天界に来まして・・・
死後の世界
輪廻転生から外れた女性
花より団子やろ!
っと言って、隣に居る男性が満面の笑みで、団子を頬張っている。
あまりにも美味しそうに食べるので、桜を見ていた私もつい、お腹を鳴らしてしまった。
『やっぱ、腹減ってんねやんけ! はよ食べ!』
私の口に強引に団子を持ってきて彼は言った。
そして、照れながらも団子をパクリと食べた
『うまい!!』
思わず出た言葉に彼はとても嬉しそう
目と目が合って数秒の時が経ち、恥ずかしさのあまり、目を逸らしてしまった。
二人の姿が桜の下を流れる川に反射していた。
『また、来よう・・・。』
彼が、ボソっとつぶやいた、と思ったら次は大声で
『また、観に来よう!! だから一緒にいてくれよ!ずっと!』
赤面する私
『うん・・』
っと小声で返事をし
彼の方に目をやると少しずつ、モヤがかかり、目が霞んできた。
目を擦るものの、彼は徐々に見えなくなり
思わず
『待って!待って!!』
っと声に出してしまったが、この声すら彼には届かず
とうとう、彼の姿が消えてしまった。
そして、真っ暗な世界に私一人・・
とても寒い・・・
意識がもうろうとする中で
『やっほーーーーーー!!!!!』
桁違いな声が私の頭の中で響き渡り、ふと我に返り
一気に布団を払いのけ起き上がった
あれ?目の前は先ほどの暗い世界とは正反対で
太陽の様な光が溢れ、暗闇に慣れてしまった私には
とても、眩しかった。
ベットに寝ていたらしく、目の前には鏡があり、見たこともない服を着ていた。
『やっと!起きられましたか! おはようございます!』
メイドの様な格好をした女性が元気よく話しかけてきた
『いやー驚きましたよ!! リアクションでかすぎますよww うけるww』
頭の中がショート寸前な私に、これでもか!っと情報を流し込んでくる
『ここはどこですか?私は男性のえっと・・名前が・・』
『とにかく、男の人と一緒に居たはずですよ!!』
つい声を荒げてしまい、私の声が室内に響いた
『落ち着いて聞いてくださいね!順を追って説明すると、まず・・』
若干、間が空いて 私はゴクリっと口の中の唾を飲んだ、そして彼女の口が開いた!
『あなたは死にましたー!!w』
突然の事に私の口も開いてしまった。
この訳の分からない状況下でも、彼女の笑顔は崩れる事がなかった。
私がパニックになっているのも無視して彼女は続けた
『先ほどの男性とのやり取りは、あなたの遠い過去の思い出です』
『過去?言っている意味がわかない・・』
男性とやり取りをしていた私と、今鏡の前に居る私は同じ姿をしている・・・
過去といってもそんな、昔の思い出ではないはずなのに
『わかります!わかります!その気持ち! 私もそうなりますもん! たぶん!』
適当な相づちにイラッとしたものの、今頼れるのはこの人の情報のみ
こみ上がる怒りを抑え
『続けてく・・ださい!』
気づけば、握りこぶしを布団の中で作っていた。
『あなたのその姿と夢の中で見た姿、一緒じゃないですか?』
『人が死んだとき、下界ではまったく知られて居ませんが夢を見るんですよ!』
徐々に確信に迫っていく話に、私の拳も緩くなっていく
『その、夢!これが重要なんです!!夢に出てくるぐらい、一生で一番大事な時間』
『天界では、その〔大事な時間を過ごした〕姿で、生活していただくんですよね~!!』
聞きなれない単語に困惑する私
『下界?天界?じゃあつまり、ここは天国で本当の私はもっと年が上で、下手したら』
『下界ではおばあちゃんってこと?!?!』
彼女は、大きくジャンプして同時に天高く突き上げられた右腕は
着地と共に振り下ろされ、人差し指が刃物の様にこちらに向けられて・・・
『ピンポン!!ピンポン!!いやーパニくってるふりして、状況分かってんじゃん~ww』
『自分の正体まで、当てちゃうとか何者ですか~!!』
彼女のハイテンションと今の状況に納得できず、またベットに倒れてしまう・・・。
初投稿で色々不慣れでした!
キャラクターの名前すら1話で出てきていませんが
面白くなるように・・・模索します!