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第五話ーなんか真面目っスね

久々の投稿だよん。添削適当だよん。ブクマとコメントでの感想よろしくお願いします。

「18歳!?」


「え、17…?…え?」


勇者とスアンが衝撃の事実に驚嘆する。


「あっ、えーっと………お、お互いそういう時もあるっスよ!二人とも落ち着くっス!」


フィリアがワタワタしながら勇者とスアンを励ます。


「いや、俺もノアさ…ノアを大人の人と間違えたし、俺にも非はあるから。…別に…気にしてない…」



☆作者による唐突なスペック紹介のコーナー☆

〜みんなの身長と年齢一覧〜

【ノア〜178cm 年齢18歳】

【フィリア〜167cm 年齢18歳】

【シヴァン〜176cm 年齢18歳】

【スアン〜149cm ※靴底で2,3cm高く見えるぞ!

年齢17歳】


動揺と笑いが隠せない勇者は自分自身まだ混乱しているが、とりあえず何かを取り繕おうと言葉を絞り出す。


「あのースアン君、あっ、えーと、スアン?が良いよな。えー…」


失言をした上、恐縮した笑みをうかべる勇者に腹を立てたスアンが食ってかかる。


「こんの…!」


勇者がスアンの勢いにうろたえる。


「ごめんごめん、ちょ待てって!」


フィリアが二人の間に割って入る。


「わー!待つっス待つっス!とりあえず落ち着いてくださいっス!ここは宿屋っスから、ね?仲良くしましょうっス。」


フィリアがスアンの方を向きそう言うと、スアンの動きが止まる。


スアンを説得しているフィリアの後ろで勇者が平静を取り戻すうちに次第に部屋は静まった。


少ししてスアンがため息をつきながら勇者を睨みつけて言う。


「はぁー…もういじるなよなノア。」


スアンがふくれっ面で言い捨てる。


(こいつ態度でかいな…1個下のくせに)


現在地は宿。勇者、フィリア、スアンの三人が向かい合って床に座り込んでいた。今日勇者がフィリアと目覚めた宿泊部屋でさっきの事件が数十分しか経っていないのだがまた厄介に巻き込まれそうだ。


さりげなくフィリアに謝罪もしていない。


勇者は大きくため息をつく。


(またこんな感じだ…てかどうなってんだ?この世界、こんな展開"前"はなかったよな…?)


