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伍 歓迎会-開戦-

ついに敵キャラ(ボス)の登場です!

 ――2:00PM――



 飾り付けが終了する。


 「やっと…………終わった…………」


 「おいおい、そんな調子でいいのか?」


 先生に言われる。


 「こう言う重労働は苦手なんだよ…………もう勘弁」


 「まぁ、何だ。とにかく疲れていてもいい試合しろよ」


 この人絶対に他の先生と賭けやってやがる。


{賭けの肴にされた……仕方ない会長に賭けた先生をガッカリさせよう}




 ――2:30PM――




 放送により1年生が入学する。

 歓迎会。これは二つの意味で行われる。一つ目は、上級生と下級生の仲深める。二つ目が、生徒会長とポイントランキング上位2人の力下級生に見せ自分達との差を見せる。二つ目がある意味恐ろしいだろう。去年はこれを見て6、7人が自主退学をしている。

 歓迎会をする理由はこの位にしてそろそろ試合が始まる。今年から新しいルールが一つ追加されたらしい。楽しみだ……先生をガッカリさせるのが。




 ――2:40PM――




 歓迎の言葉?らしきものが終え少しの間、交流する時間がある。それも俺と会長の試合が始まるまでは皆楽しそうだった。


 少しして広報部が司会を始める。


 ‘さーて、いよいよ始まる試合の前に!選手へのインタビューです!まずは我らの生徒会長![緋陽ヶ谷 火憐]選手!’


 会長の登場で一気に熱気が上がる。


 「火憐さんに簡単な質問です!新ルールが追加されましたが勝てる自信は!」


{先輩、熱入りすぎだろ。暑くて疲れる…………}


 「どんなルールでも構いません!絶対に勝たせていただきます!」


 これは本気を出さないと失礼な気がしてきた。出さないけど。


 「頑張って下さい!期待してますよ〜続いて[鎌井 拓爾]選手!ってあれ?おかしいですね〜さっきまで此処にいたのですが…………」


 「…………あの、此処に居ますけど」


 少し気配を薄めただけで……これなら実戦にも使える。


 「ご、ごめんなさい。さ、さあ気を取り直して火憐さんに勝てる自信は!」


 「あるとは言えませんが、取り敢えず頑張ります」


 インタビューは此処で終了する。


 試合中はプログラムが指揮をとる。広報部は実況担当。



 〈選手が登場しました。これより第66回の試合を開始します〉



 〈まず、ルール説明です〉



 〈1、相手を殺めてはならない。2、場外への接触もしくは不正があった場合、その地点で試合は終了する。3、相手が降参、戦意喪失した場合にも試合は終了する。4、奥義の使用を許可。4つ目は今回から実装されました〉



 〈選手は構えの態勢に…………〉



 〈用意…………始め〉



 会長から仕掛けてくる。


 「奥義。軻遇突智カグツチ!」


{いきなり属性攻撃!?}


 流石に予想外だった。まさか奥義から入るなんて。この人絶対殺す気で勝ちに来る……

 何処からか現れた刀に緋い焔が纏わり付いている。


{確か会長の能力は何も無い空間から武器を錬成する類だったけ?能力名はわからないけど………}

 刃先を躱す。


 「熱っ。殺す気ですか!」


 「ごめん。加減間違えた」


 そう笑顔で返された。しかも二撃目おまけ付き。


 「仕方が無い。使いたくなかったけど……」


 拳を作り力を溜める。


 「部分変化……霊鬼」


 右手が鬼の手に変わると同時に刀とぶつかる。

 刀が折れたのは良いのだが、理事長が驚いている様な匂いがする。


 {これを使うと防御力は良いものの人の感情が匂いになってくるから嫌なんだ……臭い……}


 「軻遇突智が折れた……それにその腕……『欲しい』……生徒会に欲しい……“私の物にしたい”……」


 突然、欲の匂いがした。


{臭い……解除するしか無い……}


 変化を解除し今度は足を変化させる。


 「部分変化……一目連ひとつめのむらじ


 部分変化だからと言って必ず体の部位が変化するわけでは無い。


{靴が壊れないからこれは好きなんだけど………}

 これを使うと急には止まれない難点がある。|スピードがMaxだと体が保たないのもある。そのため場内を走り回る時あまりスピードを出さないようにした。|もちろん攻撃は蹴りだ。武器?何それ美味しいの?


