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八話目≒血と涙と後始末

慎「おぉぉぉお久しぶりぃぃぃぃぃ!皆の憧れの的まこッちゃんだ!」

渉「覚えてますか!渉です!ほら、天パの」

慎「君なんか俺と同じ匂いがするわ」

渉「君もか!なんだろ、同じ宿命にある感じだ」

慎「だろ!今日はとことん飲むぞ!」

渉「イエッサァァァ!」

慎「取り敢えず本編行ってみよぉぉぉ!」

どうもこんにちは。遊思です。最近立て続けに色々ありまして現在保健室の緊急治療室に運ばれてる真っ最中です

夜司先生。信じてます。信じてますからホント人体実験だけは勘弁して下さい。ホルマリン漬けは御免です

「んふふ〜。君ほどの逸材がこんなになるなんて滅多に無いからね〜。安心したまえ私の治療は完璧だから。ただちょっと細胞やら何やらイジくるだけだとも」

「いやあぁぁぁぁぁ!」


無情にも緊急治療室の扉は僕を自由な世界から隔離した




事の発端は皆さんのご想像通り龍御さんが元凶です

ええそうです。暴徒と化した二人から逃げる事一週間、潜伏していた体育館倉庫の跳び箱の中での籠城作戦はクラスメート男子による裏切りと数にモノを言わせた体育館を中心とした包囲網の展開、及び理沙と渉を人質にした政治的圧力により屈しざるえなかった

渉だけなら切り捨てたが罪の無い後輩を見捨てることは出来ません

その後体育館の教壇に引き摺り出された僕に待っていたのは勘違いの制裁と獣ゴミムシ屑等の罵詈雑言でした。

鉄バットと陸上用のスパイク使った奴素直に名乗り出ろ。此方は拳で応えてヤル



それにしても美樹も心も強くなった。前なら精々打撲か浅い切り傷で済んだのに

「肋骨、左腕の骨折に打撲14ヶ所、右肩から腕に切り傷、右手首脱臼と右アキレス腱の切断。主な怪我はこんな所だね。しかし白銀も凄いもんだ。あの二人相手なんだ本当ならミンチだね」

「ホントですね。それはそうとさっさと治療してください。気持ち悪くて仕方無いです」

「そう言うなよ遊思君。痛みは感じないし今の代価ではこれが限界だよ。素直に研究に付き合ってくれると嬉しいな」

「はぁ。分かりました」

「よろしいよろしい。私の『血の掟』に任せなさい。さあ今度は耐久テストだ」

夜司先生の血の掟は相手の血を代価に治療を施す力である。治療者を液状の球体で包み痛覚を一時的に奪い代価次第では生きてさえいれば如何なる傷も治療可能である

「さあさあ早速力を発揮したまえ遊思君!」

「せんぱぁぁい!助けてくださあぁい!」

理沙。何故君が此処に居るかは無視するが・・・・・

「何故ナース服?」

「先生がコレ着ないと・・・・・」

「着ないと?」

「君のスボンを下げるって行ってみたよ」

最低だなこの医者

「おお遊思君。微弱ながら細胞の耐性上がったね。ふむふむ。やはり私の考えは正しかった。つまり・・・・これが・・・・・こう」

先生はトランスを始めたので後輩にさっさと着替え帰るよう促す

素直に従う後輩は最後にチラッと此方を伺い赤面になりながら走り去っていった。上着着てないから仕方無いか


「ふむ。ふむ。ふむふむふむ。おお私の理論は正しかった。うんうんありがとう遊思君。これでまだここで働けるよ」

「そうですか。そろそろ骨はくっついたんじゃないですか?」

先生は書類から顔を上げ球体に腕を入れ骨折部を指でなぞる


「ふむ。後15分で完治するな。職員室には連絡を入れておく。自動で解除されるから着替えて教室に戻るといい」

先生は代えの服一式をベットに投げ書類片手に保健室を出る

だが直ぐに顔だけ出して此方を眺める

「時に遊思君、彼女は募集中かい?今なら週休二日で三食付き。薬物投与無しでお買い得だよ?」

「去れ悪魔」

おお恐い恐いとおどけながらマッドサイエンティストは視界から消えた



〜〜〜15分経過〜〜〜






で、教室に戻ったんですが何でしょうかこの混沌とした空間は

主に美樹と心を発生源として周囲に負のオーラを展開している

美樹は突っ伏し机から溢れるほど何か液状の物質を垂れ流しにしている

心に至っては刃物類一式を差し押さえられ『自害厳禁』と書かれた棚に収納されている。さらに拘束されている。いやそこまでしなきゃ駄目なのか?それと渉がなんで逆さ吊りなんだ

