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ライバルがやってきた①

 目覚めると隣に美少女が。


 いや、昨晩からだからお約束とはちょっと違う。


 それでも起きて密着しているレリリイを見付けた時には、鼓動が跳ねた。心臓に悪い。


「んん……」


 お嬢様はまだ起きていない。


 寝顔を見詰めて、変態的な欲求が、股間の膨らみの如く、大きくなってしまう。


 今のうちにお嬢様をペロペロしてえ!


 アレクのレベルが三に上がりました。


 なんで!?


 というか、今のは何処から聞こえた?


 とにかく、どうやらお嬢様との同衾は経験値になったようだ。


「…………はあ、何をやってるんだ」


 本当に残り一年の命だったとしたら、レリリイは恩人である。その恩人に対して、ふしだらな思いを、こんな娘のような年下の女の子を性の対象と見てはいけないんじゃないのか。


「ふ……、俺もいい歳だ。少々の刺激で、暴走するような事は――」


 上半身を起こした時、胸元から何かが落ちた。


 見覚えがある薄布。


 昨晩からお嬢様が穿いていたTバック。


「なぜ、それがここに……」


 今、お嬢様は穿いていない?


 寝ているうちに脱いだ?


 昨日、お嬢様は何度も淫紋を熱くしている。


 疼ききった火照る体。自然に指が股間に伸びて、いけない人地遊びに興じても仕方がない。


 確かめたい。


「こ、この掛け布団を捲れば……、ごく」


 ムラムラする。とてもムラムラする。性が暴走しそう。


 刺激されるばかりで、自分で肉棒を扱いてもいなかった。


 抜くか? 過ちを犯す前に。犯罪者になってしまう前に。


「すみません、お嬢様。決して、お嬢様の寝顔をオカズにしようというのではありません」


 そして、レリリイの使用済みを取り、もう一方の手で朝立ちから既に性的勃起状態の肉棒を握る。


 鼻先に、きっとまだ匂いの残っている薄布を押し付けようとする。


 ノックが聞こえ、扉が開く。


「おはようございます、お嬢様。それからアレクも」


 眼鏡のメイド長だ。


 メイド長の瞳には、まだ寝ているレリリイとおじさんの姿が入り込む。


 危なかった。


 もうちょっと遅かったら、決定的な瞬間を目撃されるところだった。


「ふう、まだ寝ていらっしゃる。お嬢様は朝が苦手ですけど、アレクもなのかしら。ペットは飼い主に似るというけど」


 どうやら、メイド長はレリリイを起こす役目も仰せつかっているようだ。だから、返事のないうちに、部屋に入ってきたのである。


「起きてください、お嬢様」


 令嬢を軽く揺するメイド長。


「ほら、アレクも」


 続いて、こちらも揺らされるので、今起きた事にしよう。


 しかし、同衾している状態でも驚かれないのだな。


 背伸びするように腕を伸ばしながら、起きた演出をして、目を開けた。


「ああ、おはようございます」


「はい、おはようございます」


 ちょっと厳しそうな印象もあるが、メイド長は柔和な笑みを見せてくれる。


 昨日と同じように、金髪を後ろで結わいていて、単に生真面目なだけなのだろう。


 変態だけど。


 思い出した。昨日は彼女のノーパンパンストを見せられたのだった。


 今も穿いていないのか?


 この部屋には今、穿いていない女性が二人いるのか?


