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君と見た未来(仮)  作者: 棗
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君と見た未来(仮)

高校1年の夏、私、京楽 呉乃は病院で失明宣告を受けた…

失明するスピードを遅くすることはできるが

治療する事はできないとのことだった…

移植の手もあるが中々、目の移植を知る人が少なく

滅多に、ないとのことだった…

良くて高校卒業まで持つかとのことだった。

「悠斗くん、ごめんね、もう少ししたら、プロポーズするって、言ってたのになんで、このタイミングなんだろうなぁ〜

私の両親は、母は、私が幼稚園の時に病気でなくなっており、

父は2年前に不慮の交通事故でなくっており、

母方の親族は、その時79歳の祖父母しかおらず

父方の親族は、父の両親と弟である悠斗くん、

父の両親は音楽家で海外を飛び回っており、

日本には、たまにしか帰ってこなかったが、誕生日や

行事の時は忙しい中駆けつけてくれていた、

父が亡くなった時も、直ぐに私も引き取ると言ってくれた

母方の祖父母も引き取ると言ってくれたが、

年金暮らしの母の祖父母では、大変だろうと言うことで、

父方の方に引き取られたが、たまに、会いに行ったり

会いに来てくれる…

「なに、人の心配してるんだよ‼︎

まだ、子供なんだから、俺のことなんて気にしなくて

いいんだよ、でも、親父たちには、俺からしておくから」

「ありがとう、悠斗くん…」


失明宣告を受けてから、少したった秋の事だった

少し見えづらくなっていく事に、寂しさを覚えながら

迎えたのは、秋の教育実習生を紹介する集会に出ていた。

「今年は、6名の教育実習生が我が校で1カ月間実習しながら、みんなと、交流してもらいます。

各学年に各2名ずつとなってるので、みんな、わからない事とかあったら質問するように、では、1人ずつ担当する学年と科目を皇賀から」

校長先生の一言で、1人の男性が前に出てきた

「皇賀 壮馬です、1年の数学を担当しますが、

数学でわからないところがあれば、学年問わず質問しに来てください!!」

彼の挨拶が終わると、周りの女子たちが騒いでいた

そして、次の教育実習生の挨拶で、男子たちが騒ぎ出した

「瑞原 栞です。1年生の国語を担当します。

皆さんと1日でも早く仲良くなれるように頑張りますので

よろしくお願いします。」

と、挨拶の後に、ニコッと笑った先生の笑顔に大半男子の心を

鷲掴みにしていた。


そして、実習生の挨拶と集会が終わり、各クラスに戻された

周りの女子と男子が教育実習生の2人の話で持ちきりだった

私は、興味がなく、担任を待っていたら、隣の教室が騒がしくなって、すこしすると、担任と教育実習生の皇賀先生が一緒にやってきたのを見て、女子たちは、大喜びしていた

「さっきの集会でも言っていたが、今日から、1ヶ月

皇賀先生を迎えて、授業をしていく、自己紹介は、先程集会でしてたから省くが、質疑応答は全体で3つまで」

女子数人が勢いよく手を挙げ、先生が1人目をさす

「皇賀先生の、好きタイプを教えてください」

と、プライベートの話を聞こうとしていた…

「好きなタイプですか?数学のテスト等でいい点数を取って

真面目に授業を受けてくれる人です」と軽くあしらっていた

次の質問では、「彼女は、いますか?」という質問に

「内緒ですが、皆さんの頑張り次第で最後の日に教えてあげます」

そして、最後の質問は、男子がもぎ取っていた

「瑞原先生には、彼氏とか好きな人いるか知ってますか?」

という質問に、「他の先生のプライベートな話は、できませんので、本人に聞いてください」と笑って返答していた。


質疑応答が終わったのと同じタイミングでチャイムがなり、休み時間となり、早速皇賀先生は女子たちに捕まっていた。

私は、次の授業準備をし空を眺めていた。

今を1日1日大切にしていく為に…

教育実習生が来て、もう少しで2週間が経とうしたころ、

数学の小テストが行われた。

皇賀先生が授業をするようになってから、女子たちは

静かに真面目に授業を受けていたのをみると、

よほど先生の彼女情報が聞きたいのだろうと考えながら、

テスト用紙をもらうと、文字が小さく

今の私の目では、少し読みづらかった…

学校には、私が失明宣告を受けている事を、保護者代理の

悠斗くんから聞いており、字を少し大きくするなどの工夫をしてくれていたが、今回のテストは違っていた。

「今回、赤点だった人は後日居残りで補修してもらいます。」

女子の1人が、補修は皇賀先生が担当されるのですか?という質問に、僕ではないですよ?と回答してた。

