魔法少女タマコ #1
その日、とある通りでパワーキャプターがならず者達と戦っていました。
パワーキャプターは向かってくるならず者達を次々と殴り飛ばしていきました。
近くの建物の屋上にタマコは佇んでいました。
「変身。」タマコはマジカルチェンジャーで変身しました。
パワーキャプターはならず者達を全滅させました。
「ハハハハハッ!俺こそが最強だ!誰も俺を止めることは出来ない!」パワーキャプターが言いました。
「私が止める。」そう言ってタマコはその場に姿を現しました。
「誰だ、お前は?」パワーキャプターが言いました。
「あなたこそ何者なの……?前に駅前で暴れていたヤツの仲間……?」タマコが言いました。
「駅前……?知らんな!だが、いずれにしても俺はソイツよりも強い!モチロンお前よりもな!」パワーキャプターが言いました。
そしてパワーキャプターがタマコに殴り掛かりました。
「フッ!」タマコは左手から魔法のロープを召喚しました。
タマコの召喚した魔法のロープは真っ直ぐ伸びて近くの建物の壁面の上部に張り付きました。そして壁面に張り付いたまま縮んでいき、タマコを引き上げていきました。
タマコが高所へと移動したことでパワーキャプターの攻撃は空を切りました。
「何……!?」パワーキャプターが言いました。
タマコはそのまま魔法のロープを消滅させると、その建物の壁面を蹴ってから地面に着地しました。
「魔法のロープを出せるのか?」パワーキャプターが言いました。
「そっちは何か無いの?」タマコが言いました。「ただ殴るだけ?」
「それで十分だ!」そう言ってパワーキャプターがタマコに殴り掛かりました。
「フッ!」タマコは再び魔法のロープを使ってパワーキャプターの攻撃をかわしました。
「ハッ!逃げるだけがお前の能力なのか?」パワーキャプターが言いました。
「こんなのもあるわ。」そう言ってタマコは魔法の拳銃“マジカルリボルバー”を召喚しました。
マジカルリボルバーは中折れした状態で召喚され、タマコの右手に収まりました。
「ん……!?」パワーキャプターが言いました。
タマコは左手でマジカルリボルバーのシリンダーを回転させてから右手を上げて銃身を閉じました。
「マジカルシュート!」タマコがマジカルリボルバーから強力な魔法弾を放ちました。
「ウアアアッ……!」パワーキャプターがタマコの攻撃を受けてふっ飛ばされました。
「ク……クソ……!」そう言いながらパワーキャプターが立ち上がりました。
「まだ戦うつもり?」タマコがマジカルリボルバーを構えながら言いました。
「もしこのまま戦い続けたとしても勝つのは俺だ。だが、今は止めておくことにしよう。」そう言ってパワーキャプターが逃げ出しました。
「運が良かったな!」パワーキャプターが逃げながら言いました。
「放っておいてもロクなことにならなさそうね。」そう言うとタマコは魔法のロープを使って移動し始めました。
パワーキャプターは橋に辿り着きました。
そこでパワーキャプターは足を止めて後ろを確認しました。
「ハッ!やはり追いかけては来なかったか!」パワーキャプターが言いました。「やはりこの俺こそが最強だ!」
「それはどうかな?」そう言ってタマコが姿を現しました。
「何……!?」パワーキャプターが言いました。
「最強だと言うのなら、この場で私を倒してみたらどうなの?」タマコがマジカルリボルバーを構えながら言いました。
「グッ……!」パワーキャプターが言いました。
タマコはマジカルリボルバーを撃ちました。
「グアッ……!」パワーキャプターが魔法弾を受けてふっ飛ばされました。
そしてパワーキャプターはそのまま橋から転落しました。
「ウアアアアアアアッ……!」パワーキャプターはそのまま川へと落下しました。
「フン。」そう言ってタマコはその場を後にしようとしました。
そこでタマコは足元にカードが落ちていることに気が付きました。
「ん……?」そう言ってタマコはそのカードを手に取りました。
それは“バレット”のカードでした。
「このカードは……?確か駅前の魔法使いもこれと同じような物を使っていた……。さっきの魔法使いも……?」タマコが言いました。
「カードを手に入れたようだな。」そう言いながら黒いフードを被った人物が姿を現しました。
「誰……?」タマコがマジカルリボルバーを構えながら言いました。
「魔法少女か……。興味深い……。」その人物が言いました。
「質問に答えて。」タマコが言いました。
「私はデスペル。死の魔法だ。」その人物が言いました。
「ふざけないで!」そう言ってタマコがマジカルリボルバーの銃口をデスペルに近づけました。
「フフフフフ……!」デスペルがフードを脱ぎました。
デスペルはクモと人間が合わさったような容姿を持つ妖精でした。
「そんな……!バケモノ……!?」タマコが言いました。
「そう驚くことは無い。私は妖精だ。お前に魔法少女の力を与えたであろう者と同じだよ。」デスペルが言いました。