 掛布団で下半身は隠した。


「申し訳ございませんが、お嬢様を起こしておいてください。朝食の準備ができていますので」


 それだけ言ってメイド長は出ていった。


 起こして、と言われたが、その前にトイレに行きたい。


 トイレなら、オナニーができる。


 さっと行って、直ぐに戻ってくればいい。


 ベッドから出ようとすると、


「何処に行くの?」


 浴衣の袖が掴まれていた。


「お、お嬢様、起きて……」


「今、起きた。で、何処に行くの?」


「トイレに……」


「じゃあ、私も行くわ。ペットのおじさんの排泄は見ておかないと」


「大きい方もしたいのですが」


「便は健康状態を診るのにいいわね」


「……」


 勃起したままの放尿は難しかったし、排便もしっかり見られてしまった。


 ――――


 家族揃っての朝食だったが、明日から暫くは、侯爵は町にいったきりになる。


 長男ローロンは学校に通っていて、馬車で送り迎えだ。


 キュミリア夫人は有閑マダムといった感じで、セレブの生活を体現している。


「お父様のお古だけど、サイズが合って良かったわ」


 ジャージだが、まともな服を着させてもらえて、それだけで充分だ。


 レリリイは早速訓練を課してくる。


 優しく甘々なお嬢様だが、やはり訓練となれば表情は真剣で、妥協は許さないのか。


「これは……、鉄棒ですね」


 館の裏庭に訓練所が作られていた。


 おじさんトレーナー免許を取った直後にオーダーして、最近できあがったばかりの施設は、ちょっとしたアスレチックコース。


「初日だから、軽めのメニューにしましょう。基礎体力はHPアップに繋がるから、どんなおじさんになるにしても必要な事よ」


 そう言ったお嬢様は体操着とブルマといったスタイルだ。


 服飾文化が向こうの世界に似ているのは、これまで召喚されたおじさんの影響が強いらしい。


 鉄棒に膝をかけ、逆さになる。そんなに高くはない鉄棒なので、この状態で頭が地面に擦れそうだ。


「そこから頑張って、腹筋よ」


 自慢ではないが、そんなに運動をしていた訳ではない。多少の筋トレくらいはした事があるが、出始めてきた腹にはこれはかなりきつい。


「うおおおお――」


 可能な限り、お嬢様の期待に応えたい。


 一回、二回、と数回程度ならどうにかなった。


 が、直ぐに限界はやってくる。


 俺なりに頑張ったよ。


「ほら、もっと頑張って」


 そう言われても。


 レリリイが寄ってきて、脚を開く。


 その位置、その脚の開き具合は!?


 逆さ腹筋すれば。顏がお嬢様の股間に近付くではないか。


「そうそう、ブルマの下は、何も穿いていません」


「ふおおおおおおおっ!」


 微かに浮き上がるワレメに向けて、顔を接近させては、その高さをキープしようと踏ん張る。


「もっと、もっとよ。ほら、こうして……」


 令嬢はブルマを掴み、ぐっと引き上げる。食い込むようになって、僅かに土手肉が露出するのだ。


「お、お嬢様のっ、あそこがぁああああ!」


 うちのお嬢様は天才トレーナーだと思った。


 結界、鉄棒の下で、ゼーゼーと苦しい息を吐きながら、ぐったりと横たわる俺。


「よーしよし、頑張ったわね、アレク」


 お嬢様に頭を撫でられ、癒やされつつ、視線はブルマの股間に集中させてしまう。


「お疲れさまです」


 声が聞こえ、そこで中断。顔を向けた。


 初めて見るメイドだ。


 フワフワした焦げ茶色の髪で、少し垂れ気味の大きな瞳。歩み寄ってくると、胸元がぽよんと揺れて――メイド長より大きいんじゃないか――ついニヤニヤしてしまった。


「あら、ホワリン」


「お茶をお持ちしました」


 白いクロスの掛けられた丸テーブルにポットとカップが置かれていく。


 立ち上がるとレリリイが紹介してくれた。


「彼女はホワリン。弟付きのメイドよ。ローロンが学校に行っている間は、私も仕事を頼んだりするの」


 だから昨日は見ていなかったのか。


「宜しく」


「はい、宜しくお願い致します、アレク様」


 様とか呼ばれてしまった。


 メイド長とかは呼び捨てだし、基準は何なのだろう。


 自分が犬猫だとして、確かに呼び方は人それぞれか。


「ちょっと休憩をしましょ」


「早くないです?」


「一般的におじさんは体力がないから最初から無理はさせない方がいいと教わったのだけど。無理をさせると腰を壊すとか」


 お気遣い、ありがとうございます。


 そんな訳で、もう休憩だ。


 テーブルに着き、ホワリンが淹れてくれたお茶を頂く。


 慣れた所作だが、どうしてもホワリンの胸に目がいってしまうな。


 こんなお姉さんが専属のメイドとか、ローロンも悩ましいだろう。それともまだ性に興味を抱いていないか。


 まあ、あと一年か二年もすれば、ホワリンにツンデレるローロンが見られるかもしれない。


「むう、アレク、ホワリンのオッパイ、見過ぎ」


 お嬢様が頬を膨らませた。


 バレていた。


「えっ、いやぁ」


「私の胸と比べないように」


 ホワリンが赤くなっている。


「あの……、そんなにアレク様を叱らないでください。おじさんはエッチな生き物ですから」


 おじさんによりますよ。


 というか、男は皆、エッチなのでは?


