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ざまぁを楽しむ彼の素描

作者: 五日北道

 

 彼がスマホで漫画を読んでいる。

 並ぶタイトルをチラッと見た感じ、ざまぁ展開のものがいくつかある。不当に冷遇されていた登場人物がじつは……とか、浮気やら不倫で苦しめられていた主人公がついに……とか。

 たぶん彼は、そういうストーリーがそこそこ好きなんだろう。


 しかし彼は以前、恋人がいてもチャンスがあったら浮気する、とも言っていた。ものすごーく美人の、ものすごーくタイプの女性から迫られたら、たとえ決まった相手がいても浮気してしまうと。

 自分はただの平凡な男で、そもそもそんな美女に迫られるようなことが起こらないから――もし万一にも起きたらまず美人局(つつもたせ)を疑うらしい――浮気できないけどね、と言っていた。


 もちろん、フィクションと現実は別モノだ。だから、フィクションを楽しむのと現実を楽しむのはまた別のことだ。


 でも、面白いなあと思う。

 フィクションのざまぁを楽しむ彼と、現実には万に一つの機会があればざまぁされる立場になるのも許容する彼。一見矛盾しているような、していないような。

 フィクションだから楽しいということかな。現実に自分の身に起きたら困るけど、他人の身に起きる分には楽しいというやつかな。

 面白いなあと思って見る彼は、今日も続きを読んでいる。




読み手様が「書き手が書いたざまぁ」を楽しんでいるとき、書き手もまた読み手様を見て楽しんでいるのだ?(笑)


お読みいただきありがとうございました。

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