九話目⇔ラブラブランデブー
慎「いよっしゃぁぁぁ!皆オヒサ!慎だぜぇ!」
天津「はじめまして。天津アキラです」
慎「誰!この人誰!スタッフ、迷子かなんか?」
天「失礼な。ちゃんと出てますよ」
慎「何処に?」
天「九話目の最後に」
慎「今からじゃねーか」
天「それじゃぁ本編すたぁーと」
慎「仕事取んなゴラ!」
夢実心は乙女である
休日袴姿で早朝素振り500回。その後、夢実家代々の型『烈翔の構え』からの素振り500回
シャワーを浴びて一時間の瞑想の後漸く朝食。健康第一思考のバランスの良い朝御飯をしっかり噛んで済ませる
そして食後の茶を飲み一息ついて今日は何をしようか・・・・
そんな風に休日の一日が始まる夢実心はれっきとした乙女である
乙女である
そんな夢実心は脱衣所で乙女史上最大の危機に直面していた
「落ち着け・・・・落ち着くんだ私・・・・・・・にへぇ」
近所の年下から同年代の女子に絶大な人気(R指定も含む)を誇る心は想い人である遊思にすら見せた事の無い緩みきった幸せ絶頂の表情を晒していた
全裸で
脱衣所なのだから当たり前と言えば当たり前なのだが・・・・・
「・・・・・・遊思とデート・・・・にへぇ」
間違いなく今の夢実心は変態であろう
手早くシャワーを浴びて部屋に戻った心は勢いよくタンスを開け放った
今日は真剣勝負。一瞬の隙もミスも許されない。何故なら初デート
そこまで気合いが必要かと思う方、部活に学校生活を捧げてる人、若しくは一人で居るのが好きな人が急に好きな異性と初デート。なんて事になった場合確実にこうなる。そして確実に自爆して苦い思い出が残るものである。あなたの近くに一人は居たでしょう
「下着・・・・これがいいのか?いや、もしかしたらこっちか」
綺麗に並べられた下着を正座で一着一着慎重に吟味する彼女はやはり全裸
彼女の為にも一言弁明しよう。彼女は決して痴女では無い
「ここはやはりいつも通り白で・・・いや、ここはあえて意外性を見せるために赤か・・・・・」
着てみては鏡の前で馴れないせくしーぽーず
クラスの男子が固まって読んでいた週刊誌をチラッと見た時の姿を真似てみたが大変ぎこちない
想像を助けるために例を出すと、貴方の理想の姉御、若しくはお姉様の高校生時代を想像し、馴れない初デートで鏡の前を行ったり来たり、たまにポーズをしてみる。といった感じである。無論家を出るのは約束の2時間前
さあ漸く服装が決ったようです。大きく深呼吸して時計を確認
やはり2時間前
今日は遊思君との確約があるので美樹ちゃんはご遠慮して頂いたみたいです。居間で正座してひたすら時間を待ちます
待ちます
待てません
いざ出陣と立ち上がるとタイミング悪くお母さんの璃小さんが眠たげな目を擦りながらやって来た
「ああ・・・・おわようココちゃん」
「母か。今から出掛けてくる。夜食は済ませて来るから父と食べてくれ」
さっきまでのにへぇ顔を微塵も感じさせない身の代わり様はある意味匠の域に達しようとしていた
「そなの・・・・いってらっしゃ〜い」
「ああ。行ってくる」
「お母さんが買った新しい下着つけた?」
「なななな何を言ってるか母!アレを身に付けろと言うのか!」
「ええぇ〜。男ならいちげきひっさつなのにい」
「無理に決まっているだろうが!紐は駄目だ!」
近くにあった箱ティッシュで母親の頭を殴り逃げる様に家を飛び出した心ちゃん。中では『反抗期だぁぁ!ケンさぁぁぁぁん』と泣き付く母親の声が響いた
早朝6時、ご近所さんが起きるにはちょっと早すぎる一日の始まりである
さてさて少し時間を遡ってみよう。とある一軒家。古風で中々広い敷地のあるお宅の様で、厨房からはリズミカルな音が聞こえます。覗いてみましょう
包丁片手にお鍋を見るのは校内随一のモテ野郎こと遊思君です。周りから殺意や呪詛をぶつけられても文句の欠片も言えない立場です
遊思君は意外に万能です。料理も出来ますしお部屋の掃除、洗濯、ご近所付き合いもそつなくこなす彼は、お昼のお弁当作りに余念がありません