「ため息つくなっ!」


スアンが幼い声で怒鳴る。


「へいへい。」


「ノアさんダメっスよ、適当に流したら。ちゃんと聞いてあげなきゃ…」


「まぁ、そうだな。とりま何してたのかを聞…」


二人の会話を聞きながらスアンは文句を垂れる。


「だから、そのぉ…!なんていうかさぁ…!」


「どうしたんスか?」


聞き返してきたフィリアに向かって色んな感情が爆発したスアンはため息混じりに言う。


「あのぉ…!ガキみたいに扱うなよぉ〜…」


フィリアが慌てて謝る。


「あっ、ごめんなさいっス…そういうつもりじゃなかったんスけど…」


それを聞いて蚊の羽音のような声でスアンが呟く。


「そう…ならいいけどさ…」


ガチャッ


突然後ろのドアが空く。


「あーいたいた。なんか街の人たちが勇者サマがなんとかって言ってたぞ。」


声の主はシヴァンだった。勇者は立ち上がってシヴァンの方に近寄る。


「おー!シヴァン!久し…あっ。」


この世界に来てまだシヴァンと喋れてなかった勇者は思わず色々言いそうになってしまったが今はこの感情を抑えなければならない。


自分の失言に気づいた勇者は喉をグッと締めてなんとか堪える。


「ん?」


「いや…なんでもない、てかお前どうせ飯食ってたろ?」


自然な流れで素早く話をずらす。勇者は自分でも内心で感心するほど冷静だった。


壁に寄りかかり欠伸をしながらシヴァンが続ける。


「おう。ていうかなんだそのガキ。」


「「あっ。」」


勇者とフィリアが一瞬で同時に同じ未来を察知した。


「え?」


勇者が後ろを振り向くとこちらを頬を膨らませながらスアンが睨みつけていた。


「そういえばスアン君はなんで私に…あんなことをしたんスか?」


フィリアが話の方向を上手く切り替えてくれた。


「だから…そいつはだれ…ォぐっ」


「説明するから黙っとけ。」


言葉で黙らせるのを手間に感じた勇者はチョップをみぞおちに喰らわせ、シヴァンを強引に黙らせた。


勇者は今日あったことをしヴァンに端的に話した。


「ふーん、そんなことが…」


「あぁ、あれ…あれは、さ…」


何とも言えないといった感じのスアンはフィリアから目を逸らし、黙り込んでしまう。静寂が訪れた部屋で皆がスアンの方を見つめる。スアンは1度深く深呼吸をした後、少しして話し出した。


「あれは…正直感情が昂っただけで…あんたらに恨みや妬みがあるわけじゃなかったんだけど…今人間と魔物で領土を争ってる地域があって…[ニヒルム]って言うんだけどさ、その辺りに出兵してた軍隊のデブリーフィングが今日だったんだ。」


「出兵か…」


シヴァンが呟く。


「ノアさんに簡単に説明すると帰還報告の事っスね。内容としては任務の結果報告とか生存者報告…つまり昨日王宮の人間から直接親族の方々には息子や娘さんの生還報告がされているはずっス。」


シヴァンがそれに続けて言う。


「ニヒルムって言うと完全に魔物の領土じゃねぇか。なんでそんなことしてんだ国はよ。」


それを聞いてスアンは静かに少しだけ頷いた。


「妹は16歳なんだけど国から一目置かれるくらいの回復魔法の天才でさ、今回のニヒルム出兵に妹は軍医の魔法使いとしてニヒルムに行ったんだ。だから…昨日、報告があったんだ。」



ーーー昨日

自分でも何がしたいか分からないがさっきから自家であるものを探索している。どうにも落ち着かない。探し物は分からない。


好きな小説を読んでも全く頭に入ってこないし、意味もなく座ってみると動かずには居られず結局また何かを探してしまう。


不思議な感覚だった。頭が一つの想いでいっぱいで何も考えられない。今まではそれが待ち遠しくてしょうがなかったのに、来て欲しくなかったような感じ。記念日のようにカレンダーにシールを貼っていたのに心が踊って震えていると言うよりは身の毛もよだつような感覚だった。


何時間そうしていたのだろう。無限に感じるその時間の中で常にスアンはあの音を待っていた。


…コンコンコン

誰かが来たと分かった瞬間早足で玄関へ向かう。


「はい。」


扉を開けると自分よりも頭1つ分でかい男が立っていた。胸部には見るだけで腹が立つシンボルが装飾されている。

男は一言だけ


「デブリーフィングです。その場で開けてください。」


と言って封筒を差し出す。


片手でその封筒を受け取り、小さく会釈の要領で頭を下げるとすぐにドアを閉めた。


封筒は紐とボタンで丁寧に留められていたが無視して力で引き裂く。


「一つだけ、どのような結果になっても私たちに手を出すことは許されません。当前のこととわかっているでしょうが先に伝えさせていただきます。」


男はその様子を見ても微動だにせずこちらを見ながら話し続ける。機械的な人間なのか、それとも何か自分の考えが届かないとこで彼をそうさせるものがあるのか。


「このような注意を行わないが為に起きているのかは知りませんが」


封筒から1枚の折りたたまれた紙を取り出すとすぐに紙を開き、上から一字一句漏らさず読んでいく。


「毎回同じような被害を軍側の人間が受けているとの報告が絶えないので…」


ー優れた回復魔力は軍の戦力になると判断しました。


「どうかご理解の程をよろしくお願い致します。」


ーオイジュ・リヴを軍医として[カタスト-ルイン]の出兵に参加させることを決定しました。後ほどデブリーフィングをまたお送り致します。オイジュ・スアン様


読み終わるや否やスアンは男に向かって肉食獣の様に襲いかかった。


「がっ…」


瞬間、鮮血が飛び散った。口が開いたまま閉じない。後ろに3歩ほど後ずさる。


激痛と共に呼吸ができなくなり身体の力が上手く入らなくなり、膝が内側に折れ曲がる。少しの間何が起きたのかまったく分からなかったが喉に短剣を刺されたようだ。なんとか耐えているが今にも前のめりに倒れそうだ。


