魔法少女イクコ #2
イクコは仕事をしながらユイの面倒を見る生活を続けていました。その生活は平和でしたが、イクコは仕事中にユイのことを放置していました。
ユイはイクコが部屋にいない間は一人で外に出ていました。イクコはそのことに不安を感じてはいましたが、ユイの自由を奪うことは出来ないと考えており、何も言わずにいました。
ユイはイクコが仕事から帰るまでには家に帰るようにしていました。そしてユイは帰って来たイクコにその日の出来事を話していました。その会話はイクコとユイにとって一日の中で最も楽しい時間でした。
その日、イクコが仕事から帰って来ました。しかし、そこにユイの姿はありませんでした。
「ユイ……?」イクコが言いました。
イクコは慌てた様子で部屋を出ました。
その頃、ユイは崩壊した通りで迷子になっていました。
「お姉ちゃん……。」ユイが言いました。
イクコが崩壊した通りに辿り着きました。
「これは……?」イクコが言いました。「ユイ……!」
ユイは部屋に帰ろうと崩壊した通りを進んでいました。
そこへプレスキャプターが姿を現しました。
「ん……?」プレスキャプターがユイに気付きました。
「あ……。」ユイが言いました。
そこへイクコが姿を現しました。
「ユイ……!」イクコが言いました。
「貴様は……?」プレスキャプターが言いました。
イクコは“ポイズン”のカードをマジカルチェンジャーに挿入しました。
「何……?」プレスキャプターが言いました。
「変身!」イクコが変身しました。
「そのカードを寄越せ!」プレスキャプターが言いました。
プレスキャプターは三倍程の大きさに巨大化するとイクコを踏み潰そうとしました。
イクコは全身から無数の触手を生成すると、それらを絡めながら伸ばして防壁を作り、プレスキャプターの攻撃を受け止めました。
「何……!?」攻撃を止められたプレスキャプターが言いました。
プレスキャプターはイクコから距離を取りました。イクコは触手を消滅させました。
「フッ!」イクコはマジカルボウを使ってプレスキャプターに魔法の矢を放ちました。
「グッ……!」プレスキャプターが魔法の矢を受けて怯みました。
「ウアアッ……!」プレスキャプターは魔法の矢に含まれていた魔法の毒を受けて元の大きさに戻りました。
「この俺の力が通用しないとは……!」そう言ってプレスキャプターはその場を離れていきました。
「お姉ちゃん……!」そう言ってユイがイクコに駆け寄りました。
「このままだと警察が来る。早く帰りましょう。」イクコが言いました。
イクコとユイは部屋に戻りました。
「危ないところだったわ、ユイ。」イクコが言いました。
「うん……。」ユイが言いました。
「ゴメンね、いつも一緒に居てあげられなくて。」イクコが言いました。
「ううん……。私の方こそゴメン、お姉ちゃんに心配かけて。」ユイが言いました。
「ユイ……。」イクコが言いました。
「私……悪い子だよね。」ユイが言いました。
「ユイ……?」イクコが言いました。「どうしてそう思うの?」
「だって……お父さんは……私を殺そうとした……。」ユイが言いました。「きっと私が悪い子だったから……。」
「ユイ……。」イクコが言いました。「そんなこと無いわ。」
「お姉ちゃん……。」ユイが言いました。
「お父さんはあなたのことを愛していたわ、きっと。」イクコが言いました。「それに……今は私がお母さんとしてここにいる。」
「お姉ちゃん……!」ユイが言いました。
「心配しないで、ユイは良い子よ。そしてあなたは……私の娘よ。」イクコが言いました。
「本当……に……?」ユイが言いました。
「本当よ。私を信じて。お母さんの言うことに間違いは無いわ。」イクコが言いました。
「お姉ちゃん……!」ユイが言いました。
「聞いて、ユイ。」イクコが言いました。
「何、お姉ちゃん?」ユイが言いました。
「あの魔法使いはとても危険だわ。だからあの魔法使いがいなくなるまで外に出ないで。」イクコが言いました。
「えっ……?」ユイが言いました。
「勿論ここに一人でいるのは退屈なのは分かってる。でも、大事なことなの。」イクコが言いました。
「でも……!」ユイが言いました。
「お母さんの言うことは聞かなきゃダメよ、ユイは良い子なんだから。」イクコが言いました。
「う……うん……。」ユイが言いました。
その後、ユイが寝た後にイクコはプレスキャプターを探しに外に出ました。
ひとまずイクコは先程プレスキャプターと戦った場所に行ってみました。
そこには多数の警察官が集まっており、現場の調査を行っていました。
「やっぱり今日は無理そうね。」そう言ってイクコは部屋に戻りました。
次の日、イクコが仕事から帰ると、またしてもユイの姿がありませんでした。
「ユイ……!」そう言ってイクコは部屋を出ました。
ユイは前日とはまた別の崩壊した通りにいました。
「どうしよう……?」ユイが言いました。
そこへプレスキャプターが姿を現しました。
