六話目∞バリバリ最凶ナンバー1!
慎「超絶おひさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!皆のアイドル慎さんの登場だぁぁぁぁぁ!」
源「うっさい糞ガキだなおい」
慎「だって262日ぶりだぜこのお話」
源「作者万死だな。ったく使えね〜アホだな」
慎「ホンとにな。世界に謝れ!」
作者「本当にごみんなさい」
慎・源「クォラァ!」
空気を切り裂く刃は吸い込まれる様に相手の死角を攻める
しかし紙一重の差で体を捻り脚に力を込め宙を踊る
10m近い距離を跳ぶ翁朱さんは恐いくらいの笑顔で相手を見据える
龍御さんは刀を下段で構えゆっくり姿勢を低くする
「いい加減にしたらどうだ。たかが学生の戯言だぞ」
「んふふ、そんなの関係無いわよ。誰であろうと言った奴は○○○で××××で(ピーピー)な(バキュ〜ン)にしなきゃ気が済まないもん」
女子生徒はもう気を失ってひっくり返っている
僕としては非常に関わりたく無い状況に置かれており、今すぐ教室に帰りたいの一言である
しかしチリほどの責任も無いと言えないのが現実。だから仕方なく命賭けの説得をするしかないのだ。まずは手始めに
「翁朱さん!落ち着いてくださ〜い」
「ゆうちゃん黙ってないと噛み切っちゃうよ♪」
うわ!スッゲーこえ〜
その一瞬の隙を見逃す事無く龍御さんは踏み込んだ
間合いを無視した斬撃は翁朱さんの死角を完璧に捕えている
しかし翁朱さんにとって奇襲や不意打ちは余り意味を成さない
翁朱さんの力【陽炎】。一段階目では相手が自分に敵意を持った攻撃をした場合、絶対的に回避する。二段階目では相手の攻撃に敵意が無い場合
陽炎はこの二つしか能力を持たないが、切り替えを間違わない限りまず負けない力なのだ
全身が歪み炎が燃え上がり翁朱さんは消える
そして現れたのは龍御さんのすぐ隣
「無駄だよ。龍御ちゃんも分かってるでしょ。決着つかないって」
「だがお前を止めねばなるまい」
「ん〜〜。私はただあの子を(バキュ〜ン)したいだけなのに♪」
もう恐い
しかしやらねばいかんのか。すっごい嫌だな
僕は未だに高速の斬撃を繰り返す龍御さんと消えては龍御さんの近くに現れナイフで斬りつける二人の間に飛込む
「いい加減にしてくださアァァァ!」
二人に殴られて綺麗な弧を描き壁にぶつかった
致命傷は無い。さして痛くもない。たが恐い
あの二人の眼が殺意でギラギラしていた
「貴様!いい加減遊思にベタベタするのは止めたらどうだ!」
「龍御ちゃんこそちょっかい出してるじゃないのよ!」
「なんだと!今日こそ貴様を葬ってくれる」
「そっくりそのまま返してやる〜!」
あれ?戦闘経緯が変わってないかな?
「龍御さ〜ん、翁朱さ〜ん。やめてくれませんギャハァッ!」
見えない斬撃は見事にヒットして又々吹き飛ばされる。今度は隣の倉庫に転がりこんだ
跳び箱からなんとか起き上がり倉庫を出ると今まさに必殺の一撃を放とうと構える龍御さんがいた。ってやば!
「伏せろぉぉぉ!早く伏せろぉぉぉ!」
全力で走り一番近くに立っている男を蹴って人間ドミノ倒しをする。それからまだ伏せていない連中の前に立ちはだかる
「ゆうちゃん!何があるの!」
「頭下げろ!死ぬぞ!」
龍御さんは腰を落とし腰に吊る長刀【龍崩】(りゅうほう)を抜き放つ
「吠えろ龍崩!居合い術奥技、斬幻洸!」
一瞬の斬撃が体育館に拡がる。龍御さんを中心に居合いの領域を超えた一撃が放たれる
居合い術、斬幻洸
その場で円を描き周囲の物を切り裂く一撃であり、龍御さんの『縮空』を最大限に発揮する技である。全てを切り裂く一撃は体育館の壁を容易く抜け、一部を除き貫通する
そしてその一部に立っていたのは僕だ
数メートルの距離からの一撃をなんとか受け切った。改めて白銀の力に感謝したいよ
「でも流石にキツイな・・・・・」
額に青筋を浮かべる僕はゆっくり身構える
「・・・・・・ゆう・・・ちゃん?」
「美樹、少し下がってろ。そろそろ限界だ」
もう抑えれない、黒く染まる心は昔の俺を呼び覚ます
「いい加減にしろよテメ〜ら。ガキじゃあるまいし」
ボロボロの制服を脱ぎ両袖を掴み弧を描く
「白銀Lv2・・・。銀の洗礼発動」