本当なら心ちゃんが『わ、私がお昼をつつ作ろう』等と裏返った声で話していたのですが心ちゃんは下着選びに全力を注いでいるので完全に忘れています。知ってか知らずか遊思君はせっせとお弁当箱に詰めています
「ふぅ。心の事だから舞い上がって忘れてるだろうしな」
大変気が利きますね。男性の皆さん。ここはテストに出ます。要メモです
さてさてお弁当も完成し、時間を確認。
余裕です。余裕過ぎて軽く二度寝が可能な程余裕です。ですが遊思君、さっさと鞄にお弁当をしまうとイソイソと玄関に向かいます。遊思君の中では心ちゃん2時間前出発は予測の範囲の様です
「あら、遊思さんお出掛けですか?」
音もなく現れたのは悠さんです。相変わらず普段着で着物姿なのですが一切違和感を感じさせない貫禄があります。伊達に数百年生きてませんね
「お早いお出掛けですね。お帰りはいつ頃になりますか?」
「夜は済ませてきますんで源さんと食べてください。冷蔵庫に入れてますからチンしてください。悠さんは朱の皿ですよ」
「分かっていますよ。それでは気を付けて行ってらっしゃい」
「行ってきます」
午前5時。ご近所さんが起きるにはかなり早すぎるそんな一日の始まりである。我々も同行してみましょう
さて、デートの待ち合わせには早すぎるのではなかろうか。と疑問に思うような午前6:30
心ちゃんは周囲に人が居ないことに安堵しながら待ち合わせ場所へと向かっています。誰かに見られたら・・・・・等と考えたら自然と足が早くなり、何故か電信柱の影や建物の影に身を隠しながら進んでいきます。大丈夫。ひとっこ一人見当たりませんし例え誰かが貴女を見てたとしても決して声は掛けないし貴女が夢実心だと気付く人は皆無です。保証します
さて、ちょっと先に見えるのは、待ち合わせ等によく使われている噴水のある公園。カップル達の待ち合わせには打ってつけです
木から木へ俊敏に移動する心ちゃんはふと立ち止まりました
待ち合わせよりかなり前に来た筈が既に先客がいらした様です。言わずと知れた遊思君です。心ちゃんは慌てて隠れると身なりを整え始めました
さあ皆で指差し呼称です
「体調良し。思考良し。服装良し。全部良し」
オールグリーンみたいです。深呼吸してさりげなく、今来ました風を装って向かいます。しつこい様ですがお爺ちゃんがヨレヨレとランニングを始めるような早朝です
「ゆゆゆ、ゆうし!おひゃっ、おはよう!」
裏返った上に噛みました。もうグダグダです
「あ、おはよう・・・・・・え?心?」
「それ意外に何がある!私は私だぞ」
「いや・・・・その・・・・・え?」
敢えて私も触れませんでしたが彼女の服装にご注目。下から順に
心ちゃんにしては可愛らしい靴。○です
スラリとした美脚線が際立つGパン。何も問題ありません
夏間近の癖にやたら厚いパーカー。おや?
やたらでかいサングラス。徐々にベクトルが変な方に曲がってます
麦わら帽子。アウトです
「ごめん。そんな服装だと一緒に歩くのはちょっと・・・・ね」
私も激しく同意です
それなりに衝撃を受けたらしく、変なポーズで固まる心ちゃん。その隙に麦わら帽子とサングラスを回収。バックに隠しパーカーは腰に巻いておきましょう。ええ、大分良くなりました
「あの、そのな・・・・焦っていてついだな」
「いいよ。僕も心の新しい一面見れて嬉しいから。可愛い所あるじゃん」
キラースマイル炸裂です。ボフンなんて音がしそうな程真っ赤になった心ちゃんは取り敢えず手短にある石で殴りかかります。一歩間違えば血の噴水の出来上がりです
「うわぁ!いきなり何するんだよ!」
「かかか可愛いとか急に言うな!びっくりするだろうが!」
華の女子高生はびっくりしたら撲殺を企てるそうです。男子の皆さん要注意ですよ
「はぁ、はぁ、はぁ、遊思、すまん・・・その・・・・・な」
「いいよもう馴れたし。ほら何処かで時間潰そ。僕朝御飯まだだからさ」砕けた石を滑らかにスルーしながら二人のデートが幕を開けた
さて、近場のファーストフードでたわいもない会話に華を咲かせる二人。片や大和撫子・流れる黒髪が色気漂う心ちゃん
片や白髪鬼・キラースマイルと優しさの塊遊思君
