戦場を征く

prologue 戦乱の世

───『鉄血の時代』と呼ばれる戦乱の時代があった。

九華と呼ばれる大陸の覇を争い、二百を越える国々が乱立し、百余年に渡って凄まじい戦争を繰り広げた時代。

二百を越える国々は度重なる戦争によって、続々と滅んでいき、気が付いた頃には僅か九ヵ国の強国のみが残った。

『閃(せん)』『蘭(らん)』『京(けい)』『梁(りょう)』『洛(らく)』『皇(こう)』『邪(じゃ)』『陽(よう)』そして『凛(りん)』

この九ヵ国の王は大陸の覇を狙い続けており、戦乱の世は未だ、終わる気配は無い。

この物語は『凛』の国に生を受けた少年が、戦乱に身を投じ、英雄と成っていく物語である。