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魔法少女カエデ #4

 その日、カエデはケイトリンと共にオフィスでモエとオインクに会いました。

「オフィスへようこそ。」カエデが言いました。

「オフィス……。」モエが言いました。

「オインク。」オインクが言いました。

「この建物は表向きにはオフィスビルということになってるから、適当な部屋は全部オフィスなんだ。」カエデが言いました。

「そうなんだ。」モエが言いました。

「オインク。」オインクが言いました。

「それはそうと、捜査の話をしようか。」カエデが言いました。

「うん!」モエが言いました。

「オインク。」オインクが言いました。

「それじゃあよろしく、ケイトリン。」カエデが言いました。

「キャプターはマジカルカードをマジカルキャプトライザーに挿入することで変身しています。マジカルカード及びマジカルキャプトライザーの入手経路は今のところ不明です。」ケイトリンが言いました。「以上です。」

「以上……?」モエが言いました。

「以上です。」ケイトリンが言いました。

「他に情報は……?」モエが言いました。

「ありません。」ケイトリンが言いました。

「魔法庁が捜査を始めてから大分経ってると思うけど……。」モエが言いました。

「まだたったの三ヶ月しか経ってません。」ケイトリンが言いました。

「確かに、一筋縄じゃ行かない案件か……。」モエが言いました。「警察庁も手こずってるみたいだしね。」


 その頃、ヨウコはとある通りで牛乳を片手にあんパンを食べていました。

 そこへアンナがやって来ました。

「アンナ……。」ヨウコが言いました。

「お久しぶりです、ヨウコ。」アンナが言いました。

「今までどこに行ってたのよ?」ヨウコが言いました。

「通りに立って人々の会話を分析していました。」アンナが言いました。

「は……?」ヨウコが言いました。

「最後にお会いした時、私の不適切な言動が原因であなたに不快な思いをさせてしまいましたので、改善を試みたのです。」アンナが言いました。

「要するに……自然な会話を学んだってこと……?」ヨウコが言いました。

「ヨウコ。私達は出だしで躓いてしまいました。ですがその過ちを水に流し、これから友好的な関係を築き上げることも出来る筈です。」アンナが言いました。

「フン……。」ヨウコが言いました。

「ヨウコ。」アンナが言いました。

「何よ?」ヨウコが言いました。

「昼食に菓子パンを食べるのは体に良くありませんよ。」アンナが言いました。

「ぐ……!」ヨウコが言いました。

「冗談です。どうぞ笑って。」アンナが言いました。

「冗談……。アンタ冗談が言えるようになったワケね。面白くは無いけど……。」ヨウコが言いました。

「会話が気まずい雰囲気になったらとりあえず冗談ということにしておけば良いということを学びました。」アンナが言いました。

「む……。まあ、雰囲気を察してくれるようになっただけでも進歩ね。」ヨウコが言いました。

「私の進歩を認めてくれますか?」アンナが言いました。

「この会話だけでもう既にイヤな予感がするのよ。ゼッタイに間違った進歩をしてる気がする。でもまあ、その努力を少しは認めてやっても良いのよ。私も……。」ヨウコが言いました。

「どうされましたか?」アンナが言いました。

「どうもしないのよ。」ヨウコが言いました。「これからも事件を追っていくのよ。」

「キャプターの事件ですね?」アンナが言いました。

「そうよ。」ヨウコが言いました。「ただ……。」

「ただ……?」アンナが言いました。

「エリコよ。」ヨウコが言いました。

「エリコ……。」アンナが言いました。

「エリコの活動も活発になってる気がするのよ。」ヨウコが言いました。

「私達の捜査の障害になり得ると……?」アンナが言いました。

「そうよ。」ヨウコが言いました。

「冗談ですか?」アンナが言いました。

「んなワケ無いのよ。」ヨウコが言いました。

「分かりました。」アンナが言いました。


「ところで、エリコについて聞きたいんだけど……。」モエが言いました。

「エリコ……?」カエデが言いました。

「そう。あの時、駅前で……。」モエが言いました。

「ああ。確かにね。」カエデが言いました。

「エリコについては情報が無くて……。」モエが言いました。

「オインク!」オインクが言いました。

「ひょっとしたらオインクが教えてくれてたかもだけど、ほら、分かんないから……。」モエが言いました。

「ははは……。」カエデが言いました。

「オインク!」オインクが言いました。

「エリコはこの町の自警団みたいなものかな?二年以上前から目立たずに活動をしていたみたいだけど、ここ最近は随分とその活動が荒っぽくなってて……。警告として一般人に襲い掛かって金品を強奪することも増えてきてるんだ。」カエデが言いました。