銀の洗礼。己が触れている物に対して自分と同等の効果を与える力
「仮にも青龍と朱雀の癖にくだらね〜事で暴れやがって。クソ馬鹿野郎共が!」
地を蹴り低姿勢で接近し、横薙に刃と化した上着を振り抜く
突然の攻撃に驚きながらも交戦を止め跳び退く
「ユウちゃん!どしたの急に!」
「黙ってろカマ野郎!おとなしく斬られろ!」「遊思!何を急に逆上している!少しは落ち着いたらどうだ!」
「龍御!いい加減少しは街に出ろや!二十歳過ぎて男と手を繋いだことも無いとか抜かして毎晩テトリスやってんじゃね〜!」
「何故知ってるのだ!」
うるせーと言い返し偃月刀の様に曲がる制服刀を元に戻し袖を通す
「親父が言ってたよ。青龍と朱雀を止めるのは玄武の仕事だってな。だから本気で止めるぞ。殺す気で行くからな」
大きく息を吸う
「まずはカマ野郎!テメーだ!」
単純に接近し単純に殴る。それだけだが俺の場合拳は鉄以上の硬度に相当する
「わわわわぁぁ、ユウちゃんマジだぁぁ!」
ギリギリの回避を繰り返し逃げ回る翁朱
「さっさと殴られろや!完全に黒に染まっちまうだろが!」
壁際に追い詰めた翁朱に渾身の回し蹴りを放つ。それを陽炎で回避さ翁朱は龍御の隣に逃げのびた
「龍御ちゃん!何あの威力、壁がスッパリ斬れてるよ!」
「あれが本気の遊思ということだろう。殺らねば殺られるぞ!」
龍崩を構えた龍御は一瞬で遊思の後方に現れ袈裟斬りに刀を振り抜く
金属のぶつかる音と共に遊思は低姿勢の足払いから腹部目掛けて蹴りを放ち、龍御は刀を添え合気の要領で力を分散させ後方に跳び退く
「いつまで時代を逆行すりゃ気が済むんだ!今ゲームはCDの時代だ!」
「嘘を言え!CDは音楽を聞く道具だろうが!」
よく分からない叫びと共に龍御の斬撃は全て死角から遊思に直撃し、遊思は全て耐え、尚且拳を突き出し脚を払い続けた
生身と刀で響き合う金属音に震える生徒達と何処かに電話する翁朱
しかし金属音は急に止み、壁をぶち壊す派手な音が体育館に広がった
少し乱れた息を整える様に深く深呼吸する龍御
いくら表面が鉄以上であっても内は人と変わらぬ。ならば内を攻めればいい
龍御の師に叩き込まれた打振。内に衝撃を叩き込み内部から破壊する荒業の一つ。いくら手加減しても相当の威力になるのが扱い辛い点である
「はぁ、少しは応えただろうな。落ち着いたか遊思」
瓦礫の山からゆっくり起き上がる遊思
頭を二・三振り埃を払い制服の埃も手で払う
何故我慢する?
僕が耐えなきゃいけないからさ
何故耐える?
それは・・・・
自分の為に生きて何が悪い?自分の人生を生きるだけだぞ
そうだけど
周りが俺を傷付けるんだ。何もしてないのに結局最後には俺が何とかしなきゃいけないんだぞ?何故だ?
・・・・・・・それは
我慢する必要はないんだ
・・・・・・何故?
俺の人生だからさ
「我慢する必要は無いんだ。俺の人生だから」
「ん?」
遊思の変化に疑問を持つ龍御。今まで放っていた敵意が全く感じない
逆にそれが威圧に感じている。まるで氷の様に冷たく静かだ
「龍御さん、一ついいですか?」
「な、何だ」
「取り合えずくたばって下さい」
ゆっくりと距離を縮め五指を鳴らす遊思。指を壁に添えスッと引くとそこには壁をえぐった爪痕が残る
龍御は直感的に後方に飛び退く。しかし遊思は急ぐ事なくゆっくり歩いてくる
「龍御ちゃん、かなりヤバくない?」
「ああ。少々羽目を外しすぎた。生徒を退室させる。今の遊思は完全に黒翼だ」
生徒を退室させるのにさして時間はいらなかった。皆が一斉に逃げ口々に白髪鬼と叫んでいた
「こら、早く去らぬか!相手は黒翼だぞ」
「嫌です!ユウちゃんをほっとけないもん」
美樹は必死だ。しかしどうにかなるレベルではない
「下がってなさい美樹ちゃん。今のアナタじゃ足手まといだから」
美樹を手で制する翁朱さんはにっこり笑う
「必ず止めるから今は逃げなさい」
美樹は何かを言おうと口を開いたが結局何も言えずに体育館を後にした
「待たせたな黒翼」
剣先を向け身を低く構える龍御とゆっくりナイフを構え柳の様に揺れる翁朱
「黒翼ですか・・・ならその名に従って行きますか」
軽く手首を動かし相手を見据え歩き出す