自然と周りからの注目もさることながら超お似合いカップルの様なオーラを醸し出しています。ええ、彼女いない不良には面白くありませんね
「おぅテメーら。朝からイチャついてんじゃねーよ。胸糞ワリー」
「つか君マジ可愛いね。俺等とどっかいかねー?なあ行こうぜ」
さて、貴方ならこの時なんと叫びますか?私は迷わず『衛生兵!衛生兵!』です
「・・・・失せろ。貴様等を相手にしてる程暇ではない」
心ちゃんは乙女モードから修羅モードに移行です。BONUS濃厚演出ですね
「あん?何ちょーしこいてんだコラ。女だからって容赦しねーぞ」
「・・・・ふっ!」
彼女にかかればメニュー表程度の薄さがあれば刃物と大差はありません。不良の着ていた服は細切れです。BONUS確定です
「もう一度言う。今すぐ失せろ」
既に不良達の姿は御座いません。メニュー表で空を一閃。クルクルと器用に回して所定の位置にストン。何処か手慣れた様に見えます
「はぁ、すまないな遊思。たまにああゆう輩に絡まれる時があってな」
「いいよ。心が行かなくても僕が出てたから」
彼の一定条件下での全身凶器は周知の事です。だからといってテーブルの裏面を引っ掻いてはいけません
「それじゃそろそろ行こうか。今から駅に向かえば丁度いいから」
「そうだな」
お二人は肩を並べて駅に向かいます。それでは我々は先回りと行きましょう。ワープです
「さ、まずはどれから乗る?ジェットコースター?」
「ゆ、遊思に任せる」
心ちゃんはあっちにフラフラこっちにフラフラ目線が泳いでます
時折メリーゴーランドで止まるのは黙認しましょう。触れてはいけません
某有名遊園地。アトラクションもいっぱい。マスコットキャラは敷地内の端と端辺りになると同時刻に二体は確認出来るでしょう。暇と人員がある場合お試し下さい
「さ、僕達の番だよ」
「よ、よし!かかってこい!細切れにしてやる!」
「ちょっ!心!どっからそのパイプ持ってきたの!」
警備さんに頭を下げながらパイプを返納
イソイソと乗り込みます。然り気無く、そう然り気無く右隣の遊思君の手に自分の手を重ねようと手をソワソワさせています。しかし無情にもガコンという機械音と共にジェットコースターは発進。機を逃した心ちゃんは渋々ベルトに手を掛けます。さあ、頂上は目前
「時に心。絶叫系って大丈夫なの?」
「・・・・・・」
残念。顔面蒼白です
ああ悲しきかな。もう斜めに傾いてます。合掌
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……………」
目尻に涙を浮かべ遊思君に支えられながら近くのベンチへと向かいます。心ちゃんは絶叫系は心底ダメなようです
「すまぬ・・・・遊思」
「いや僕も御免ね。しっかり聞いてなくて」
しかし心ちゃんはジェットコースター乗り場からベンチまでの距離を遊思君と密着してこれたので心臓バクバクの狂喜乱舞しています。タダでは起きませんね
「飲み物買ってくるけど何がいい?」
「すまぬな。炭酸以外なら何でもいいぞ」
「分かった。ちょっとまってて」
遊思君の後ろ姿を眺めながら先程の温もりを確かめる心ちゃん。好きな人とならもう一回位乗ってもいいかな等と考えながらイソイソとパンフレットを見ます
デート一週間前から綿密に計画されたマル秘パンフ。赤字でどの乗り物に乗るか書かれています。
ほぼ全て乗り物が隣の遊思君とある程度密着できるものばかりです。無論メリーゴーランドは外れてません
「お待たせ。オレンジとどメロンっちが良い?」
「オレンジでいいぞ」
二人でベンチに座り一息。目の前では調子に乗ったアヒルが女子高生の肩に手を回して記念写真。手慣れています
「どうする、ちょっと早いけどお昼にしようか?」
「お昼・・・はっ!す、すまぬ遊思、昼食のことなんだが・・・」
「はは。作ってきたよ。心の事だから舞い上がって忘れてると思ってさ」
「うう。すまぬ。下着選びに時間を掛けすぎて」
「え?下着?」
「ゆゆゆゆ遊思!忘れろ今の戯れ言は忘れろ!」
「え?ああ分かったけど・・・・・紐?」
「バカモノ!そんな破廉恥なもの身に付けるか!黒だ!」