「荒っぽいね。」モエが言いました。

「魔法庁でもエリコの暴走を阻止するべく動いていたんだけど、色々あって今は放置状態なんだよね。」カエデが言いました。「警察庁は対策を進めていると思うけど……。」

「そうなんだ。」モエが言いました。

「まあ、駅前での一件もあったから、今後エリコが私達の任務に絡んでくることもあるかもね。」カエデが言いました。

「そうだよね。」モエが言いました。

「それはそうと、これからの方針についてだけど……。」カエデが言いました。

「とりあえずお互いに別々に捜査を進めて、定期的に情報交換し合うってことで良いんだよね?」モエが言いました。

「うん。」カエデが言いました。

「それじゃあ、頑張るよ。」モエが言いました。

「オインク!」オインクが言いました。

「うん。」カエデが言いました。

 モエとオインクがその場を離れました。

「さて……。」カエデが言いました。

「レベル8……強力な味方が現れましたね。」ケイトリンが言いました。

「長官の秘蔵っ子らしいからね。」カエデが言いました。

「とは言っても、カエデの実力には及ばないでしょう。」ケイトリンが言いました。

「何でそんなに持ち上げてくるの?」カエデが言いました。

「事実ですから……。」ケイトリンが言いました。

「あの子はやると思うよ。」カエデが言いました。「根拠は無いけど……。」

「私の場合は根拠があります。」ケイトリンが言いました。

「話さなくて良いよ。」カエデが言いました。

「ホントに良いんですか?」ケイトリンが言いました。

「うん。もしどうしても話したいんだったら鳴き声にして。」カエデが言いました。

「ニャー。」ケイトリンが言いました。

「ちなみにケイトリンは他の動物の鳴き真似は出来るの?」カエデが言いました。

「出来るとは思いますけど、したくないです。」ケイトリンが言いました。

「したくないんだ。」カエデが言いました。

「はい。」ケイトリンが言いました。

「ネコの鳴き真似は躊躇せずにやってくれるのにね。」カエデが言いました。

「そりゃあ、見た目がネコですから……。」ケイトリンが言いました。

「見た目が動物だとしてもやっぱり妖精が動物の鳴き真似をすることには違和感があるな。」カエデが言いました。

「じゃあ、もうネコの鳴き真似はしないです。」ケイトリンが言いました。

「いや、別に止めなくても良いんだよ?」カエデが言いました。

「したくなくなりました。」ケイトリンが言いました。

「ひょっとして拗ねてる?」カエデが言いました。

「拗ねてなんかいませんよ。」ケイトリンが言いました。

「じゃあもう一度鳴いてよ。」カエデが言いました。

「イヤです。」ケイトリンが言いました。

「やっぱり気を悪くしてるね。ゴメンゴメン。」カエデが言いました。

「別に……。まあ良いですけど……。」ケイトリンが言いました。

「そう?」カエデが言いました。

「良いタイミングでキャプターの出現を感知しました。」ケイトリンが言いました。「行ってみましょう。」

「良いタイミングなんだね。」カエデが言いました。

「はい。」ケイトリンが言いました。

「それじゃあリクエストにお応えして、行ってみようか。」カエデが言いました。

「それが良いです。」ケイトリンが言いました。


 とある通りでダッシュキャプターが暴れていました。

「ハッハッハッ!この俺が最速、最強だぜ!」ダッシュキャプターが言いました。

 そこへカエデとケイトリンが駆けつけました。

「誰だ?」ダッシュキャプターが言いました。

「変身!」カエデが変身しました。

「魔法少女?ウワサには聞いているぜ!俺の情報収集は最速だからな!」ダッシュキャプターが言いました。

「どうやら“ダッシュ”のカードを使っているみたいですね。」ケイトリンが駆けつけました。

「ダッシュ……。」カエデが言いました。

「先制攻撃!」そう言ってダッシュキャプターがカエデに襲い掛かりました。

 カエデはマジカルシールドでダッシュキャプターの攻撃を防ぎました。攻撃を防がれたダッシュキャプターはカエデから距離を取って構え直しました。

 カエデは左手でマジカルシールドを構えたまま、右の拳に細長い魔法の刃を生成して剣のように構えました。

 ダッシュキャプターが再びカエデに襲い掛かりました。

 カエデはマジカルシールドでダッシュキャプターの攻撃を防ぐと、魔法の刃でダッシュキャプターを連続で切りつけました。

 カエデの攻撃を受けてダッシュキャプターは転倒し、地面を転がりました。

「くっ……!」ダッシュキャプターが立ち上がりました。

「なんて威力だ!」ダッシュキャプターが言いました。

「情報収集には自信があるみたいだったけど、どうやらこの能力は知らなかったみたいだね。」カエデが言いました。

「まあな!俺の能力は移動専門だからな!」ダッシュキャプターが言いました。

「確かに、“ダッシュ”のカードに情報収集の力は無いようですね。」ケイトリンが言いました。

「まあ、そうだろうね。」カエデが言いました。

「だが、これでお前の能力は理解した。」ダッシュキャプターが言いました。

「ん……?」カエデが言いました。

「攻撃力で劣っているなら、ここは逃げるまでだぜ!」そう言ってダッシュキャプターはその場から逃げ出しました。

「あっ……!」カエデがダッシュキャプターを追いかけようとしました。

「待って下さい。」ケイトリンが言いました。

「えっ……?」カエデが言いました。

「追いかけるだけムダです。“ダッシュ”のカードが齎すスピードには追いつけません。」ケイトリンが言いました。

「それもそっか……。」カエデが猛スピードでその場から逃げ去るダッシュキャプターを見ながら言いました。

「目的は果たせましたし、今日はもう帰りましょう。」ケイトリンが言いました。

「目的って……あのキャプターの破壊活動を止めたこと……?」カエデが言いました。

「そうですね。」ケイトリンが言いました。

「まあ、それでいっか。」カエデが言いました。


 おわり

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