すると突然遊思は身を低くし、床に爪を食い込ませる
「翔べ、黒き翼よ。飲み込め。全ての命を」
四肢に力を込め弾け翔ぶ。床に深い爪痕を残し空を駆ける
大きく跳躍し、壁を破砕して二人に突撃する
二人を左右に飛び退き龍御は懐に潜り込み打振を叩き込む
手加減無しの一撃は軽く臓器を傷付ける
そしてその威力を知っている龍御だからこそ完全に油断していた
「龍御さん。貴女は知らないみたいですね。黒翼のLV2を」
重い裏拳は龍御の側頭部を殴り付ける
鈍い音と共に龍御は短い悲鳴をあげ床を転がる
「龍御ちゃん!」
翁朱は素早く龍御の元に飛び抱き起こす
「ぐっ・・・何故だ。打振わ決った筈だ」
「ええ。手加減無しの一撃でしたね。でも駄目なんですよ。『白銀』が強くなると同時に『黒翼』もまた強くなる。だから一度も黒く染まらなかった父しか知らない貴女は油断した」
黒翼LV2〈厄災の転換〉
あらゆる物理的攻撃は受けた表層のみに与える
あらゆる物理的攻撃以外のモノは己の命を代価とする
「だから僕は貴女の打振。内を壊す力を黒翼で守られた部分で受けたんですよ。そして僕が貴女を殴った時、元の能力の副作用、相手と同じダメージを負うので僕の寿命は減った。それだけです」
「ぐっ、それだけだと。自分の寿命が減ったのだぞ」
「別に一年も二年も減ってませんよ。大体2ヶ月程度ですから」
遊思は冷たく笑い地を蹴る。宙を舞う黒き翼は拳を構え全力で振り下ろす
翁朱は龍御と共に寸前で避け、庇う様に遊思の前に歩み寄る
「ユウちゃんごめんね。私があんなことしちゃって」
「気にしなくていいですよ。ただ死んでくれればいいだけですから」
刃物の斬れ味を持つ回し蹴りは紅の炎に包まれる空を切る
「私とユウちゃんだと決着は着かないよ。だからやめよ?」
「素直に従うと思いますか?」
「無理だよね」
悲しそうに笑う翁朱は素早く身を翻し龍御の腕を掴み何の躊躇もなく逃げた
遊思はゆっくり後を追うため歩き出そうとした瞬間通路から別の影が歩いてくる
「いよう遊思君、元気じゃったか?」
「消えろ。空間が腐敗する。今すぐ星へ帰れ」
「ブラック全快じゃなぁぁぁぁ!ワシ泣くぞブラック遊思君!」
「消えろ」
校長はその場で嘘泣きを始め、懐から取り出したフィギュアに愚痴っている。キモさ100倍だ
「なあ遊思君、少し落ち着いてくれんかのう。ワシだって手荒には事を済ませたく無いんじゃよ。頼むからワシに力を使わせんでくれ」
「そんな事知りませんよ。邪魔です」
遊思は校長を無視し歩き去ろうとする
校長は深く溜め息をつき、遊思に一枚の紙を投げつける
「!!!」
気付いた時には爆音と共に、体育館の端から端へ吹き飛ばされ、壁に埋もれていた
「遊思君。君はワシの力を知らんじゃろ」
忽然と目の前に現れたのは校長、余髪真鉄は二枚の紙を投じる
今度は先程より更に高い音、金属同士をぶつける音が体育館中に拡がる
紙を投じる度に爆音が響き、遊思の体を穿つ
幾度と響く音が止むと気を失う遊思とやたら髪を気にする校長がいた
「あぁ・・・また少なくなってしもうた」
己の頭髪を縛った紙に書かれた文字に力を与える【神名権】本来、誉髪家の血族は常に女性が産まれる一族であり、髪に力を持つ女性だからこそのローレスなのだ
だが男である余髪真鉄が神名権を使えるのには特殊な理由があり、紛い物と己に示すため、余髪と名乗っている
「ふう。ま、いい勉強になったじゃろ。八又一頭首、余髪真鉄を舐めたらいかんよ」
校長は無駄な笑いを残し体育館を後にする
そして間もなく現れた源さんにしこたま殴られ家に連れていかれた
夢見る少年は父を見る
いつも笑っていて真っ先に自分を盾にして全てから自分と母を守る憧れの父を
汚れ無き輝く盾を持つ偉大なる父を
慎「ひっさしぶりなのに源さん最後しか出なかったね」
源「あの野郎いっちょ消すか?変身!」
慎「ギャァァァァ!化け虎!」
虎「ガァァァァァァァ!!」
パリ〜ン
慎「そろそろ修理費バカにならないから玄関から帰れ!」
作者「クリスマス編恋愛小説始まったよ。良かったら読んでねぇ〜」
慎「クォラァ!」
虎「ガァァァァァ!」
作者・慎「ギャァァァァァァァァァァァァ!」
マジで生きてたら来年会おうぜ、約束だ!by慎