No.11 友達になろう
「なにやってんだ!?」
「いっでぇ!」
そう情けない声を上げた真は、殴られたところを手で押さえながら、ふらふらと彼方から離れる。
そして、真を殴ったその人は彼方に深く頭を下げた。
「ごめん。びっくりしたでしょ?マジで、ほんとごめん。こいつ常識知らなくて。」
そう言って凛斗は、真の頭を鷲掴んで強制的に下げさせた。
「大丈夫ですよ。」
抱き着かれたこともにも驚いたが、それよりあんなに容赦なく殴るとは。
ある意味関心していると、それを知らずにその人は安心したように息を吐いた。
「よかったぁ。えーっと。笹原くん。・・・だよね?」
「はい。笹原 彼方。彼方で構いません。」
「彼方ね。俺は神楽 凛斗。上層部だよ。」
そう言った凛斗は次に真の肩を引き寄せて言った。
「で、こっちは神楽 真。こいつは初層部。彼方の同期になるやつね。」
言われて二人の顔を見比べる。
「兄弟ですか?」
「いや、従兄弟。苗字は一緒なんだけどさ。」
そう凛斗ははにかんで言った。
最初に似ていると感じたのは、どうやら間違いではなかったようだ。
納得していると、隣の海斗が何やらおかしいものを見たように笑っていた。
「なんだよ?」
そう若干睨みながら聞く凛斗に、海斗は指で目元を拭いながら返した。
「いやぁ。ほら、俺も最初同じこと聞いただろ?」
「そういやそうだったな。」
「そんでつい、な。わりぃ。」
「いいけどさぁ。」
「ところで、なんで急に抱き着いたりしたんだよ?俺の時はそうじゃなかっただろ?」
そう聞いた海斗に、真はまだ痛いらしい頭を押さえながら涙声で答えた。
「だって、仲良くできそうだと思ったんだよ。こいつとは合いそうだなって。」
その言葉に、彼方は面食らったような気になった。
それは、彼方も思っていたことだ。
「俺も。」
しれっとした顔で言った彼方に、真は痛みを忘れたのか、ハッと嬉しそうな驚いたような顔をした。
「じゃあ仲良くしよーぜ?」
「うん。」
「友達から?でいいよな。」
「いいんじゃない?」
そう言うと、真は大きくガッツポーズをした。
友達になるのに確認がいるのだろうか。
そう不思議に思いながらも、彼方は友達という言葉を噛み締めていた。
凛斗と海斗は何やら関心したような顔をして二人を見ていた。
「・・・若いね。」
「そうだな。」
「そんなに歳いってましたっけ?」
「心の問題だ。よかったな。数少ない友達ができて。」
「煩いです。」
そんな会話をしていると、引き戸の奥でドアが開く音がした。
何やら話す声が聞こえて、引き戸が開かれる。
入って来たのは風花だった。