「またか……。」プレスキャプターがユイを見て言いました。
「うう……。」ユイが言いました。
「この俺が町を破壊している所で二度も生き延びられるとは運が良いな。」プレスキャプターが言いました。
「助けて……!」ユイが言いました。
そこへイクコが姿を現しました。
「親離れが早過ぎるわ、ユイ。」イクコが言いました。
「お姉ちゃん……!」ユイが言いました。
「また貴様か……!」プレスキャプターが言いました。
「変身!」イクコが“ポイズン”のカードを使って変身しました。
「ウオオオオオオオッ!」プレスキャプターが三倍程の大きさに巨大化し、イクコに襲い掛かりました。
「ハアッ!」プレスキャプターが右の拳を振り下ろしました。
「フッ!」イクコは左に移動してプレスキャプターの攻撃をかわしました。
イクコはそのまま後ろに走ってプレスキャプターから距離を取ろうとしました。
プレスキャプターがイクコを追って左の拳を振り下ろしました。
「ハアッ!」イクコは前方に跳んでプレスキャプターの攻撃をかわしました。
イクコはそのまま前方の建物の非常階段に飛び移り、それを駆け上がりました。
「ハアッ!」プレスキャプターがイクコのいる建物に向けて右の拳を突き出しました。
「フッ!」イクコはその建物から飛び降りました。
プレスキャプターが突き出した拳がその建物に直撃し、その建物の壁が壊れました。
イクコはプレスキャプターの脇に着地すると、そのまま走ってプレスキャプターの後方へと移動しました。
プレスキャプターがイクコの方へと向きを変えました。
「フン!」プレスキャプターが左足でイクコを踏み潰そうとしました。
イクコはスライディングでプレスキャプターの攻撃をかわしました。
イクコはマジカルボウを召喚すると、魔法の矢を放ってプレスキャプターを攻撃しました。
「ウアッ……!」プレスキャプターが魔法の矢を受けて怯みました。
「ウウッ……!」プレスキャプターが魔法の毒を受けました。
イクコがさらに魔法の矢を放とうとしました。
「ハアッ!」プレスキャプターが体勢を立て直し、右の拳を振り下ろしました。
「くっ……!」イクコが左に跳んでプレスキャプターの攻撃をかわしながら魔法の矢を放ちました。
魔法の矢がプレスキャプターの右腕に直撃しました。
「グウッ……!」プレスキャプターが右腕を押さえて怯みました。
プレスキャプターが元の大きさに戻りました。
「ハアッ!」イクコが魔法の矢を放ちました。
「フン!」プレスキャプターが左腕で魔法の矢を弾きました。
「ハアーッ!」プレスキャプターはイクコに向かって走り出し、右手でパンチを繰り出しました。
イクコはマジカルボウでプレスキャプターの攻撃を防ごうとしましたが、プレスキャプターの攻撃によってマジカルボウを落としてしまいました。
「ハアアッ!」プレスキャプターが左手でパンチを繰り出しました。
「アアッ……!」イクコがふっ飛ばされて建物の壁面に激突し、そのまま地面に倒れ込みました。
「お姉ちゃん……!」ユイが言いました。
「くうっ……!」イクコが立ち上がりました。
「フン!貴様の力は厄介だが、それでも俺の方が強い!」プレスキャプターが言いました。
「それはどうかしら?」イクコが言いました。
「何……!?」プレスキャプターが言いました。
イクコがマジカルムーブを発動しました。
「ウオオオオオオッ!」プレスキャプターが再び三倍程の大きさに巨大化しました。
「ハアアッ!」プレスキャプターが左手を振り下ろしました。
イクコは後ろにジャンプしてプレスキャプターの攻撃をかわしました。
イクコは後ろの建物の壁面を蹴ってそのままプレスキャプターの方へと跳びました。
イクコの体から無数の触手が生成され、イクコの右足に螺旋状に絡まりました。
「マジカルヘリックス!」イクコは触手の巻き付いた右足でプレスキャプターに跳び蹴りを浴びせました。
「ウッ……!ウアアアアアアアッ……!」プレスキャプターはイクコの攻撃を受けて元の大きさに戻って倒れました。
イクコは地面に落ちた“プレス”のカードを拾いました。
「このカード……。」イクコが言いました。
「お姉ちゃん……!」ユイが言いました。
「帰りましょう、ユイ。」イクコが言いました。
近くの建物の屋上からデスペルがイクコとユイの様子を見つめていました。
イクコとユイは部屋に戻りました。
「お姉ちゃん、ゴメン。」ユイが言いました。
「どうして私の言うことを聞かなかったの?」イクコが言いました。
「だって……。」ユイが言いました。「お姉ちゃんと話すことが無くなっちゃうから……。」
「ユイ……。」イクコが言いました。
「お姉ちゃん……。」ユイが言いました。「やっぱり私……悪い子……?」
「そんなこと無いわ。」イクコが言いました。「ユイは良い子よ。」
「お姉ちゃん……。」ユイが言いました。
「ユイがどうしても外に出たいって言うなら無理に止めたりはしないわ。でも、お願いだから死なないで、ユイ。」イクコが言いました。
「うん……。」ユイが言いました。
おわり