墓穴を掘った心ちゃん
「あぁはいはい忘れるから忘れるから泣きそうにならないの」
「ち、違うぞ。違うぞ」
入学当初から築き上げてきた大和撫子・サムライガールとしての人格が音を立てて崩れ去りました
ちょっとした原っぱに、可愛らしいシートと手の込んだお弁当。タコさんウインナーとリンゴのウサギさんは当たり前。味も悠さんのお墨付きです
「さ、どうぞ召し上がれ。舌に合うといいけど」
「うむ。い、頂きます」
手始めにタコさん。細かな細工が施され食べるのも勿体無いのですが舞い上がってる心ちゃんは躊躇なく食べます。思わずにへぇ顔になりそうでしたがそこは心ちゃん最後の要が抑えます
遊思君はにこやかに微笑みながらお握りを頬張ります。具は鮭ですね
和やかな雰囲気です。空は快晴。風は心地よい。周囲には人影も無く正にラブフィールド全開です
ATフィールドと同強度ですので注意しましょう
「あれ?ここ何処ですか?姉さーん」
心ちゃん固まりました。聞き覚えありますね?ええそうです。佐々木先生より迷子率が高い子は一人しかいません
「あれ?もしかして先輩?やっぱり先輩だ!」
ぱたぱた駆け付けて来たのはご存知泣き虫後輩の桐下理沙ちゃんです
心ちゃんは面白くありません。二人っきりのスウィートタイムを邪魔されているのです
「ひぃ!夢実先輩!こ、怖いです」
遊思君の背中に回り込み怯える理沙ちゃん。心ちゃんの殺気は周囲でうねりを上げます
遊思君も馬鹿ではありません。原因が分かっている以上対策は一つ
「理沙、あの時計塔を目指してひたすら直進すれば迷子センターの看板があるから」
「先輩・・・・その」
何が言いたいのか遊思君は既に察しています
「ゴメンね。今は心とデート?中だからそれは出来ないよ」
デートという言葉に幾分ショックを受けた様ですが美樹ちゃんより精神年齢がやや高い理沙ちゃんは素直に従います
「夢見先輩、お邪魔してすいませんでした!」
言い終わると同時に全速力で走り去った理沙ちゃん。遊思君の表情から理沙ちゃんに対する謝罪の念が見て取れます
「遊思、何故デートの後に疑問系が付いたんだ」
「いや、これデートなのかな?ってふと疑問に思って」
「それは勿論で、デートだとも」
デートの単語に赤面する心ちゃん。中学生か君は
その後邪魔する者も現れず、片方は恋人気分で有頂天になりながらアトラクションを乗り継いで行きます。絶叫系だって隣の遊思君パワーでへっちゃらです
「ゆ、遊思、これは流石にダメだ。許してくれ」
高さ40m近くある鉄の棒が二本。そして中央に固定された椅子に伸びるゴム。逆バンジーです
再び顔面蒼白の心ちゃん。いかんせん椅子には一人しか座れません
「た、頼む、後生だ」
「これ前回僕を惨殺しかけた罰ね。それじゃ係員さんお願いします」
「ゆ、遊思!すまぬ!アレは私が悪かった。誠意込めて謝罪するからゆるいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……………」
合掌
楽しい時間とはあっという間です。空は徐々に朱色に染まり始めました。この世の終わりみたいな顔で泣きながら解放された心ちゃんを言葉巧みに宥めながら最後の乗り物、観覧車へと向かいます
遊思君が鬼畜ではないかと思う方、是非御一報下さい。さて、一周20分のこの観覧車。バカップルなら確実に乗る事で定評で、夕日をバックにした景色を非常に鮮明に見ることが出来ます
「ゴメンゴメン。少しやりすぎたよ」
「・・・・・許さん」
右頬がぷっくり腫れた遊思君。彼女の渾身の一撃の威力を物語っています
取り敢えず遊思君は心ちゃんの頭をなでなで。心ちゃんはそっぽ向いたままされるがままです
続いて頭の上の手を頬をなぞるように下げる遊思君。ややエロスです。心ちゃんはピクッと反応するも理性総動員でそっぽ向きます
目の前でこんな事をされたら殺意すら生温い感情が沸き立つ事必至です
「ココちゃんごめん」
「ししっし知らん!」
理性軍劣性です。すると遊思君わざとらしい溜め息をはいて心ちゃんと正反対の方を向きます
「あーあ。心に嫌われちゃった。あーあ」
