されど真実の心
携帯にメールが入っていた。死ぬ気が徐々に萎えていくのが自分でもわかる。メールは親父からだった。なんだいまさら!
携帯を投げ捨てた。そのときボタンが押されある単語が目に飛び込んできた。
「誕生日…」
俺はむさぼるようにメール内容を見た。
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誕生日おめでとう。お前も今日で15だ。
お父さんはまだ当分帰ってこない。
だが今度帰ったときはちゃんと話しをしよう。
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要約するとこんな文章だった。ただでさえ萎えていた自殺する気がサァーと引いていくのを感じた。体中から何かが引いていく感じだ。それと同時に爽やかな感じさえ覚えた。
夕焼け空を見て俺は哀愁とでもいうべき感情を抱えつつ立ち尽くしていた。家に帰ろう。そう思ったときだった。後ろから高いうなり声が聞こえた。
健太がおきたのだ。そうだ…。一緒に死ぬんだ。俺が立てておきながら俺やっぱやめるなんていったら、それこそ本当に死んじまう。それも恨まれながら。
だが、もうひとつの考えが浮かんだ。俺の自殺志願の理由はたった今このメールにより消えた。つまり自殺する意味がなくなったのだ。俺は再び恐怖を感じた。
自分たちが何をしているのかということだ。それに恐怖を感じたのだ。
俺は発狂しそうになった。健太がこっちによたよたと歩いてくる。
「すぐ寝ちゃたから。僕たちも寝ちゃたよ」つまり俺が最初に寝たのか。
「さあそろそろ死ぬ?」疑問系で死んできた。手足が小刻みに震えている。こいつも必死に抑えているんだなと思いつつ2人を見た。気持ちよさそうに寝ている。これから死ぬやつらの顔かよ。
そのとき健太はある一言を言い放った。