 「奥津比売オキツヒメ!」


 今度は刀を地面に刺した途端場内が火の海になった。


 「これで貴方が立てる地面は無いわ」


 しかし俺はすでに彼女の背後を取っていた。足の変化を解いて片腕に変化を加え彼女に触れる。その変化は袂雀たもとすずめといって催眠効果がある羽になる。その羽に触れればこの火の海が治るだろう。


 「残念。背後です」


 羽が会長に触れた途端地面に刺さった刀が砕ける。


{やっぱり刀は能力で作られたものか。少し厄介かもしれない}


 一瞬、会長から緋いモヤが見えた。その後、会長の意識が戻る。と同時に俺の右腕が飛んだ。観戦している生徒らが盛り上がりを見せる。


 「っ!……油断した……!」


 肩から骨が見え血が噴き出る。


 「制服どうしてくれるんですか!直すの大変なんですよ!」


 「ゴメンゴメン。加減間違えた」


 本能的に俺は今の彼女は危険だと感じた。


{やばい。そろそろ血の残量が…………正体ばれてでも良いからこの傷を治そう。ああ、更に"あの"血が強くなるのか}


 ふと急に疑問が湧いた。


{どんなに強い人間でも奥義の連続使用は体に負荷がかかるはず。しかし、会長からは疲れが見えない。ならば問うしかない}


 会長に問いかける。


 「なぁあんた、誰?」


 「何を言っているの?鎌井君。私は私よ?」


 「違う。奥義を疲れずに連続使用するあんたは人間じゃない」


 「まだ二回しか使ってないのよ?疲れるわけ無いじゃない」


 「二回しか使っていなかった。確かにそう見えた。だが実際には俺の肩を切った時、奥義奥義を使った。その時、奥義の名を言わなかった。いや、言えなかったんだ」


 会長?が動揺する。


 「だ、だから何よ。わ、私は……」


 会長の発言を遮る。


 「これより'妖狩り'を開始する」


 妖狩りという単語を聞いた会長は苦しみだす。


 「ナゼ…バレ…タ…………?カンペ…キニバケタ……ノニ……」


 「苦しむものじゃないだろ。ただの単語だし」


 「フフフフ。そうね。ただの単語ね。苦しみを見せるのは逃げる為だし」


 こっちに視線を向けてくる。


 「バレたんだからとさっさと本当の姿になれよ。このままじゃ本当の力を使えないんだし。あとその口調ままじゃなくても良い。に過ぎて気持ちが悪いくらいだ」


 「ならば、お言葉に甘えさせて頂こう」


{これがこいつの口調。ちょっと苦手かな。話ずらい}


 「わっちには名乗る名がない故。妖を統べる者の意味を兼ねて、≪妖之姫(アヤカシヒメ)≫とでも名乗ろうか」


{妖之姫…………何処かで聞いた名だ}


 「遂にわっちの婿に相応しい者を見つけた!其方の力とわっちの力を持った妖を統べる者を作ろうぞ!」


 「遂に見つけた?誰の事だ」


 「お主の事よ。さあ、わっちとこう。そして作ろう、我らの楽園を!」


 「そんな事より、本物の会長は何処だ?」


{楽園とかに興味ない。今年は何も起こらず静かに過ごしたかったのに…………}


 「そ、そんな事じゃと!?まあ、無理に連れてっても面白くない。また今度、相見えた時に答えを聞くとしよう。ついでに火憐と言う娘は今、わっちが形の維持に使っておる。そろそろ形になってきたとこだ、この娘は返そう」


 妖之姫の影から会長が出てくる。


{急展開すぎて理解が追いつけん。妖之姫だっけ?勝手に話しを進めんなっての。手応えがありそうだったのに戦闘にならなくて残念。まぁ、一番残念なのは賭けをしている先生の残念そうな顔が見れないってとこらだな}