「妖精……?ならカーティスは知ってる?」タマコが言いました。
「カーティス……?知らんな。全ての妖精が顔見知りでは無い。」デスペルが言いました。
「これ以上あなたの正体について訊ねても意味が無さそうね。」タマコが言いました。
「ああ。」デスペルが言いました。
「あなたの目的は何……?このカードと関係があるの?」タマコが言いました。
「そのカードはマジカルカード、その名の通り、魔法のカードだ。」デスペルが言いました。
「魔法のカード……?」タマコが言いました。
「お前はそのカードに選ばれた。そのカードはお前に絶大なる魔力を齎すだろう。」デスペルが言いました。
「仮に力を手に入れられたとしても、あなたの言いなりになるつもりは無い。」タマコが言いました。
「構わんよ。」デスペルが言いました。
「えっ……?」タマコが言いました。
「そのカードの力はお前が好きに使えば良い。」デスペルが言いました。
「おかしなことを言うバケモノね。」タマコが言いました。
「そのカードの力を使う為のアイテムを用意しているのだが、お前にそのアイテムは必要無さそうだ。何故ならお前は魔法少女……。」デスペルが言いました。
その瞬間、タマコのマジカルチェンジャーが変化し、カードを挿入するスロットが追加されました。
「これは……!?」タマコが言いました。
「これでお前もカードの力を使えるようになった。より多くのカードを集めれば更なる力が手に入るだろう。ただし、カードの力に心を奪われないよう気をつけることだ。」デスペルが言いました。
「ハハハハハハハッ……!」そう言ってデスペルは姿を消しました。
「何だったの……?」タマコが言いました。
タマコは部屋に戻ると、“バレット”のカードを見つめました。
「マジカルカード……。」タマコはそう言うと“バレット”のカードをしまいました。
タマコは窓の外を見つめました。
「この町は狂ってる。奇妙なことばかり……。」タマコが言いました。
その後、パワーキャプターがとある通りに再び姿を現しました。
その通りにいたならず者達がパワーキャプターに襲い掛かりましたが、パワーキャプターはならず者達を瞬く間に全滅させました。
「ハッハッハッ!ザコ共が!」パワーキャプターが言いました。
そこへタマコが姿を現しました。
「どうやら懲りていないようね。」タマコが言いました。
「ん……?誰だ?」パワーキャプターが言いました。
「私のことなんて覚えておく必要は無い。」タマコが言いました。
「ほう……。」パワーキャプターが言いました。
タマコが“バレット”のカードを取り出しました。
「それは……!」パワーキャプターが言いました。
「このカードが気になる?」タマコが言いました。
「そのカードを俺に寄越せ!」パワーキャプターが言いました。
タマコは“バレット”のカードをマジカルチェンジャーに挿入しました。
「変身。」タマコがそのまま変身しました。
「な……!?」パワーキャプターが言いました。
タマコは拳銃を撃ってパワーキャプターを攻撃しました。
「ウアッ……!」パワーキャプターが怯みました。
タマコは拳銃を撃ち続けました。
パワーキャプターが転倒して地面を転がりました。
「バ……バカな……!」そう言いながらパワーキャプターが立ち上がりました。
「最強であるこの俺が負けるハズ無い!」パワーキャプターが言いました。
「もし本当にそうなら、次の私の攻撃を防げるハズね。」そう言ってタマコがマジカルムーブを発動しました。
「マジカルタグ!」タマコが左手から放った魔法のロープでパワーキャプターを引き寄せました。
「ウッ……!ウオオッ……!」パワーキャプターはそのまま引き寄せられていきました。
「ハアッ!」タマコは右手の拳銃で引き寄せられるパワーキャプターを撃ちました。
「ウアアアアアアアッ……!」パワーキャプターは魔法弾を受けてふっ飛ばされ、そのまま倒れました。
タマコは地面に落ちた“パワー”のカードを拾いました。
「カード……。コイツもマジカルカードを……?」タマコが言いました。
タマコはパワーキャプターに変身していた人物が装着しているマジカルキャプトライザーを見つめました。
「デスペルが用意したアイテム……?デスペル……一体何を企んでいる……?」タマコが言いました。
近くの建物の屋上でデスペルはタマコの様子を見ていました。
「カードの力に溺れぬとは……やはり魔法少女は特別ということか……。」デスペルが言いました。
「この町は狂っている。暴力が蔓延っていて、弱い者が苦しめられる。私は自分が最強だとは思わない。世界を救うなんて無理だろう。でも……。」そう言うとタマコは周囲を見回しました。
タマコの周囲にはパワーキャプターに変身していた人物やパワーキャプターに倒されたならず者達が倒れていました。
「戦わなければならない、たとえ世界を救うことが出来なくても、生き残る為に。」タマコが言いました。
おわり