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女体兵器由香



 水着に着替えている女性陣を待つ間、人生初の(少なくとも達志にとっては)ナンパをされた達志と猛であったが、戻ってきた女性陣には厳しい目を向けられてしまっていた。


 さよなとリミは、どこか不機嫌そうなご様子。リミはついさっき、達志の褒め言葉により陥落してしまったが。


 もちろん、ナンパをしたならともかくとして、ナンパされただけの、それも断ろうとしていた達志と猛に摘みはない。だが、それで割りきれるほど乙女心は単純ではない。



「いいではないですか。ナンパをされるということは、それだけお二人が魅力的ということでしょう? 男性として誇っていいのでは?」



 ここで、ナンパされたことに怒るでなく、むしろ誉めるような言葉をかけるのはセニリアだ。


 さよなやリミと違い、彼女の言葉には特に焦りとか怒りとかそういったものはない。本当に、喜ばしいものだと思っているのだ。



「せ、セニリアさんがそんなこと言っちゃうと、ますます私の立場が……」



 自分はぷりぷり怒っていたのに、セニリアは真逆の反応。それはさよなにとって、なんというか……器の大きさを見せつけられたような気がした。


 さよなの隣に立つセニリアの水着は、一見するとワンピースタイプ。しかし、リミによってその場で回転すると、背中が大きく空いたデザインになっている。


 前はワンピース、後ろ姿はビキニ……それは、いわゆるモノキニという種類の水着。全面部分は露出の見られないものだが、背中部分は大胆にカットされた部分が目立ち、セクシーな水着となっている。


 水色を基調とした水色は、セニリアのスタイルを引き立てている。普段堅い人物の、見ようによっては大胆にも見える姿……それはこれまでのセニリアとは、また違った一面を見せていた。



「おぉ、セニリア似合ってんじゃん。背中とか大胆だなー」


「……どうも、ありがとうございます」



 その水着姿を見て褒めるのは、誰であろう猛だ。その褒め言葉を受け、表情を変えずにお礼を返すセニリアだが……気のせいか、その頬は少し赤い。


 そのやり取りを見たさよなは……



「わ、私は何も言われなかったのに……うぐぐ……」



 と、誰にも聞こえない声で泣いていた。もっとも、水着の感想を求めるタイミングを潰したのは自分であるのだが。


 それにしてもこの男達、褒め言葉のレパートリーが少なすぎである。



「ささ、最後はユカさんですよ~♪」


「わっ、ちょっ……」



 そんなさよなの落ち込みや、照れているであろうセニリアの姿に気づかないまま、リミは後ろに隠れていた人物を引っ張ってくる。


 それは誰であろう、残った由香である。



「ゆ、由香、お前……」



 その姿を見て、達志が一言。



「……なんで、パーカー羽織ってんの?」



 この一言だ。


 達志が言うように、由香はパーカーを羽織っている。前をジッパーで閉めるタイプのもので、チャックを上まで上げてから水着姿を見せないように完全防御している。


 それでも、すらりと伸びた白い脚を隠すことはできていないが。



「だ、だって……はずか、しいよ……」



 隠している理由は、ただこれだけの理由だ。恥ずかしい……真っ赤な顔になっている由香からは、妙な説得力がある。


 だが、せっかく選んださよなとしては、こうやって隠されたのでは意味がない。



「観念しろ由香ちゃんー! 脱げー!」


「さ、さよなちゃん!? 目が怖いよ!」



 やけくそになったさよなが、由香のパーカーを脱がしにかかる。リミも面白がってそれに参加し、二対一に。二人相手に、自らを守りながら戦い抜くのは至難の技だ。


 故に、パーカーは脱がされていく。美女達がキャッキャ言いながら絡み合っている姿……悪くない。



「あら、なにしてるの、楽しそうね」



 ここへ、忘れ物を取りに行っていたみなえも合流。状況がわからないが、とりあえず楽しそうに笑っている。


 涙目になる由香の様子に特に何を言うでもなく、のんきに椅子に座る。そんな状況でも、さよなとリミの手が止まることはない。


 そしてついに、由香が羽織っていたパーカーが完全に脱がされてしまい……



「う、うぅ……」



 その白い肌が、さよなの選んだ水着が、青空の下にさらされる。それを見た、三人の反応は……



「まあ、よく似合ってるわよ由香ちゃん!」



 まず一人。幼なじみの母からのお言葉だ。どうやら息子の褒め言葉レパートリーのなさは、母親譲りだったらしい。


 そして肝心の、男二人の反応はというと……



「…………」


「…………」


「なんか言ってよ!」



 無反応。というのも、決して水着が似合ってないとか、バカにしてるとか、そんなことではない。むしろ、その逆。似合いすぎていて、言葉が見つからない。


 いや……似合いすぎていて、という言葉は性格ではない。そこにあったのは、男に多大なるダメージを与えるための兵器だ。これをなんと表現すればいいのか、わからない。


 由香の水着は、言ってしまえばビキニタイプ。トップに三角形のデザインブラが施されたタイプの、三角というものだ。


 黒い色のそれは、一見すると由香には似合わないように思う。選ぶなら白に近しい色だろうと、誰もが思う。だが、そこなのだ。敢えて黒を選ぶことで、由香の純白な容姿がより目立つ。


 さらに、背中は細い紐タイプになっており、背中を魅せることも忘れない。下も、紐で結ぶタイプなため、ちょっぴりとした危うさが顔を出す。


 そして、何より最大の特徴がバストにある。星模様をあつらえてある水着は、自然と由香の胸元への注目を集める。


 他の三人のように、特徴のある水着とは言えない。だが……



「シンプルイズベスト! それこそが由香ちゃんをもっとも引き立たせるの!」



 シンプルであるが故に、由香の魅力を120%以上引き出している。いろんなタイプの水着があれど、由香の終着点はこの、シンプルなビキニタイプに収まったということ。


 由香は、恥ずかしいのか自分の体を隠すように、自らを抱き締めている。だが、それにより胸元が強調されることに気づいていない。


 そんな、由香の水着を見た男二人は……



「海、着てよかったな」


「あぁ、まったくだ」



 成長した幼なじみの肢体をしっかり目に焼き付け、その後鼻血を流した。

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