 内心そう思いながら会長のもとへ歩み寄る。

 確認したところ、ただの疲労で寝ているだけだった。


{あれだけ奥義を連発したんだし疲れるのは当たり前か}






 その後、保健室で会長は起きた。試合の事を話すと、どうやら試合開始の合図が鳴る前からの記憶がないらしい。それで勝敗というと、会長は俺の勝ちで良いらしいのだが無理言って引き分けにしてもらった。歓迎会はと言うと、理事長が生徒らを説得して明日に続をやる事になった。




 「えーと。火憐さん?もう大丈夫?」


 保健室の先生が心配している。


 「大丈夫です。鎌井君に支えてもらいますから」


 「鎌井君。真っ直ぐ教室に送るのよ」


 「俺を危険人物扱いしないで下さい。特に、先生が言うと冗談に聞こえないですよ」


 と返した時、


 「私は鎌井君なら良いけど」

 と会長が言う。


 「良くない!俺の静かな学校生活に幕が下がる!」


{何故だ。何故今日は異様に疲れるんだ…………}


 その後は普通に教室に帰れた。




 そうそう、教室に向かう時に賭けたことの結果だけど生徒会に入る事になってしまった。引き分けだから仕方がないけど。だから今日、会長殿が家に来られる。勉強を教えに。




 ――6:30PM――




初日なのに疲れた。しかもこの時間。明日は休みだからって会長が泊まり込むつもりらしい。不用心なのかなこの人。


 「本当に良いんですか?泊まり込みで」


 「大丈夫。親に連絡入れているから明後日の夜に迎えが来るようになってるの」


 「えっ。あの理事長が許可を…………」


 「お母様がどうしたの?」


 「イエ、ナンデモゴザイマセン」


{ここは、話しをそらしたほうが良いか}


 「そ、そうだ。勉強は夕食の後にしましょう。よかったら注文してください。何でも作りますよ」


 「話を逸らされた………でも、何でもと言われると注文に困るな〜」


 会長が考え込む。



 5分経過しそうな頃に注文が入る。


 「鎌井君のお勧めで」


 「……随分考えましたね…会長。内を考えていたんです?」


 「鎌井君のあいzy…作った物なら何でも良いかな〜って…………」


 顔が赤くなっている。


{分からん。乙女の恋心は複雑すぎる。そもそも人間自体複雑すぎる}


 「分かりました。最近覚えた料理ですけど、会長のためにアイジョウを込めて作ります」


 と揶揄って見た。


 「も、もうからかわないでよ〜あ愛情だなんて…………」


{鵜呑みにしたよこの人。まあ良いか。}


 すると会長が


 「そう言えば鎌井君のご両親は今どこへ?」


 と料理中の人に話しかけて来た。


 「両親?いないよ。昨日から一人暮らし始めたし」


 「でも、今では売っていない本とか置いてあるから…………」


 「も、貰い物ですよ」


 「む〜。嘘っぽ〜い」


 どちらかと言うと相続的な方だけど、貰い物だから嘘じゃ無い…………はず。


 「嘘でも良いじゃないですか。人は他人に知られたくないものが一つや二つはある筈でしょう」


 完成した料理を食卓に並べながら答える。


 「ほら、出来ましたよ。あと、これ食べ終わったら英語で分から無いところがあるのでそこをを教えてください」


 「英語だけね。終わったらついでに生徒会について説明があるからね〜」


 「了解しました」





 ――9:40PM――



 「ゔ、鎌井君がこれ程英語が残念だなんて…………」


{そりゃあ呆れますよね〜これ程英語だけが絶望的とかw}


 「教え甲斐があるじゃない!」


{まさかの教える事が好きな人種………だと………}


 「そろそろ遅くなるから生徒会の説明に移ろうか」


 「そうですね。じゃあお願いします」


 ここから2時間も説明された…………

恐らくラスボスの妖之姫さんは、今後壁チラ程度に登場します。


あと、もう一つの小説も近頃公開するつもりです。

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