エピソード7
草原の一角で淡い光が断続的に光る。そして断末魔が聞こえる。
もう数えきれないほどのモンスターを狩った。レベルも20まで上がった。
その時いきなりまわりにプレイヤー反応が10ほど現れた。
「こんばんわぁ~。悪魔の宅急便でぇ~す。」
「頼んだ覚えは無いな。帰ってもらおう。」
「そう簡単に帰えると思ってんのか?」
「そうだと良いんだがなっ!!」
そう言うと共に二人同時に地を蹴る。
「俺はボスをやる。タクは取り巻きを頼む。」
「りょーかい。」
見るとボス以外は大体LV13程度だ。数を考えると五分五分ぐらいだ。
まず一番近くにいた。刀を装備した侍に切りかかる。一撃目は防がれるがもう一方
の剣で突き刺す。HPの一割がたを減らす。やはりレベルが違う。
その時背中に衝撃を感じる。どうやら後ろから不意打ちにあったようだ。
HPが百分の一ほど削れる。
「っち!!はぁぁぁ ≪ソニックスター≫!!」
双剣が光を帯びる。そして三連撃を繰り出す。前と比べると速さも威力も段違い
だ。そして侍のHPを残り一割にする。そして光の粒へする。
まわりを囲まれていたので新技の範囲攻撃を使う。
「はぁぁぁ ≪風刃の舞≫!!」
双剣が透き通った緑の光を帯びる。そしてシステムアシストによって空中に双剣を
ふるう。すると群がっていた敵のまわりを緑色の風の刃が舞って敵全員のHPを半
分以下にする。そしていっきにラストスパートをかける。手当たり次第に敵を切り
刻み光に変換する。そして最後の一人を葬る。
そしてシュンの方を見るとどちらもHPが約三割という激戦だった。
俺には入り込めなさそうなので初期魔法で戦う。
「≪インパクト≫!!」
「ばかっ!!やめろ!!」
ボスに飛んで行った無色の球はそのまま跳ね返ってきた。
「何っ?」
訳が分からず跳ね返ってきた魔法をもろに喰らってしまい吹き飛ばされる。
「大丈夫かっ?」
「あれよそ見してていいのかなぁ~?」
シュンのHPが尽きる。そしてタクが光となって消えていく。
「え?」
シュンが死んだ?シュンが?本当に?死んだ?しんだ?シンダ シンダ シンダ
目の前が真っ赤に染まった。
~☩~
気が付くと目の前に敵はいなかった。草原に座り込む。
ステータスバーに「シュン」の文字はない。
「あぁあぁああぁあああああああああぁあああああああああああぁあぁぁあああ」
しばらく草原には力のない叫び声が響いた。