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アウイナイトが神を討つ  作者: 雨露希狼
第二章 初層部
15/20

No.15 蛍の兄

真と水色の人が親しげに話しているのをただ黙って聞いていると、黒髪の人が眼鏡の人の後ろに隠れたまま、何やら彼方の方をじっと見ていた。


「どうしました?」


そう声を掛けると、彼はびっくりしたように肩を震わせた。

できるだけ優しく声を掛けたつもりだったのだが、大した効果はなかったようだ。

黒髪の人は、少し目を泳がせた後、その小さな口を開いた。


「あ、あの・・・。もしかして、笹原彼方くん・・・ですか?」

「はい。彼方です。」


おずおずと聞いた彼にそう返すと、彼の表情がパッと明るくなった。

そしてそっと眼鏡の人の後ろから出てきて、嬉しそうに彼方に話しかけ始めた。


「その、蛍って友達いますよね?」

「はい。幼馴染です。」

「・・・よかったぁ。自分、寿(ことぶき)(ひかる)って名前で。その、蛍の、兄、です。」


後半になるにつれて、自信なさげに段々と声が小さくなっていく。

そして彼は最後に小さく、ごめんなさいと付け加えた。


彼方は、蛍の顔を思い浮かべながら光を見る。

どこか面影はあるが、言われてようやく気が付くほど。

蛍の自信満々な性格も相まって、あまり似ていないなと感じた。

ただ、光の目。

その真っ赤な目は、蛍と光、似ているどころかまるでそっくりであった。


「その、蛍がお世話になっています。」

「こちらこそ。」


そう言えば、兄も予定が空いていないと、文句を言っていたのを思い出した。

まさかこんな巡り合わせなるとはと思っていると、水色の人と話していた真が不思議そうに話しかけてきた。


「知り合い?」

「いや、知り合いのお兄ちゃん。」

「そーなの?よろしく!俺、神楽真。真でいーよ!」


そう言って真が手を差し出すと、光はびっくりしてまた眼鏡の人の後ろに隠れてしまった。

首を傾げた真に、眼鏡の人は苦笑いをして光をかばうように話した。


「ごめんね。光くん、人見知りなんだ。」

「ふーん。そっか。俺、仲良くできると思うんだけどなぁ。」

「まぁ、光くんのペースがあるから。」


そう真をなだめながら、眼鏡の人は自己紹介を始めた。


「えーっと、僕は月崎(つきさき)はじめ。光くんと一緒に来ました。よろしくね。」


手を差し出したはじめに対して、真はいかにも不機嫌そうな声を漏らして、仕方ないとでもいうようにその手を取った。

どうやら、光との話ができなかったことにご不満らしい。

はじめはその様子に苦笑いをしつつ、彼方の斜め後ろにいた白夜を見た。

白夜はそれに気が付き、ただ一言。


「・・・華見白夜。」


とだけ言った。

それ以外は喋らないという彼の態度に、はじめは再度苦笑いをすることになった。

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