伍 歓迎会-準備-
今回は短めです。
――0:00――
これから理事長も参加される歓迎会が始まる。
その為の片付け中で俺は、
「とうとう来てしまうのか。一番面倒くさい時間が…………」
と溜め息しながら片付ける。
「諦めろ拓爾。お前は生徒会長からは逃げられない」と覡は言う。
「違う。新入生との親睦を深めるため会の準備だろうこれ。その会が始まった時に新入生からの質問を答えるのが面倒い。それじゃあ他の所片付け手伝って来る」
と移動しようと思ったが、背後から声をかけられる(女声)。
「待ちたまえそこの少年」
「少年って俺の事ですか?理事長」
「そうだよ鎌井君。入学式で私の挨拶があった時、うちの娘と一緒にいたよね〜」
顔が怖い。この人絶対に怒ってる。
{理事長の娘って?生徒会長の事か?}
「たぶんそうだと思います」
と答える。
「そうかそうか。うちの娘とイチャイチャしていたのは君か〜」
理事長の後ろに般若の顔が浮かび上がってくる。
「それは誤解ですよ!会長が理事長の話が長いか寝てしまっただけです!」
「では、火憐が起きた時赤面していたのは何故か説明出来るの?」
「それは自分にもわかりません……“てかそろそろ隅っこに行きたい”」
最後に本音を漏らした。小声で。
「この高校に入学した君を見たうちの娘は妙に明るくってね〜中学も同じだったみたいだし何かあったのかな〜って。おっと、そろそろ理事長室に戻らないと。引き止めてゴメンね〜あ、そうそうそろそろあの時間のために準備しといたほうが良いよ〜」
正直言ってなんだったのだろうて思った。
{会長と同じ中学だっけ?中学とか全く覚えてないし…………}
――1:30PM――
日が落ちていくに連れて頭痛が軽くなっていく。ちょうど昼食の時間が近づいてきた。入学式の時だけ何処かのパーティーみたいに全校生徒集まり食べる。
先生が
「そろそろ昼食の時間だ。だから準備しに行くぞ〜」
毎年2年生が装飾するらしい。あらかじめ準備していた装飾を持って実技棟に向かった。
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理事長視点
{はぁ今年の入学式も疲れた〜早く我が娘を愛でたい…………てか、私の娘の隣に座ってた男子生徒、何処かで…………}
そう思ってた時、例の男子生徒を見つけた。
{確か≪鎌井 拓爾≫だっけ?確か現ポイントが約4500万以上溜めたままで現金に換えていない。成績は中の中と中の上を転々としている。能力は…………何これっ、風操作に擬態、隠密、暗視って書類には書いてあったけど。どれどれ……}
私は能力を発動する。一族の特有能力≦真実の眼≧よくある神話の能力だけどそういう本は今、国の何処かに隠されている。
{書類の通り風操作、擬態、隠密、暗視はある。そして……え、まだある。使い魔使役、跳躍、影抜き、変化…は擬態と少し違うのかな?、幻覚、探知、etr……あ、能力がヒートオーバーした……直接話を聞くか。色々と、ね。}
私は話しかける。
「待ちたまえそこの少年」
彼の目を見る。昔から目が合った人の考えを読むのが得意だったため使ってみる。しかし、彼の目を見ると何か引き寄せられたり、押し出されたりして気分が悪くなる。仕方がない。火憐の事について話すか。
彼曰く、付き合っていないし火憐に気があるわけでもない。そして火憐が寄りかかっていた理由は私の話が長くて寝てしまった為。赤面していた理由は知らないと言う。
{鈍感男め……私の火憐に好かれている事に気が付かないなんて……これじゃあ同じクラスに隣の席にした意味がない。ゴメンね火憐。お母さん火憐の手助け出来ないかも。}
そろそろ理事長室に戻らないといけない時間だ。
「おっと、そろそろ理事長室に戻らないと…………」
私は理事長室に戻る。
「まずは書類の書き直しっと」
私は歓迎会の時間まで地獄の書類直しをした。




