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この命果てるまで…  作者: 賀来麻奥
とある自殺者
2/15

雄一郎の場合

 自殺志願者の1人雄一郎は何を思ったのだろうか?

 自殺志願者の1人、雄一郎ゆういちろうが自殺を考えたのは学校が関係していた。いじめを受けたわけでない。はたまた教師がイラつくとかいう問題ではなかったのだ。

 彼は話し合いについていけなかったのだ。運動系にあまり関心は無く本に興味を持つ。本にしか興味を持っていなくても何人か話しが通じる人がいるだろう。

 特に今現在、様々なメディアを通して情報が流れアニメやドラマなどで興味を持ち本を読むこともあるため、本愛好家というジャンルも教室の1グループとして存在しているだろう。雄一郎のクラスでもそういうグループは存在していた。まあ俗に言うアニオタである。

 しかし何故雄一郎が話に入れないか?それは彼の興味が人とは外れているからである。

 まあ中学校だ。ディーゼルエンジンに関する本があってもおかしくない。変な歴史的文集みたいなものがあってもおかしくない。だが、読まないだろう普通。彼はこれらに特別興味を持っていたわけでない。何でも知りたいという知識欲が働いたに過ぎない。だが現実は残酷なもので周りのものから見れば面白みが無いような本ばかり読んでいるだけのためまともに話も触れずに、彼と一定の距離をとっていた。

 もちろん物好きなやつもいて彼の本について彼と話すのも数人はいた。しかし物好きなやつは他にもなにか興味を持っている。気が付けば彼はクラスの中で孤立していた。

 それだけなら別にそれでもいいのだ。彼は本に熱中するのだから。


 そして彼はある本を読み始めた。まあ人間の生き方とかそんなものだ。彼がその本を読んで他者という存在はあるのだが、自分を大事にしてくれる他者というのがいないのである。

 彼は急速に自分自身を見返した。本当の自分を評する他者がいない。見かけ上の自分しか評価しないような他者しか周りにはいない。僕には何も無い。

 

 彼は精神的に病み学校にまり行かないようになった。13歳でまだ中1である。


 そんな彼が興味を持ったのは1つのホームページだった。

 

 自殺者が集う自殺ホームページだった。人間病めばこんなページを作成する気になるのだなと思いながら見ていた。もちろん彼は自殺する気はなかった。


 だが読んでいるうちに自分の事を言っているような書き込みを見つけた。まるで催眠にかかったように少年は死にたいと思い始めた。辛いのを楽にする=死ぬ。これが近道。


 1月2日の年を空けた寒い日。冬休みに入っていたこの時期少年はコタツに入っていた。親は

「冬休み明けたら前みたいに学校行ってね」と言っていた。複雑な年齢なので責める気はないらしい。


 しかしそんな願いとは裏腹に少年は自殺を志願していた。幾時間が経ちホームページを示していたデスクトップ無数のドットの色が変わり次のような文が現れた。

「一緒に死にませんか?」少年の目は虚ろだったがなぜか希望が移っているようにさえ見えた。


 少年はその苦情が殺到していていつ消されてもおかしくないページに抱えれているメアドをコピーして電子メールを起動するとあて先の欄で貼り付けして内容を書いて送信した。

 

 ああ鼻がひどい。風邪かな。

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