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【リメイク連載中】目が覚めたら世界が異世界っぽくなっていた件  作者: 白い彗星
異世界召喚かとテンションが上がった時期が俺にもありました
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ドキッ!サキュバスの自宅訪問



 雑談を交わしながらたどり着いた先は、一軒のアパート……ルーアの自宅であった。見たところ、一人用の小さなアパートである。


 外装は水色であり、やや黒ずんでいるのがアパートの建っている年月を思わせる。



「ふっふふ……我が城へようこそ! さあ、中へと入るがいい!」



 やけに上機嫌なルーアの後に続き、外付けの階段を上がる。そして玄関から家の中に入る達志。外観に比べると中は広く感じられたが……それよりも目を引いたものがある。



「お邪魔しま……スゲーななんか」



 お邪魔しますを言うよりも先に、目に飛び込んできた光景に唖然。そこには……なんと言うか、中二感満載の道具がてんこ盛りだった。


 玄関先ではドクロの置物がお出迎え。中では黒いカーテンや黒い物物などあり……なんかとにかく黒い物が多かった。どうして中二病は、こうも黒い物を好くのだろう。


 あくまでフィクションの世界でしか見たことがなかったが、今目の前にあるものを見て確信した。



「かっこいいでしょう?」


「……まあ、価値観の違いは置いとこうぜ。お邪魔しまーす」


「今ものすごく自然に受け流しましたね!?」



 この内装がかっこいいかどうかはともかくとして、とても印象強いのは確かだ。一度見たら忘れられない、とはこういうことだろう。


 幼なじみである由香とさよなを除けば、人生初、女の子の家にやって来たのだ。それがこれとは……ルーアが特殊なのだとは思うが、他の女の子もこんなじゃないだろうな、と不安になってしまう。


 だが同居しているリミの部屋はごく普通のかわいらしい内装だったので、ルーアが特殊なのだろう。



「えっと、親はいないのか? いるなら挨拶でもしたいんだけど……ってか、よくこの内装で何も言われないな」



 玄関からリビングへと行き、その間にもルーアの親の姿が見えないことに気付く。家に上がった身としては、挨拶くらいしておくのが礼儀だろう。


 それにしたって、親がこの家の内装について何も言わないとは。部屋ならともかく、玄関など家全体だ。そもそも、家の広さ的に部屋などないのだろうが。


 何気なく言った言葉。だからかルーアも、なんでもないという風に、口を開いた。



「あはは、そうですね。親はいませんよ。だから、何をしても何を言われる心配もないんですよ」



 ……危うくすんなりと聞き逃すところだった。あまりにも自然に、あっさりと言うものだから。


 親はいない、と言った。だがそれは、この時間にいない……そういう意味には、聞こえなかった。その後に続いた言葉が、そうさせなかったのだ。



「えっと……今の、ってどういう……」


「オレンジジュースでいいですか?」


「え……あぁ、はい」



 呆然と立ち尽くす達志であったが、それを尻目に冷蔵庫の中からオレンジジュースを取りだし、ルーアはそれをコップに注いでいく。


 話を遮られはしたが、それは話したくないから……というわけではなさそうだ。タイミングがうまく重なっただけだろう。


 現にテーブルに二つのコップを置いたルーアは、先ほどの達志の質問に対して答える。



「私の両親は……亡くなったんです。私が高校に入る前ですから……二年ほど前でしょうか」



 ソファーに腰掛けたルーアは、コップを両手で持ちながらぽつぽつと話し始める。オレンジジュースを口に運び、喉を潤す。オレンジジュースが好きなのか、表情がとろけている。



「おや、どうしましたタツ。どうぞどうぞ」



 未だ突っ立たままの達志に、座るようにと自分の隣を、ぽんぽん叩いて示す。話の内容があまりに大木須ぢるのと、いきなり隣に座るよう言われたのですでに達志の頭はいっぱいいっぱいだ。


 とはいえ、このまま立ったままというわけにもいかないので……



「じゃ、じゃあ失礼します……」



 ルーアの隣に腰掛け、同じくオレンジジュースを飲む。渇いてしまった喉が潤っていく。



「……えっとルーア……聞いちゃダメなんならやめとくけど、さっきのって……」



 中途半端に話が切られてしまったせいで、どう切り出したらいいかわからない。だから、恐る恐るではあるが直球に、聞いてみた。


 するとルーアは、手に持っていたコップをテーブルに置いて、話し始めた。



「あはは、別に気を遣う必要はないですよ。もう吹っ切れてますから。……私の両親は二年ほど前に亡くなりました。なので、今は一人暮らし……というわけです」



 こちらに気を遣わせないように明るく振る舞っているのか、それとも吹っ切れているからなのか、なんでもないように答えるルーアの真意はわからない。


 ただ、たった二年かそこらで吹っ切れるものだろうか。


 なんと声を掛けたらいいのかわからない達志にお構いなく、ルーアは続ける。



「事故……でした。交通事故。信号を渡っている時に、トラックに轢かれてそのまま」


「それって……」


「えぇ、どちらかの信号無視。で、実際には……青信号を渡っている両親のところへ、トラックが突っ込んできたとのことでした。しかも原因は、トラック運転手のわき見運転だと」



 相変わらず声の調子はいつも通りであるが、本当にいつも通りなのか、その判別は達志にはできない。なんせまだ、会って数日しか経ってないのだから。


 同時に、達志は先程のルーアの言動に納得いった。家に来るまでルーアは、歩きながらスマホなどそうさしている人を見つけては辛辣な言葉を投げかけていたが……


 何も、それはルーアの好みの話だけではないのだ。


 両親の事故の原因が、トラック運転手のわき見運転。だから、周りへの注意が疎かになる歩きスマホウなんかに敵対心ともいえる視線を向けていたのだろう。

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