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捌 映画館

久し振りの投稿

 最初っから気がつくべきだったのだと今は思う。何故ならSPの気配が無かったからだ。初めは感知できない距い離にいるかと思っていた。しかし、本当は誰1人もSPが居ない状態だった。




 ――7:00AM――




 「会長。映画見に行きます?」


 街を歩いていて気になっていた事があった。映画館の前を通る時必ず会長の視線がその方向に向くからだ。


 「え?いいの⁉︎」


 「いいも何もこれは今朝の会長への罪滅ぼしみたいなものですから。」


 「そ、そうだったわね………“ニヤリ”それじゃあ罪滅ぼしとしてこれから一生、会長じゃなくて‘カレン’って呼び捨てで呼んでね。」


 罪滅ぼしと聞いて会長は少しガッカリしていたがすぐに立ち直りそう言った。


 「一生⁉︎そんなに重いんですかアレの罪⁈」


 血の気が引いた。確信した。今日から、いや会長を助けた時から俺の静かな学園生活は幕を閉じた事を。


 「私にとってアレは本当は見られた時点で死刑だったからね。“でも貴方だから許したのよ……”」


 最後の部分は聞こえなかったが命拾いしたのは確かだった。


 「死刑……と、取り敢えず、寛大な処置、感謝します。か、火憐…………“さん”」


 「あ、今、‘さん’って付けたでしょ。呼び捨てでいいの、同い年なんだから。後タメ口で!」


 地獄耳かよこの人は……面倒臭い……


 「はいはい、分かった分かった。で、火憐……は何の映画を見たい?」


 分からない敗北感を抱きながら俺は質問する。


 「え?あ、うん。じ、じゃあアレで……」


 火憐が戸惑いながら指を差した先はジャパニーズホラーの映画だった。


{へー意外だ。会長はこう言うジャンルが好みなんだ。}


 「分かった。じゃあチケット買ってきますから俺が見渡したときに見える所で待っていてください」


{うん、慣れない口調よりこっちの方が喋りやすい。}


 「む〜またその口調……まぁ分かったわ、じゃあ近くで待ってるね」


 「すみません。この口調が一番喋りやすいので……では、すぐに戻りますから」



 ――約2分後――


 チケットを買い終わり火憐の所へ歩み寄ろうとした。が、先客がいたようだ。


 「だから私は人を待っているの‼︎さっさと失せなさい‼︎」


{失せろって女性が軽々しく言ってはいけない気がするんだけど……}


 「まあまあ良いじゃん?ちょっと位。俺たちと遊ぶだけなんだから〜」


 とチンピラA(仮定)が言う。そしてチンピラB(仮定)とチンピラC(仮定)もAと似たような事を言っている。

 俺は殺気を放ちながらゆっくりと近づく。一定の距離に近づいても彼らは振り向かなかったことに少し呆れた。


{ハァ……最近の人は平和ボケして殺気も分からないとか……ハァ……面倒だけど、}


 「ハァ……イイ年したお兄さん方?俺の連れに何か用ですか?ナンパならもっと身だしなみを整えた方がいいかと思いますが」


 挑発含めて声をかける。


 「あぁん?何だてメェ?俺たちの邪魔すんじゃねぇよモヤシ坊主」


 Cが挑発を挑発で返した。決定、相手の力量も図らずに応答から彼らは完全に平和ボケに侵されている。


 「お兄さん方は知っています?我欲は身を滅ぼす事を……」


 俺は左手の親指を曲げほか4本を伸ばし密着させた形、手刀を丁度近くにいたリーダーだと思われるBの首筋に軽く当てる。


 「だから、いくら女に恵まれないからって声をかける相手を考えろ」


 そして声のトーンを下げ威圧する。


 「もういい。他のところに行くぞアキオ、クラ」


 どうやら引いてくれるみたいだ。ならもう威圧しなくても良いだろう。


 「それではお兄さん方、平和ボケは程々に」


 そう言って俺は彼らを見送る。


 「で、火憐……はもう大丈夫ですか?」


 「…………え?う、うん。もう大丈夫……」


 少しボーッとしていた火憐はハッとする。


{何を考えていたんだろう?……会長は……}


 「じゃあそろそろ始まる時間ですしシアターに入場しましょう」


 ちょっと心配だったので、そう言って俺は火憐の手を引きシアターへと向かった。







 ――11:30AM――

 長かった…とにかく長かった…………

 因みに火憐はホラーが苦手だったらしい。それを知ったのは映画が終わり退場するときだった。

 映画が終わり退場しようと立ち上がったとき、火憐に袖を引っ張られた。そして第一声が「怖すぎて腰が抜けちゃった……立てない……」だ。しかも半泣き状態。「じゃあ何でこの映画を指差したのですか?」と聞くと「だって拓彌君が好きそうなジャンルだと思ったから。それと私、映画館ココに来るの初めてだったし……」と火憐は答える。もう何も言う言葉が浮かばない……

 そして出られるようになったのが30分後だった。


 「ハハ、まさかかいty…火憐……はホラーが苦手だったなんて初めて知りましたよ」


 「し、しょうがないでしょ。苦手なものは苦手なんですもの……」


 そう駄弁りながら目的の喫茶店にに着く。


 「いらっしゃいませ〜席はご自由にどうぞ〜」


 そして俺はカウンター席へと自然に誘導して座る。


 「いらっしゃい、拓彌くん」


 「ああ、来てみたよおじさん。お店、手伝おうか?」


 店長のおじさん、訃神さんに挨拶をする。此処なら食事中でも暗殺されない安全な場所だ。


 「いや良いよ。今日はバイトじゃ無いんだから。で、彼女は?」


 「ウチの生徒会長です」


 「初めまして、<泰真学園たいしんがくえん>高等部生徒会長、緋陽ヶ谷 火憐です。拓彌君の彼女に立候補しようかと現在は考えています」


 俺はちょっとツッコミたい単語にツッコミを入れようとしたが訃神さんが直ぐに挨拶をしてしまう。


 「初めまして火憐ちゃん。私は訃神 楼斗、一応拓彌くんの育ての親だよ。いつも拓彌くんがお世話になってるよ」


 「一応、訃神さんは年齢的にはお爺ちゃんだけどね」


 ツッコミを入れられなかったのでおじさんの紹介に補足する。


 「え⁉︎見た目はお若いのに⁉︎」


 「ハッハッハッハ、拓彌くん。罰として明日から一週間女装で仕事してね」


 酷い!ちょっと紹介に補足しただけなのに!


 「“拓彌君の女装……”明日から来なくっちゃ!」


 「来なくて良いですよ‼︎」


 そんな世間話をしながら少し早めのお昼を摂った。

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