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死神の報復  作者: 射月アキラ
Ⅵ 死と再生
44/45

05

「その傷をえぐるようなことをしながら言──」


【世界】の手は反論を許さなかった。


 十三番の言葉を途中でうめき声にしてから、【世界】が言う。


「まず『腕』をしまうがいい十三番。まだその魔術を使い慣れているとは言いがたいだろう」


 促されて、十三番は【死神】の魔術を解除。同時に白骨の左腕が姿を消す。


 眼窩のようになっていた左目も元に戻ったのを確認して、【世界】はようやく傷口を掴んでいた手を離した。


「素直でよろしい」


「ほとんど脅迫じゃなかったか?」


「惜しいな。あれは命令だ」


 なぜか得意げに言った【世界】は、手を腰に当てて薄い胸を張る。


 その拍子に身にまとった──というよりは巻いただけの布が肩から落ちかけて、【世界】が慌てて押さえるなどという事態がなければ、十三番も「どこがどう惜しいんだ」と問うこともできたのだが、


「さっきのは命令だが、ここからは忠告だ」


 布をどうにか巻き直した【世界】が言葉を継ぐ。


「知らないようだから教えてやる。私は【世界】、アルカナを作った【世界】だ」


「……? その話はもう聞いて」


 反論中断。


 今度は【世界】の人差し指が、十三番の脇腹にある傷を小突いた。


「よし、分かりやすいように言ってやる。天才魔術師である私は、魔術を使うのもおぼつかない、生まれたての仔馬のような輩に守られる必要など、これっぽちもない。宣言する。根に持つぞ。ずっと覚えておいてやる。そして許さない」

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