拒絶と矛盾
他人なんか要らないんだ邪魔でしかない。自分を阻害して自分を理解してくれない。何も分かってくれない。自分以外の何かがいるから悪いんだ。
自分以外の人間なんて要らない。いや違う。
自分が要らないんだ。このまま一思いに死のう。でも死ねない。何故だ?やはり一人ではさびしいからなのか?なら自分と同じ人間と死ねばいんだ。
自殺サイトとかがあるだろう。ここで同じ人間を探そう。でも所詮他人…。いや違う他人ではない。自分と同じ様な考えを持っているならそれは本質的には自分だ。
葛藤の末に自殺サイトにメアドを貼った。そして集まったのがこの3人だ。
雄一郎、一郎、健太の3人だ。自殺動機は違うけど最終結論が同じなんだ。最終時に自分と同化する。同じになる。
4人は町並みを外れた人気の無い町を歩き出した。港町。
港町にありそうな工場。倒産して錆びれてしまった廃工場。つまり…そこを死に場所とするのだ。
俺はカバンから首吊り用の縄を取り出した。支柱と支柱をつないでいる床と平行の鉄製の棒にロープをしっかり結び固定した。
作業用の机らしきもをの足場にする。
気のせいか体が重い。他のやつも手を動かすのが重い。まあ無理も無いかこれから死ぬんだから。
睡眠薬の瓶を取り出す。みんなが集まった。
「分かってると思うが、首を吊ったら作業台を蹴り飛ばせよ」
「分かってる」一郎の目に涙がたまっているのが確認できた。やっぱりこれから死ぬんだから悲しいよな。健太が肩をたたく。ここにきて双子らしさというものがおもむろに出てきた。泣き顔が同じじゃないか。
雄一郎も何かいおうとしたのだが言葉が見つからないのだろう。
「皆、後世では楽しく出来ればいいな」俺がいうと、雄一郎がようやく口を開いた。
「次あったときはいい友達になれてればいいな」友達か…。
そうだよな今ももう友達だよな。結局はこいつらも他人なんだ。俺が求めている同一人物ではないんだ。だがもういんだこれで。
睡眠薬を瓶から取り出した。水が入ったペットボトルはあらかじめ用意している。
睡眠薬を飲むか。1つ、2つ、3つ、4つと慎重に皆に渡した。
妙に冷たく感じる水を口に含みながら睡眠薬をのどに流し込んだ。