「ああ、ホワリンは昔、おじさんを飼っていた事があるのよね」


「そうなんですか? なら、裕福な家庭で? トレーナーだったとか?」


「おじさんを飼っていれば、全てトレーナーという訳ではないのよ」


 ここからはホワリン本人が答えてくれた。


「うちの実家は侯爵様と取引きのある商人なのです。おじさんを飼っていたのはニ年前までで……」


 ホワリンの瞳からじわっと涙が溢れて零れた。


「ホワリンさん?」


「ごめんなさい。ちょっと思い出して……」


「まさか、死――」


「はい。私の使用済みパンツを喉に詰まらせて」


 超変態おじさんだった。


 お嬢様まで涙ぐんでいる。


「それは……、辛かったわね」


「かぼちゃパンツだったばかりに。私もお嬢様みたいに紐パンだったら」


 レリリイの下着事情はメイドには周知の事なのか。


「それから私はもうパンツが穿けなくなって……」


 えっ……。


 一陣の悪戯な風が舞った。


「きゃ!」


 傍で立っていたホワリンのメイド服の裾が捲れ上がり、スカートより髪を押さえるものだから、ばっちり見えた。


 焦げ茶色の園が。


「この季節はたまに突風が発生するわね。あら、アレク、どうしたの?」


 瞳を瞑り、あの瞬間を脳裏に焼き付けています。


「あの、お嬢様」


「何かしら?」


「ちょっとでいいので、アレク様と戯れてもいいでしょうか?」


 先程の話の後だけに断れないレリリイだ。


「ちょっとだけよ。品評会を控えた大事な時期だから」


「なら、私がおじさんの遊ばせ方を伝授しましょうか?」


「まあ、それなら是非見たいわ」


 急遽、ホワリンの講義が始まった。


 芝生の場所へと移動する。


「まず、おじさんは柔らかいのが大好きです。なので……」


 メイド服から起用にブラジャーだけを抜き取るホワリンだった。


 そこから両手を広げ、


「さあ、アレク様、飛び込んでおいで」


 誘ってくる。


 いいの? いいんだよね。


 戸惑いながら、足は確実に前へ。


「ハァ、ハァ、ハァ……」


 遠慮気味に腕を彼女の腰に回すと、ホワリンの方からギュッと抱き締めてきた。


 顔が豊満な胸元に埋まり、柔らかさと温もりに頬が挟まれる。揺れがダイレクトに伝わり、弾力で下乳が肩を叩いてきた。


 堪らん。


「アレク様は大人しいですね。私の飼っていたおじさんは、勢いよく飛び込んできて、首筋や胸元をペロペロ舐めてきましてけど」


 令嬢が質問をする。


「そうなの? それで遊ばせているの? おじさんはそれで楽しいの?」


 楽しいです。


「おじさんは主人にべったりくっついているだけで幸せみたいなので。母にも同じようにしていましたね」


 ただのセクハラなのでは?


 くんかくんかとホワリンの体臭を嗅いでいる自分も他者の事は言えないが。


「むう……。今度は私がするわ」


 名残惜しく、ホワリンから離れた。


 振り返ると、お嬢様が体操服の中に手を入れている。ブラを外していた。


 小さな膨らみに、その頂には蠱惑的なポッチが浮き上がる。


「さあ、いらっしゃい、アレク」


 昨日は足元だけに戯れる事を許されたが、一気に解禁されたな。もしかして、嫉妬してらっしゃる?