朦朧とした意識の中、衰退していく身体を動かしスアンは血眼になって短剣を抜こうとした。


だがしかし、喉に伸ばした手を男に掴まれ遠ざけられる。


「抜いた方が血が溢れ出して大事になりますよ。」


スアンは必死に身体全体で手を動かし男の手を振り払おうとした。


「あまり動かないでください。」


掠れた声で男を鋭く睨みつけて吐き捨てるように言う。


「クソ…野郎…がはっ。」


男は小さくため息を吐いた後に口を開いた。


「書かれている事柄は私の決定ではありません。上の人間が出した決定なのです。私達はこの国と民を守るという使命を背負いこの王宮に兵として仕え"させて"もらっています。私達は地位の高い人間の決定には決して抗えないのです。上の決めた選択が何か大きな間違いを孕んでいても、その決定が最終的に平和に繋がっているはずだと。納得するしかないのです。」


そう言うと男は短剣の柄を持ち勢いよく引き抜いた。


「仮に貴方は他の方が死んだとしても私に殴り掛かりますか?そんなことはしないはずです。医療のように、そして魔法のように、進化や成功には犠牲を払わなければいけないプロセスがあります。その行程での犠牲というのがたまたま貴方の親族だった、というだけ…っです。」


話終わると同時に赤黒く染まった短剣が引き抜かれる。


抜かれた勢いで膝から崩れ落ち前のめりに倒れこむ。地面に顔から落ちるギリギリのところでなんとか手を付く。


「安心してください。私達が国民を殺すことは決してありませんので。」


喘ぎながら喉元を触り確認すると傷は完全に治っていた。刺された激痛だけが残っていた。


「我々もやりたくてやっている訳ではなく、ただ国の為にできるだけ前向きに動いているのです。」


男はスアンに向けて手を伸ばすと、スアンの身体の周りが白く輝き始める。次第に足元に魔法陣が現れてスアン自身もその光に飲み込まれていく。転移魔法だ。


「待て…返…せ…」


色々な感情と感覚が混雑して意識朦朧の中で立ち上がろうと必死になったが力が入らず立てない。


「どうしても逢いたいなら実際に戦地に行くことです。自分もニヒルムでの彼女の活躍を実際に傍目で見ていました。生存率1割未満のルインでも彼女は生きられると思っていますよ。私は今回で軍を外されて国防軍に入ったので現地の状況は分かりませんがね。」


そう言い捨てて男は背中を向けた。


「…戦犯が。」


怒りに顔を歪ませながらも最後の力を振り絞って顔を上げ、汗だくの表情で男に言い放った。


すると去ろうとした男が止まり、背中を向けたままこう言う。


「行先は教会です。喉を刺された身体と精神の苦痛を司教に治してもらって下さい。」


男はそれだけ言うと再び去っていった。また立ち上がろうと試みたがそれと同時に身体が限界を迎えたのか視界が瞼でどんどん塞がっていく。前を見ることが出来ない。もはや滴る汗を見ることしか出来なかった。


それでも追いかけようとしたスアンは四つん這いの状態から肘の関節がガクッと折れ、その場に倒れ込んだところで意識を失った。

スアンは結局妹の生死を知ることはできなかったーーー



「教会でのことは…もう思い出したくはないな。ほとんど曖昧だし…しばらく植物人間みたいな感じで気が気じゃなかったから…それに…」


勇者は質問する。


「じゃあなんでお前はフィリアにあんなことをしたんだよ。もうその時点で冷静だったはずだろ。」


「多分…それは違うと思う。」


シヴァンが話を止める。


「俺ら…小さい頃から魔法を習ってるだろ?その中で回復魔法の知識と一緒に人体の構造とか機能についての知識が教授されるんだけど優れた回復魔法や僧侶の魔法でも実は精神的な痛みは癒せないんだ。スアンがどう受け取ったかは分からねぇけど冷静ではいれなかったんだと思う。」


「そう…か、ごめん。」


その時だった。唐突に一つの疑念が思考を貫いた。


(…ん?というか…そもそも…)


「いや、ノアは悪くないんだ。俺のが悪いし。」


勇者はこの会話の最初から何か不穏な空気を感じていた。


(なんだ…これ?)


