表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/12

五話目♪ランラン乱舞〜

慎―シャラハァァァァァァァァァァ!!ひっさびさの慎だぜ!今回は悠さんに来てもらったぜ!

悠―初めまして。態々呼んで頂いて恐縮です

慎―あ・・・いえ、こちらこそ短い時間ですが宜しくお願いします

悠―あらあら、元気がないですよ?最初みたいな感じでいいんですよ?

慎―あ・・・いや・・・・・・その・・・・・・とっ!兎に角本編どうぞ

体育館は静寂に包まれていた


あちこちに飛び散る生暖かい血液、しかしそれらのモノは急速に冷え凝固していく


それらを入れていた器となるヒトと呼ばれる存在は既にヒトではなくモノとなって体育館中に転がっている



血と脂肪に塗り固められた刀を握る女性


時永龍御


「惨めだな佐我遊思。お前の玄武としての器はこの程度か」

飛び欠ける意識を繋ぎ合わせ閉じることも出来ない瞳で突きつけられた刀を見据える

滴り落ちる血に染まった脂が視界を紅く染める

「惨めな玄武。もう終りにしましょう」

全てが闇に飲み込まれた










「って何のっけから嘘の塊を放送してるんですか!いくら暇だからって態々録音してまで長々と語らないで下さい!しかもカセットテープで!」

「何馬鹿を言っている。最新の機械だぞ。見ろ、これ一つで録音以外に再生が出来るのだぞ」

心底当たり前の様に発言する龍御さん

すると肩を叩く人が

振り向くと乙我翁朱さんはちょっと哀れな生物を見るような悲しい目で

「ほら、龍御ちゃんの御師匠さん文明改革後退委員会とか訳分かんないの発足させたじゃん。それに龍御ちゃんって街とか一回も行ったことないから・・・・・・・ね」

遠い目で校長室の窓の外を見つめる

「翁朱さん、現実から逃げないで下さい」

「ほら龍御ちゃん、これあげる」

それは小さな携帯ゲーム機で画面の中では四方ブロックに囲まれたステージ。危険物の資格も待たない主人公(円が二つ重なった様な物体から手足が生えた生物)が爆弾(丸くて導火線付き)を設置して風船に顔を描いた様な可愛らしい生物(主人公は紙より脆く触れるだけではち切れる)や鶏擬を焼き殺してその区域を制覇するゲームだ

「最新のゲーム機だよ」

とんでもない嘘を平気で言っちまう翁朱さんを無視してみた

「おお!ゲームがこんなに小さくなったのか。しかも白黒の他に若干灰色と緑も混ざってる!」

心底嬉しそうにゲームを始めた龍御さん

ピポ〜ンと気の抜ける音と共に始まったゲームに悪戦苦闘する龍御さん

僕と翁朱さんは並んで校長室の窓の外を眺める

「翁朱さん・・・・・僕は余り表現豊かでは無いので言葉が出てきません。人格洗脳とか文化否定とかこれっぽっちも浮かびません」

「私もよ。昭和の生きた遺産とか旧式現代人とか全然思い浮かばないもん」

後ろでは相変わらず悪戦苦闘し続ける龍御さんだった

「このっ、こしゃくな。走れ白い丸!ああぁ!破裂してしまった」










体育館にて




二学年一同はもの凄いプレッシャーの中で耐え続けといた


何故なら実技演習が始まるのにゲームを離さない龍御さんから無理矢理翁朱さんが奪ったのでかなり御機嫌斜めなのだ

「そ、それではこれより実技演習を始めます」

司会の女の子は言い終わるなりダッシュで人混みに消えた


チラッと心を見てみたがマジで震えていた

仕方ないので龍御さんだけに聞こえるように小声で

「これが終ったら新しいゲーム買ってあげますから機嫌治して下さい」

「本当か!?」

「はい。キノコを食べると大きくなる特異体質の髭オヤジが大地を駆け回るゲームで攻撃が踏むと焼き殺すの二種類に増えた最新ゲームです」

神様ごめんなさい。僕は世間を知らなすぎる21歳のお姉さんに大きな嘘をついてしまいました

「本当か!?攻撃が二種類にもなったのか!よし、さっさと終らせよう」

満面の笑みは僕のピュアハートにワルサーP38の鉛弾を零距離で放った並の痛さだった

「ふむ。それでは早速授業と行くか」

先程の殺気に近いプレッシャーが無くなりホッと胸を撫で下ろす二学年一同

「よしよし、それじゃ〜簡単に基礎知識から」

翁朱さんは移動式の黒板に『攻』『守』『特』と書く

「二学年にもなれば解ると思うけど私達のローレスはこの三つのどれかに該当するの。隣の龍御ちゃんは『攻』。私と佐我君は『守』」

「そしてホデリ日本支部代表の悠様と四聖獣白虎の丕蔵技殿が『特』に部類されている」

「他にも攻守を持ったローレスや攻と特。守と特みたいな感じのローレスも確認されてるの」

大半の生徒がへ〜とかほ〜とか言ってる。実際僕もそこまでは知らなかった。攻守のローレス。恐らく僕の黒翼はそこに部類されるだろう

「ついでに補足するけど純粋に攻一点とか守一点とかはほとんど存在しないの。大概大小二つの力を持ってるのよ」

翁朱さんは黒板の字をキョキュ〜と消してサイコロを転がす

「え〜っと・・・・D組の32番さ〜ん」

皆の視線はD組の32番一点に注がれる

「ほう、心か・・・・久方振りだな」

「お久し振りです師匠!御元気そうで」

ガチガチになりながら頭を下げる心に笑いながら近付く龍御さん

「相変わらず堅苦しい挨拶だな。もっと気楽にしたらどうだ?」

「いえ・・・・まあお久しぶりです龍御さん」

「師匠に敬語を使わんとはいい度胸だ。よし、今すぐ成敗してくれる」

うわっ、超理不尽!