私は、読みづらいテスト用紙を見ながら必死に回答したが

解答欄も小さくなにを書いているのかわからなくなって

何度か書き直している間に時間が終了していた…

「では、直ぐに採点して返却しますので、30点以下の方は、本日の夕方残ってください。」という、掛け声に

皇賀先生と数学の担当教師の2人でせっせと採点されていき

みんなに返却され、私のテストの点数は0点だった…

補修決定だというか、最初から決定だった…

「皆さん、よく頑張りました、今回30点以下の方は

本日の放課後、教室に残ってくださいね」

今日は、病院で定期健診があるのでなるべく早く終わらせないといけない。

そんな事を考えながら、放課後を迎えて

補修を受ける生徒は、何人いるのだろうと思っていたら

私だけだったようで、みんな部活や下校していった…

数学の担当教師がなかなか来ないので、どうしようかと

考えていると、皇賀先生が走って教室にきた。

「京楽さん、お待たせしてすみません、少し質問に捕まってしまって」

私は、苦笑いをしながら大丈夫ですと回答すると、

いきなり、皇賀先生が

「京楽さんすみません、テストの文字小さくて読みづらかったですよね?僕の授業の説明がわかりづらかったのかな、と思って聞いたら、文字が見えにくかったのかもしれないと聞いたので…」

確かに、各教科の先生は、私の目の事を知っているが

教育実習生の皇賀先生がその事を知る由もないのだから

謝る必要なんてないのに…

「お気遣いありがとうございます。

ですが、見えなかったのは、私のせいなので

皇賀先生が謝る必要なんてないですよ

むしろ、私が謝らないです」

というと、皇賀先生が

「なんで、そんな無理して笑顔と周りに気を使うんですか?」

という事は、私は驚きを隠さなかった…

こんな事を言う人は、初めてだった

高校の教師もクラスメイトもなにも言わないのに…

「皇賀先生、私は笑顔も周りにも気なんて使ってないですよ?

少し、周りのみんなより目が悪いだけで…」

そこから、気まずい雰囲気の中補修をした

この時の私は、後日とんでもない事が起こるなんて思っても

いなかった。


それは、テスト返却後から少したったある日の放課後のことだった、私は帰りの身支度をしているとクラスの女子の1人に声をかけられ、一緒に来て欲しいと頼まれたので一緒にいくと

そこにはクラスの女子数人とと他のクラスの女子数人がいた

「京楽さんさ、この前の数学の小テスト、わざと悪い点数とったんだよね?皇賀先生が補修してくれのわかっててやったんでしょ?周りのみんな、京楽さんが皇賀先生に色目使って

補修受けてたとか、男子に色目使って誘惑してるとか

パパ活してるビッチとか、色々話聞くんだけどさ、そんなあんたがクラスにいると、皇賀先生に、私たちまで、あんたみたいなクソビッチなんて思われるんだよね…

だから、もう学校くんのやめてくんない?」

私は、なにも言えずそこに立っていると

「そこで、なにをしてるんですか?

部活生徒以外、下校の時刻ですよ!!」

と、皇賀先生が話しかけてきた

「皇賀先生、京楽さんと、少しお話ししてただけですよ?

さぁ、みんな帰ろう!!またね、京楽さん」

と、女子数人が私を睨んで余計なことは言うなよと言わないばかりにこっちを見ていた。

「私も帰るので、失礼します」

とニコッと笑ってその場を後にしようとした

その時に、先生に腕を掴まれた

「さっき、あんなこと言われてたのになんで笑ってるの?

お前って、人形みたいだな、なにも言われても

笑顔で返事して社交辞令並べて適当に返事して

お前、最低だな」

いつも、皇賀先生の話し方ではなかったが、この人は

私の何を、この人が知っているのだろうと思いながら

いつのまにか言い返していた

「先生に私の何がわかるんですか?

母が小さな頃に亡くなって、父も2年前に事故で亡くなって、

おまけに、今年の夏に失明宣告をうけて、

両親が亡くなって、私を引き取ってくれた祖父母たちに

これ以上迷惑をかけたくないんです。

その為にっ、笑顔で社交辞令の何が悪いんですか?」

と必死に涙を堪えて、皇賀先生に訴えた

「悪かった、何も知らないのに最低だなんていって。

泣きたいなら、思いっきり泣けばいい

だれも、泣いたお前を責めないから…」

私は、目が見えなくなることへの恐怖や周りの女子の目や、

心の中にあったもの全て、皇賀先生にぶちまけた

ふと、皇賀先生が私を抱きしめ、頭を撫でてて

落ち着くまで側にいてくれた。


翌日、私は昨日のことで何か机とかにされているのかと

思っていたが、なにもされていなくて驚いた。

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