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Capital Forest  作者: わたりとり
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03-1.成人の報告

みな自分が望むこと、そして自分の力に見合ったことを選んで、カピタルのために働く

 カピタルの住人は一年前に森を発見していらい、その外円周に沿ってテント村をつくって暮らしている。しだいに長旅でくたびれたテントが少しづつ捨てられ、新しく加工する事を覚えた木材の家が建ちはじめている。

 最初にちゃんとした『家』を持ったのは、マリー・ペドロスだった。共同体リーダーのディム・ガランが、学校が一番重要だと言ったからだ。やわらかい草地をよく刈り込んだ陽あたりのいい場所が選ばれた。

 その次にできたのが当のディム・ガランの家で、学校から百五十リールほど森の方角にある。

 ガランは老人の多いカピタルでもとびぬけて高齢だった。七十歳か、八十歳か、ともかく頭の毛が全部抜けて、竜の尾ぐらい長いひげをたらしているのは、カピタル中でガランだけだった。もの知りであり温厚であり、みなからの信望を集めて、ここ三十年ほどカピタルを正しく導いていた。

 彼の家も素朴で簡素だ。もっとも、カピタルにはまだ、素朴な家を建てるだけが精一杯なのだけれども。

 ガランの家は、大きな部屋と小さな部屋がくっついて屋根を乗せたような格好をしている。大部屋には八人ほどが座れる大きめの円卓と椅子があった。共同体の重要な決定事項は、この円卓をかこんで裁決されていた。

 そしてこの部屋はまた、子ども達が独り立ちする時の承認の場でもあった。


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