第1章 1 「世界の原理」
「ウオオオオオオアアアアーーーーッッッ!!」
俺は雄叫びを上げながらスキル《剣技》の基礎スキル【ストレイト・ランチャー】のモーションをとり、スキルにアシストされながら目の前のゴブリン・イーグルを剣で滅多切りにする。
「ウォーッ」と断末魔を上げながら緑色の物体が倒れていくのを見た。
生きているもの全てに与えられているHP(生命力を可視化したもの)がゴブリンにはもうない。
すぐに、ゴブリンは静かにそして、まるで光の粒のような塵となって消え去った。
ドロップ品と経験値を取得し、俺は剣を腰にある鞘になおした。
俺ははぁ、はぁ、と言いながら近くにあるベンチに腰掛けた。
左手を軽く振り、先程倒したモンスターの報酬を確認する。
「えっと、、、360ドロと素材は…無しか…」
ドロというはこのゲーム内でいう通過の単位だ。
1ドロ=1円に換算することができ、人々の大半は狩で生活している。
確認し終えると、画面を操作し、今度は回復アンプルを選択すると、使用、組合せ、破棄の選択画面が出てきた。
迷わず、使用を選択。
基本自分で飲んだりする必要はなく、使用すると瞬く間に数値は回復する。
だが、回復薬では全身に広がる疲労は取れない。
現在時刻は夜の10時。良い子は寝る時間だ。
しかも、昨日は夜中の2時ぐらいまで狩りをしていたため、すごく眠たい。
「そろそろ帰るか」
そう呟いて、俺は帰路につくのであった。
◆◇◆
基本ミクサーに登録されている家一件までは安全領域となり、破壊もされず家の中にモンスターが!ということもない。
だが、ベランダにいると希に流れ弾が飛んでくることがあるので注意は必要だ。
自宅についた俺は武装を解除し、貯蓄してあるカップ麺を1つ取り食事を取ることにする。
お湯を沸かし、カップに注ぐだけの簡単さ。
楽だ。
いわゆる3分を待っている間に、給湯器のスイッチを入れ、お風呂を沸かす。
いつも通りの一連の動作を行いながら、俺は考え事を始めた。
麺が伸びることを考えずに…
◆◇◆
その頃一方…
「うそっ!なんでこんなところに……」
赤い目をして、頭には角を生やし、右手には大剣を持った、見た目や感じはティラノサウルスだが、2足歩行をしている、なんと言っても、気味が悪い《ティラノ・ザ・ゴワステクッス》という名前のモンスターが前にたたずんでいた。
少し長めの髪の毛で、手元には大きな狙撃銃-M110 SASSを持った女の子が後退りをしていた。
ティラノ・ザ・ゴワステックスは女の子に向かって大剣を振り落とし、そして無惨にもその女の子のHPはゼロになった。