心は直ぐ様クラスの中から飛び出し龍御さんとの距離をとる

しかし龍御さんのローレス、【縮空】(しゅくう)には関係の無い事だ

己が相手の気配を察する事が出来れば距離、障害物を無視して攻撃が出来る。簡単に言えば鉄でもチーズみたいに斬れる超ロングな刀を振り回してると考えてもらえば簡単だろう。もっともその肯定内に有る障害物は無傷で相手のみ斬る最悪に部類するローレスである

元々の剣技の素質にこの力を持った龍御さんは歩く凶器そのものだ

心もひたすら避けたり弾いたりしながら近付いてはいるが無駄だろう。何故なら四聖獣クラスやその下、『八又』の人間は力を完璧に扱える。そして今の龍御さんは段階1の力しか解放していない

「心、少しは修練の成果が出たらしいな」

ぶつかり合う金属音に乗せ語り続ける龍御さんは焦点の定まらぬ目で斬激を繰り出す(段階1の代償は一時的に視覚を失う)

「くっ・・・・、速すぎる。しかし!」

ギリギリで避けた心は身を低くし一気に間合いを詰める

「ほう、避けたみたいだな・・・ん!」

耳に微かに聴こえた空を切る音。心は避けると同時に鞘を投げていた

龍御は体を少し反らし鞘を避ける

しかし心はその一瞬を見逃さず下段から振り上げる

「参る!」

刀が龍御さんの衣服に触れ、そのまま吸い込まれるように皮膚に食い込む



「合格だ」

筈だった

しかし気付いた時には10m近く離れた体育館の壁に寄りかかる様に心が倒れていた

肩、脇、膝、腕等あらゆる場所の衣服が千切れ、心は気を失っている

誰もが今の状態を理解出来ていない。ただ唖然としていた

いつ見ても恐ろしい

龍御さんの段階2の力『縮時』(しゅくじ)

攻撃をする場合必ず発生する時間。それすらも越えて相手に攻撃をする力。代償にしばらくの間視覚、聴覚を失うのだ

「あらら、心ちゃん大丈夫かな?」

駆け寄った翁朱さんは大きいタオルを取りだし心に被せる。そして近くにいた女子生徒に保険室へ連れてくよう指示を出す


龍御さんはと言うと目と耳が使えないのでさっきから僕の背中にしがみ付いている。いや、離れてほしい様なほしくないような・・・・・柔らかい感触が背中に・・・・・

すると手を叩きながら翁朱さんがこちらに歩いてくる

「はいは〜い。これから皆には三チームに分かれてもらうから。攻は龍御ちゃん、特は私、守はゆうちゃんの所に並んでね〜。質問はある?」

すると一人の生徒が手を上げる

「なんで佐我がそこに立ってるんですか?」

「うん。ゆうちゃんは四聖獣の玄武だからよ」・・・・・・・・ん?

『・・・・・え?』

「・・・・・あ」

・・

・・・

・・・・


『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!』

「コォォノォォ・・・カマ野郎ォォォォォォォォ!!!!!!」

「あぁぁぁぁ!ゴメンゆうちゃ〜〜ん!」

「許さんよ!久しぶりにひっぱたくよ全力で!【陽炎】使うの禁止だからね!素直に懺悔してよカマ野郎!」

「ごめんゆうちゃん!ついうっかり口が滑って・・・・・てへ♪」

「キモイんじゃァァァァァァァァァ!」

全力疾走の鬼ごっこで体育館中走り回る大人気ない二人、そしてザワザワとあれこれ勝手な推測をする二学年

龍御さんは視覚、聴覚共に回復したのでさっきからにこやかに眺めている




その時一人の女子生徒がある疑問に気付いてしまった

「ねえ、カマ野郎って・・・・・・もしかして翁朱さんって男?」

「えぇ!翁朱さんってオカマなの!」




急に立ち止まる翁朱さん、そして異常なオーラが体中から溢れてくる・・・・・まさか!


「お・・・・おうしゅ―――」

しかし言い終わる前に翁朱さんは消え、女子生徒の短い悲鳴が聴こえた




「ねえ・・・・私がなんだって?」

「ひっ!」

ガタガタと震えながら身を寄せ合う二人の女子、しかし翁朱さんの眼には情け容赦の文字はこれっぽっちも見当たらない

「もう一回言ってみてよ・・・私がなんだって?私が実はなんだって?」







これから始まるのは学園史上最初のハルマゲドンである


語り手―佐我遊思



次回、『ハルマゲドンの恐怖』に続く
















続く!!

慎―・・・・・・・・・・・・(押し黙る)

悠―・・・・・・・・・・・・(ニコニコ)

慎―あの・・・・

悠―なんです慎さん?

慎―いや・・・・何と言うか・・・・どうでしたかここに来て?

悠―とても楽しませてもらいましたよ。本当にありがとうございます

慎―あぁ!頭をあげてくださいよ!そんな腰低くしなくていいです!もっと強く来ていいですから、そんな敬語使わなくていいですから!

悠―でも、御呼ばれして頂いた身ですしそんな失礼な事出来ませんもの



くっ、前の連中が強すぎてギャップに耐えれない!次回は精神崩壊してるかも・・・・生きてたらまた会おう!

by慎!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