No.18 上層部の人
「まずは上層部の自己紹介から。自分はもうやったし、海斗からね。」
「何を言えばいい?」
「うーん。名前と、誰直属の上司か?あとは言いたいことがあれば。」
そう言われて、海斗は悩むことなく口を開いた。
「赤羽海斗。彼方の上司だ。以上。」
その短い挨拶に、他の人たちが強張っているのが一気に伝わってくる。
彼方は呆れ半分な気持ちだった。
口下手ではないのだか、人前や初対面の人相手だと、海斗はどうもこうなる。
筋骨隆々で背が高く、眼力が強ければ、声の音圧もある。
おまけに頬に刺青がはいっていると来たものだから、緊張するのも当然だ。
普段は面倒見が良くて、料理の上手い、いいお兄さんなのだが。
海斗のせいで張り詰めた空気に、凛斗は深くため息を吐きながら海斗を見た後、パっと笑顔を作って話し始めた。
「えーっと。神楽凛斗。真の上司です。気軽に声かけてね。よろしく。」
そう凛斗が優しく言ったことで、先ほどの緊張した空気が和らいだように感じた。
次に金髪の人が話し始める。
「三國陽太だ。光とはじめの上司。銃の扱いなら任せてくれ。」
そう優しく微笑みながら言った。
そして次はお前だというように長髪の人に目配せをする。
長髪の人は何やら少し悩んでから口を開いた。
「・・・樋浦 晴。日和と蓮を連れてきた。どうぞよろしく。」
そう言って金属の手をひらひらと振った。
晴という澄んだ名前に、綺麗な髪がよく似合っている。
桃色の少年は先ほども呼ばれていたが、この人が蓮という名前らしい。
そして、先ほどまで寝ていた朱色の目の少年が日和というのだろう。
最後に、水色の人と一緒に来た、無表情の浅葱色の目をした人が話した。
「菊池 彗。色の上司だよ。上層部の最年少。よろしくね。」
そう言ってピースをした。
水色の人、おそらく色という人にも先ほどいたずらをしていた。
無表情で感情の起伏がない声の割には、だいぶお茶目な様子。
海斗の時にできた強張った空気はだいぶ空気は和らいだようだった。
「これで上層部の自己紹介はおわり。まず上司はこの六人を覚えてればいいよ。中層部もいるんだけど、会い次第教えてもらって。」
そう言って風花はホワイトボードの傍に置いてあったペンを持つ。
新品のように見えるそのペンは、ポンっと軽快な音を立てて蓋が開けられた。
「仕事とか構成のこととか。粗方のことはもう話してあるから、次は今後の流れについて説明していくよ。」
そう言って風花はざっとホワイトボードに図を書き始めた。




