わない!」

「ちょ……!アンナ……!?」ヨウコが言いました。

「私達にとって重要なのは黒いフードの人物に関する情報を手に入れることです。」アンナが言いました。

「うう……。」ヨウコが言いました。

「その人物について教えて!」アンナが言いました。

「知らん!ヤツのことはあまり覚えてない!」ダッシュキャプターが言いました。

「ウソだ!何でも良い!特徴を言って!」アンナが言いました。

「フードのせいで顔は良く見えなかった。背は普通程度でやせ型の男だ。」ダッシュキャプターが言いました。

「月並みね。」ヨウコが言いました。

「他に特徴は……!?」アンナが言いました。

「知らんと言ったら知らん!俺がカードを見つけた時、ヤツは現れ、このアイテムを寄越した、このカードの力を使う為のアイテムだと言ってな。」ダッシュキャプターが言いました。

「目的が見えない。」アンナが言いました。

「ああ!ヤツの目的は謎だ。」ダッシュキャプターが言いました。

「ううむ……。」ヨウコが言いました。

「だが、俺の目的はハッキリしているぞ!」ダッシュキャプターが言いました。「この俺こそが最強!そのことを思い知らせる!」

 ダッシュキャプターが走ってヨウコの脇を抜けました。

「なっ……!」ヨウコが言いました。

 アンナが魔法のバイクを走らせてダッシュキャプターの後を追いました。

 ダッシュキャプターは停めてあるトラックを足場にして工事用の足場に飛び移りました。

 アンナはバイクを急停止すると、バイクから降りてその足場に上りました。

 ダッシュキャプターはその足場をどんどん登っていきました。

 アンナもその足場を登っていきました。

 ダッシュキャプターは工事が行われている建物の屋上へと移動しました。

 アンナもその建物の屋上へと移動しました。

 ダッシュキャプターは建物を飛び移りながら逃げ続けました。

 アンナも魔法の足場を実体化しながらダッシュキャプターを追い続けました。

 ダッシュキャプターは建物から線路へと飛び降り、走って来た電車の屋根に飛び乗りました。

 アンナもその電車の上に飛び降りました。

「いつまで追いかけてくるつもりだ?」ダッシュキャプターが言いました。「お前の知りたがっている情報は持っていない、情報収集は俺の能力に含まれていないんでな!」

「取引に応じて貰えないなら君を倒す。それが私の仕事なんだ。」アンナが言いました。

「ハッ!ここまで追いかけてきたことは褒めてやろう!だがお前に俺は倒せない!何故なら俺は最強だからだ!」ダッシュキャプターが言いました。

「それはどうかな?」アンナが言いました。

「何……?」ダッシュキャプターが言いました。

「君の能力を分析した。“ダッシュ”のカードの力では私を倒すことは出来ないよ。」アンナが言いました。

「ほざけ!」ダッシュキャプターが言いました。

 ダッシュキャプターがアンナに右手で殴り掛かりました。

 アンナは左腕でダッシュキャプターの攻撃を防ぐと、右手でパンチを繰り出しました。

 ダッシュキャプターはアンナの攻撃を左腕で防ぎました。

 ダッシュキャプターはアンナから一旦距離を取ると、今度は左足でキックを繰り出しました。

 アンナは右手でダッシュキャプターの攻撃を防ぐと、左手でダッシュキャプターを殴りました。

「ウッ……!」ダッシュキャプターが後退しました。

 アンナは魔法の拳銃を実体化すると、ダッシュキャプターに向けてそれを構えました。

「な……!」ダッシュキャプターが言いました。

 アンナが魔法の拳銃を撃ちました。

 ダッシュキャプターは電車から飛び降りてアンナの攻撃をかわし、そのまま高架下の通りに落下しました。

 アンナも走って高架下に降りました。

 ダッシュキャプターはトラックの荷台に降りました。

 アンナはそのトラックの後ろを走るバスの上に着地しました。

 アンナはダッシュキャプターに向けて魔法の拳銃を撃ちました。

 ダッシュキャプターは近くを走る乗用車の屋根の上に飛び移り、アンナの攻撃をかわしました。

 ダッシュキャプターはそのまま歩道に降りました。そして路地へと走っていきました。

 アンナもバスから跳び、空中で魔法の道を実体化すると、そこを渡って歩道へと移動しました。

 アンナはダッシュキャプターの逃げ込んだ路地へと入りました。

 しかし、そこでダッシュキャプターの姿を見失ってしまいました。

「くっ……!」アンナが言いました。


 その後、アンナはヨウコと合流しました。

「すみません。」アンナが言いました。「キャプターを取り逃がしました。」

「そう……。」ヨウコが言いました。

「私がちゃんと追いかけていれば……。」アンナが言いました。

「いや……。私が足を引っ張ったのよ。」ヨウコが言いました。

「ヨウコ……。」アンナが言いました。

「どっちにしたって、ヤツは捜査に必要な情報を持っていなかった。結局のところ捜査は進まなかったのよ。」ヨウコが言いました。

「はい。」アンナが言いました。

「マジカルキャプトライザーを配ってキャプターを生み出している黒いフードの人物……。ソイツの手掛かりを持つキャプターはいるの?」ヨウコが言いました。

「分かりません。」アンナが言いました。

「ソイツはキャプターを生み出して何をしようとしているの?」ヨウコが言いました。

「さあ……?」アンナが言いました。

「まるで迷路なのよ。」ヨウコが言いました。

「ですが……私達はこの迷路を進んでいかなければなりません。」アンナが言いました。

「まあ、それが仕事よ。」ヨウコが言いました。

「はい。」アンナが言いました。「これからも頼りにして宜しいですか、ヨウコ?」

「えっ……?何よ?」ヨウコが言いました。

「挨拶です。」アンナが言いました。「間違っていましたか?」

「フン!間違いよ。大間違いなのよ。」そう言った後、少しヨウコが笑みを浮かべました。

 ヨウコの表情を見てアンナも僅かに微笑みました。


 おわり

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