勇者は黙り込んでしまう。申し訳ないからというのもあったが本来ならこんなことが起きるはずがないという違和感がどうしても拭えない。


(俺は一度…時が戻る前の世界で、既にこの先起こる全ての出来事を経験したはずなんだ。)


それはこの時間を戻した世界に対する不審感だった。


(そもそも前は"出兵すらなかったはず"なんだ。世界を及ぼすほどの大規模な変化がありえるのか…?少なくとも俺が関係する出来事には俺が知らなかったとか体験しなかったなんてないはずなんだ…よな?そもそもイリアムが言った"史実通りって言葉も曖昧だし…)


変化があるのもそうだが、覚えてる記憶だってある。それはこの街の喧騒と飾りが勇者一行によるものだからだ。


今ある情報で何か大きな問題を孕んでいそうなこの疑念を解決しようとしてみた。

勇者はこの問題と関係が深そうな情報の要点をざっくりとまとめて考えることにした。


・時間を戻すコストは魔力であり、足りないと元あった物

が変化,変形してしまい、時が戻った後、それが正しい

史実として時が進んでしまう。

・イリアムの発言「今のままだと魔力が足りなくてあなた

達がしてきた旅と少し違う道を辿ることになる」

・今の時間軸には変形,変化はないが所々で事実が異なる。


あまりにも少ない情報量、その上論理的な繋がりが無いものばかり。そんな中で勇者は一つの可能性に辿り着いた。


(魔力が足りなかったのか…?)


だがそんなわけがなかった。


(いや…この街には俺の知る限りではだけどそもそも"時を戻す前には存在せず時を戻した時には存在していたもの"がないんだ…史実には変化の余地どころかそのままの歴史を辿るはずじゃないか。)


思考を積み重ねていくがこれ以上先は、どうしても確信に辿り着く為の材料が足りない。


(考えても分からない…なら。)


「フィリア、地図持ってるか?」


フィリアはビクッと反応し、ズレた帽子を戻しながらポーチの中から地図を取り出した。


「はいっ?も、持ってるっスよ…」


勇者には前の旅の記憶がある。流石に世界の原型まで変わっていないはずだ。


(アーツアンドクラフツの先…リリカの近く…あった。)


「…スアン。」


皆誰も勇者の意図が理解できずに沈黙している中、勇者は口を開く。


「行こう。カタスト。」


「は!?」


「ど、どういうことッスか!?」


「俺は別に良いぜ。」


全員が一斉にリアクションを返す。


「いや、気持ちは分かるっスけどそんなあっさりと即決で行って良いんすか!?」


フィリアが心配する。


「ねぇ、スアン君も…」


フィリアが目を向けるとスアンは完全に思考停止していた。ボーッとして自分の世界に入り込んで何かを考え込んでいる様子だ。


「どうせそういう流れだろうしよ、行こうぜ。」


(のらりくらりしてるけど情に厚いしこの提案の俺の意図もしヴァンには分からない。俺も助けたいのは当然の事なんだけど…なんか申し訳ないことしたな。)


フィリアは勇者とシヴァンを心の底から信頼しているからどうせついて来てくれるだろうと思った勇者はスアンの反応を待った。


(どうやって行く気にさせるかな…)


悩んでいたらシヴァンがスアンに語りかけた。


「スアン…悩んでんのはわかる。死んでたら…とか今行ったところで遅いかもとか、自分には戦闘のセンスがないからまた何ヶ月か、何年か分からない軍の帰還を待った方がいいかもしれないってのも分かる。」