わざとらしいです。殺意が芽生えそうです
しかし心ちゃんは気が気ではありません。焦ってます。滅茶苦茶焦ってます。焦り過ぎて何を喋っていいか分からず口をパクパクさせています
「あ・・・・いや・・・・・・そのだ・・・・・・その」
「嫌い?」
「そんな訳無いだろ!」
言った途端遊思君はにっこり笑い、心ちゃんは完熟トマトに早変わり。直ぐ様言い訳を考えた様子ですが結局恥ずかしそうに俯いてしまいました
遊思君は笑ったまま再び心ちゃんの頭に手を乗せます
「冗談だよ。僕は心を嫌いになんてならないよ」
「・・・・・本当か?」
「勿論」
漸く恥ずかしがりながら微笑む心ちゃん。観覧車は頂上に差し掛かっていました
さて、観覧車を降りた二人は近くのレストランでディナーを満喫し、帰路に着きます。すっかりご満悦の心ちゃんは然り気無く遊思君と手を繋いでいたりします
心ちゃんの頭の中でミッションコンプリートのファンファーレが鳴り響く中、とうとう夢実家に到着。デートの終りが迫っています
「ゆ、遊思。今日は色々と楽しかった。ありがとう」
「こちらこそ。可愛い心が見れて良かったよ」
「か、可愛いとか言うな!恥ずかしい」
家の前で笑う二人。とても良い雰囲気です。心ちゃんの頭の中では淡い期待が渦巻いています
こんな雰囲気で最後に求めるのはやはりアレなのでしょう
「ゆ、遊思・・・・・・そ、そのだな・・・・お・・お願いが・・・・あるのだが」
途切れ途切れつっかえながら赤面で話す心ちゃん
遊思君は笑顔のまま首を傾げます
「その・・・・き・・・・キ・・・キ・・・!」
身体は大人、ハートは中学生以下の心ちゃん、キの次が言えません。さ行の三番目なのに言えません。今時の小学生高学年でも言えるのではないだろうか
「・・・・っ!・・・・すまん。なんでもない」
心ちゃん本気で落胆して泣く泣く諦めました。もっと大人になってから出直しですね
遊思君は何が言いたかったのか分かってる様に微笑み心ちゃんに近付きます。近いです。後数cmでちゅうです
「自分の口からキスって言えるまでお預けだね」
おでことおでこがこっつんこ。遊思君は息のかかる程超近距離で微笑み離れます
「それじゃ心。今日は楽しかったよ」
手を振って帰路に着いた遊思君。心ちゃんはぽけーと佇んでいました。一時間近く
その後戸締まりに来た心ちゃんのお父さん、ケンさんに無事発見され漸く自宅へと辿り着いた
その後三日間生死の境をさ迷うような知恵熱を出した心ちゃん。
うわ言の様に『おでこ・・・おでこ』と呟き時折にへぇっと笑っていたと、後日証言台に立たされた専業主夫賢実は証言している。そして被告人として起訴された遊思君は自分は無実であると容疑を否認。やり過ぎた面も無いとは言えないが心を少しでも大人にしようという配慮であり、決して下心は無いと証言している
しかし原告側の夢見璃小は心の心情をある程度把握していたにも関わらず、行き過ぎた行為は故意であり、責任を取るべきと主張している
裁判官は夢実心、世羅美樹及び桐下理沙等複数の女生徒との関係を持ちやがってコンチキショウ地獄に墜ちろ等の内面を隠し満場一致で有罪を判決
『美樹百連撃の刑』を言い渡した。後日刑の執行。佐我遊思(17)は保健室緊急治療室に搬送。未だ生死の境をさ迷っている
記録[二学年裁判員書記長、夢実心近衛兵団長天津アキラ]
※内容は、佐我遊思の証言及び桐下理沙、夢実夫妻、不良二名。某遊園地係員、売店の店員、敷地内での独り身の男性十数名の証言により忠実に再現されたものである
慎「最後にって本当に最後だったな」
天「頭にくるよ本当。次出してくれるんでしょうね?」
慎「いや、俺に言われても。作者に交渉して」
天「あー本当ムカつく。爆発するぞ」
慎「え?爆発?ちょっ!なんかスタジオ震えてない?なんかアキラさん光出したんだけど!ローレス!ここで卍○とかすんの!やめっ!やめれ!」
天「さーん!にー!」
慎「マジ生きてたら会おうな!byまことぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」