No.20 自己紹介・上
「・・・皆様。まずは、自己紹介の方から進めていきましょう。」
そう沈黙を破ったのは、日和だった。
「それとも、もうお済みになっているのでしょうか?」
そう言って日和は眉を困らせ、苦い顔をした。
それに慌ててはじめが否定する。
すると彼は先ほどの顔からパッと華やかな笑顔を見せた。
「では、言いだしたのも私でしたので、私から始めさせていただきます。」
そう言って彼は自分の胸元に手をやり、自己紹介を始めた。
「私は藤 日和と申します。誕生日は5月9日、今年で十四歳になりました。桐星学院中等学部の第二学年に所属しています。晴さんの推薦により参加させていただく次第です。これからよろしくお願い申し上げます。」
流れるような話し方に、その頭を下げる所作は十四歳とは思えないほどに丁寧なものだった。
彼方の一つ下で、学年で言えば二つほど離れているというのに、訓練されているような慣れた動作に、関心よりも不気味さが際立つ。
周りに合わせて、彼方は一拍遅れながらも拍手をした。
疎らな拍手が止むと、次は日和の隣に座っている蓮が名乗りを上げた。
流れとしては、座っている順に時計回りでいくらしい。
彼は意気揚々と立ち上がり、彼の幼い見た目らしく、元気に始めた。
「同じく!桐星学院中等部の二年生、旗本 蓮です!誕生日は7月18日で、ちょうど一週間前に十四歳になりました!晴さんに連れてきてもらっています。仲良くしてください!」
そう元気にお辞儀すると、さっきよりも自然に拍手が起こった。
十四歳より若干幼く見えるものの、人前で話すことに慣れているのがよくわかるものだった。
時計回りで行くなら、次は光の番である。
光は他の人からの視線を受けて、肩をすくめながら恐る恐る立ち上がった。
「えっと、あの、その。えぇっと、白雪学園高校の二年生の、寿 光です。あ、十六歳です。2月26日が誕生日です。陽太さんの推薦で来ました。その、よろしくお願いします。」
そう言いながら段々縮こまっていくように席に着いた。
真が何か嬉しそうに口を開いたのを色が制止するのが視界の端に入る。
それをなんとなく見ていると、白夜に優しく肩を叩かれた。
それで次は自分の番だったと思い出す。
今までの人たちが立って話していたため、なんとなく立ち上がった。
「笹原彼方。白雪学園高校の一年生。誕生日は12月21日で十五歳。海斗さんの推薦です。よろしくお願いします。」
そう言って軽く礼をした。
なるべく全員と目を合わせようとしたのだが、色は目をそらしていたために、目が合わなかった。
その反応に、今度目が隠せないくらいまで顔を近づけてみようかと彼方の中でちょっとしたいたずら心が芽生えた。




