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この命果てるまで…  作者: 賀来麻奥
とある自殺者
4/15

自殺計画

 外の風景がドンドン変わっていく。実にどうでもいい風景だ。くだらない。腕時計を見ながら

「後、20分であいつらと」とボソッと呟いて再び外の風景を眺めた。命のタイムリミットが近づいているのに妙に落ち着いている。

 彼が3人の少年を自分が立案した自殺方法へと導いていく男だ。そう自殺ホームページに専用のメールアドレスをはった少年だ。もったいぶっても仕方ない。名前は田中道男。


 バスはやがて道男が望む駅前のバス停に止まった。100円と整備券を箱に入れてバスから降りた。空は晴れておらず曇天だ。雨が降るかもしれない。だがそんなことは知ったことではない。


 駅のホームにチケットを買いホームに入った。30メートル右側に席があり。待ってましたといわんばかりに3人の少年が待っていた。


 青い帽子をかぶっていたのが雄一郎だ。肩幅が小さいのに比例するかのように小型の鞄を持っていた。ただなかなかオシャレな格好をしているが暗い。まあこれから死ぬんだからな。


 そして身長がほぼ同年齢なのに高い双子がいた。こっちが部活をしていたほう、こっちが帰宅部というのは顔つきで分かった。弟の健太はしっかりとした顔つきだった。鼻がなんというかしっかりしていてピンとしている。一方兄は心優しそうな顔つきだ。それでありながら全体的に似ている。まあ双子だからな。2人とも顔は笑っているが目は…。



 「3番乗り場に列車が到着します。危険ですので黄色い線の内側にお下がりください」さすがにここからとびおりて死ぬ気はない。

「それじゃあ…よろしく」軽く声をかけると向こうもブスッとしているというよりは若干テレているような素振りであいさつらしきものをした。


 ちょびちょび生まれては消える話は雄一郎がトランプを出したことにより解消された。

「8切り!」何をしているのか?大富豪だ。

「そして…革命あがり!」始めに双子の兄の一郎があがった。

「じゃあ3を2枚。流すしかないよね。そして6…終わり」俺が終わった。

…緊迫の空気が流れる。

「ジャック…」カードの強さが逆になる。雄一郎の手札にはキングやエースなどがある。これでこの場を切り抜けれれば。しかし

「クィーン切り」健太はここぞとばかりにQをだした。そして1枚7を出した。7は相手に手札を渡せる。

 そして最後の2をやった。


 「あぁぁやられた!」



 その後もやったが疲れたため途中でやめ2時間後目的場所に着いた。


 

 さて死ぬ前にはらごしらえをしよう。


 適当な店を探していると…。

「こらぁおまえ!道は端を歩け言ってんだろうが!」父親が子供に怒鳴りつける。まだ小学生になっているかが疑わしい子供だ。どうやら他の人の邪魔になるので怒ったらしい。

「この!」親は蹴りつけ胸ぐらをつかんで

「今日は帰るぞ」と怒鳴り駐車場にとめてあった黒い車に乗り親の怒りを象徴するかのごとく白煙を出して車は不機嫌そうに音を出して俺達の前を通過した。


 同時に俺は過去を思い出した。


 

 それは2年前から始まった。

 田中の過去とは?2年前に何が起きたのか。迫る田中の過去、自殺への要求そしてその先に…。

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