スアンはシヴァンの方を静かに見ていた。


「だけどな。喉にナイフ突き刺さろうが、なんだろうが妹取り返そうとしたんだ。どの国軍のやつより根性あるぜ。」


少し苦笑してスアンはこう返す。


「それは…確かに、それはそうかもな。ハハ…でもあいつは…『これっきりで絶対に帰ってくる』って…」


真剣な眼差しでシヴァンは食い気味に話す。


「酷かもしれねぇが、どれだけそいつを信じてても約束ってのは不規則な経験を積み重ねただけの本当は浅い言葉だ。」


スアンはギリッと歯を噛み締める。


「約束なんてするからそれが破られた瞬間全てが終わったなんて思っちまうんだよ。そして相手の事情なんて分かんなくても信頼してるからそんなわけないって思えるんだ。」


「………」


スアンは俯き、シヴァンの足元を見ながら震える拳を握っていた。


「こんなチャンスは他にないし、あとお前頭固ーんだよ、お前が正しいんだろ?死ぬ気で迎えにいくぞ。」


スアンは下を向いたまま小さく頷いた。


「ノアさん、スアン君も大丈夫みたいっスね。」


フィリアが嬉しそうに勇者に耳打ちをしてくる。


「そうだな。」


どうやら勇者一行について行くことを決めたようだ。


「じゃあ…はぁ……話も一段落ついたしさぁ。」


勇者は話が終わりそうな雰囲気を感じ取り、ドッと疲れに襲われる。大きく息を吐き、もう一度大きく吸い込む。


「なんスか?ノアさん。」


そして風船から空気が抜けていくかのように息を吐き出しながら提案する。


「飯行こうぜ〜。」


スアンとフィリアを発見したのが12時半くらい、宿に戻ったのが一時前くらい、そして今は2時。


飯屋の目の前でお預けをくらってから約1時間半も頭をフル回転させて会話したり考えたりしてたのだ。


(マジで腹減った…っていうのに)


しかもこれからもう一つだけ考えなければならないこともある。


「じゃあ、シヴァンは待っててくれ。フィリアと飯食ってくる。行こうぜ、フィリア。食えてないんでしょ?」


「お腹すいたから行くっスぅ〜〜。」


アイコンタクトを交わしてシヴァンとアイコンタクトで連携を取る。


「分かった、行ってきなよ。」


(来た!久々の2人きり!また『なんか真面目っスね』って言われないようにしなきゃ!)


「スアン君も来るっスか?」


フィリアが尋ねる。


「だから子供扱いすんなし…」


スアンはすっかり調子を取り戻していた。シヴァンと喋ってかなり気分が弛緩したようだ。


「えーどうしようかな。気分転換に行こうかな。あとさ、その…仲良くぅ…したいし?」


腰の当たりを掻きながらそう言う。


「じゃあこれからよろしくっス!私はフィリア・フォスターっス。」


「…よろしく。」


「さっきまで普通に喋ってたじゃないっスかぁ。ふふ。」


「うるさいなぁ…」


そんな微笑ましい会話が繰り広げられている中、勇者は鋭い目付きでスアンを睨んでいた。


(なんて余計なことすんだよ…こいつ…一体一のが謝りやすいのにマジで…本当に…!)


すると急にフィリアが勇者に尋ねる。


「ノアさんも良いっスよね?」


ポーカーフェイスで誤魔化してながら頷く。


「うん。良いよぉ。」


どうやって二人きりにしようかとシヴァンと勇者が悩んでいる時だった。


フィリアが無邪気な笑顔でこう言った。


「ノアさん二人きりだと緊張して真面目になるから丁度良かったかもしれないっスね!」


「え。」


「じゃあスアン君も行こ?」


「だからさぁ…あー…まず君付けぇ…やめてよ。」


そんな会話をしながら二人が部屋を出ていく。


「………」


立ち尽くしてる勇者を見てシヴァンが顔を逸らしながら爆笑している。


「ハーハハ!あー、もう早く行ってこいよな…ふふ…ちゃんと謝れよ…ふふ。」


「うん…がんばる。」


ふらふらとした足取りで部屋を出ていく。


外へ出ると相変わらず空は曇ったまんまで風が強かった。勇者はこの風に身を任せていっその事どこまでも飛んでいってしまいたかった。

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次も未定期。毎回読んでくださりありがとうございます。趣味なのでモチベ上がったら早いかも?(コメントやブクマなど)

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