「え〜っと・・・ただいま戻りました・・・・」

クラスメート全員の視線が僕を凝視します。まて加藤。何故頬を赤らめる



「ゆうちぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

涙と鼻水まみれで突撃してきた美樹はその小柄な体を文字通り全力でぶつけてきた。無論僕は無事でいられる訳がない

吐血しながら廊下に逆戻り。逃走のお陰でまともに食事すらしてないのが功をそうしたのか吐血だけで済んだ

「ごべぇんなざぁぁいゆうちぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

顔を擦り付けながら泣き叫ぶ美樹。もう涙と鼻水でぐっちゃぐっちゃ嫌な音もセットだ

「み、美樹。取り敢えず離れて。めっさ痛いから。メッサ痛いから!」

痛いの一言にビクンと反応した美樹は素早く離れ相変わらずぼろぼろ泣きながら此方を見ている。

体格が小柄なので上目遣いになるのだが意味も無く罪悪感に包まれる。女の涙は無敵だ。イヤマジで勘弁して下さい

「けが・・・・どうなったの?」

「致死量だったよ」

「ぶぅわぁぁぁぁぁあぁぁぁぁん!!ごめんゆうちぁぁぁん!!!」

ぐっちゃぐっちゃぐっちゃぐっちゃ


無理矢理引き離すとびろーんと伸びる粘液。洗うの僕なんだけどな

「いやほら、夜司先生のお陰で一応完治したからさ。それにその場で誤解解かなった僕にも責任はあるし」

「でも・・・・・」

「はいはい捨てられた仔犬みたいな目で見ないの。お互い様って事でいいからさ」

まだ納得いかない美樹の頭を撫でながら視線を右にスライド



何処からともなく現れた御座に正座し、右手には新品のカッターナイフを携え確りと己の脇腹に添える大和撫子心ちゃん。律儀に黒天血に背を向け介錯せいと言わんばかりの雰囲気です

すいません今は平成です


「心ちゃん、チミは何をしているんだい?」

「後生だ。介錯を頼む」

「僕の経歴に殺人罪なんていらないから。ほら、人だかり出来てるし片付けて」

「武士の後生を聞いてもらえないのか・・・・」

「平成の世に武士は居ないから。そんなに言うなら後で頼み事するから今は片付け片付け」

渋々と片付け始めた心と未だに人様の背中に顔を押し付けているお子様を交互に見て深々と溜め息を吐き出した







「やあやあ遊思君、具合は良いみたいだね」

「お陰様で。若干まだ貧血気味ですが」

「そう言わないでくれよ。力には常に代価が伴うのだから」

夜司先生はケラケラ笑いながら封筒を手渡してきた。封は特殊加工され宛名は悠さんになっている


「君の細胞の実験結果だよ。中々興味深くて実に不可解な結果が出てきたよ。今まで見たこと無いケースだね」

「・・・・それは良い意味ですか?」

「それは分からないね。何せ君の細胞からはサンプルであった白銀以外の微量な細胞が検出されてね。一応サンプルは全て記憶してるけどどの細胞とも一致しないんだ。実に不可解だろ?」

僕の中に別の細胞?まるで僕の中で新な生命が誕生してるとでもいうのかな?だけどこの人は研究に対しては嘘は言わない。ならそうなんだろ

「時に遊思君、彼女は募集中かい?今なら週休二日で三食付き、薬物投与無しで更に人体解剖と遺伝子組み替え無しと破格のお買い得具合だよ」

「視界から去れ悪魔。パソコンをパンクされてもいいのか」

「あーそれは痛いねうんご免なさい」

ほんとなんでこんな人が八又五頭主に入ってるんだろうな

慎「いやなぁ。妹は可愛いぞ。うん。何処に見せても恥じないぞ俺は」

渉「俺も小百合さんだけは誰にも負けないって思うね」

慎「でも最近妹の過剰接待に何故か貞操の危機を感じるのは何でだろう」

渉「最近小百合さんのパンチに一筋の快感を感じるのはなんでだろう」

慎「・・・・・・」

渉「・・・・・・」

慎「飲むぞ!」

渉「はい!」


急性アル中がなんだい!生きてたらまた会おうby慎

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