 自分の犬が他人にじゃれていたりしたら、ちょっと面白くないといった感じか。


 それならそれで、ペットらしく振舞うまで。


「お嬢様ぁああああ!」


 おじさん、まっしぐら。


 美少女の胸に飛び込むと、勢い余って芝に倒れ込む。


「きゃ……」


 仰向けになったレリリイに抱き付き、胸に顔を埋め――埋まる程無かったが、小さくともぷるんと揺れて、甘い香りが鼻孔に届いた。


「すー、はー、くんか、くんか……」


 どこまで許されるのか。一度確かめなくてはならない。


 お嬢様の首筋に舌を伸ばし、ペロペロと這わせてみた。


「やん、くすぐったい。こらぁ」


 レリリイは楽しそうだ。


「ハァ、ハァ、ふむう!」


 すべすべした頬まで舐め回し、もう少しで唇に届きそう。


「ああん……。アレクったら、はしゃいじゃって……」


 まだいけそう。


 彼女をしっかりと抱き締め、胸板に小さくとも柔らかな感触が当たり、その中にコリコリとした突起が分かる。


 手を徐々に移動させ、お尻に届きそうになった。


 もうちょっとでお嬢様の可愛いお尻に――。


「待って、待って。アレク……、目が怖い」


 はっ! 今、俺は何を?


「くうん……」


 しょんぼりした犬のようになって、ゆっくりと離れた。


「ああん、ベトベト……。ちょっと待って」


 立ちあがったお嬢様が、背中を向けて、それからブルマの上端を摘まむと、中を覗き込んでいる。


「…………こっちもベトベトだわ」


 今、なんと!?


 赤い顔で振り返ったレリリイ。


「えー、怒ってはいないけど、やり過ぎに気を付けるのよ、アレク。淫紋、熱くなっちゃうから」


 ほほう。いい事を聞いた。


「アレク様も反省しています。こうやって、教え込んでいくといいですよ。それから……、ちょっとアレク様を鑑定していいですか?」


「そうね、ホワリンなら」


「では……。えっ、この子、精力が……、それにスケベも」


 見られた。知られてしまった。


 そんなにドン引きするような値なの?


 ――スキルを獲得しました。「嗅覚向上レベル一」及び「舌技レベル一」を獲得しました。


 初めてのスキル習得。それも二つも。


「凄いでしょ、アレク。ん? どうしたの、アレク」


「お嬢様、どうやらスキルを得たようで」


「まあ! どれどれ……。凄いじゃない、アレク。よく頑張ったわ。よしよし」


 頭を撫でられるのだ。


「あの、お嬢様」


「なに、ホワリン?」


「これだけ高い精力とスケベだと、ちゃんとアレク様の射精を管理しないといけません」


「というと?」


「たぶん、アレク様、溜まっています。放っておくと、勝手にマスターベーションをして、そこら中をザーメンで汚してしまいます」


 いや、流石にそこら中を汚したりはしないと思う。


「あら。詳しいのね、ホワリン」


「実は、父の仕事の関係もあって、おじさんブリーダーの資格も取っていて」


「そうなの!? それは心強いわ」


 もう驚かないぞ。トレーナーがいればブリーダーがいてもおかしくはない。


 それより、射精管理の件だ。


「私なんか、資格を取っただけで、そんなに経験は……」


「私だって、新人トレーナーよ。おじさんブリーダーの数は少ないから、どうやって頼もうかと考えていたのよ。これでチーム作りができそうだわ」


「そうですね、トップは複数のスタッフでチームを作り、万全の態勢で大会に挑むらしいですし」


「そうなのよ。おじ医も確保しておきたいわ。それから演出のスペシャリストも欲しいわね」


 あの、射精管理の件は?


 足音が聞こえてきた。


 メイド長の姿が見える。


「お嬢様、お客様がお見えになっています」


「あら、どなたかしら?」


「それが、ビナス子爵ご令嬢、アン様で」


「アンが?」


 おーほほほ、と高笑いが聞こえてくる。


 真っ赤な髪を縦ロールにした若い女性。ドレス姿から、高貴な身分だと簡単に推測できた。


 彼女の後ろには太った中年男性、いや、おじさんがいる。


「ごきげんよう、レリリイ様。お久しぶりでございますわ」


 メイドらは頭を下げる。


 レリリイはうんざりしたような息を吐いた。


「アン様もご壮健でなにより。で、本日は?」


「いえ、レリリイ様がおじさんの召喚に向かわれたと聞き、そろそろ、戻られている頃かと。昨晩から馬車を飛ばしてやってきたのですわ。どうやら……」


 アンの瞳がこちらを捉える。


「祝いにでも駆けつけたと?」


「ええ。それと、どんなおじさんを得たのか、気になりまして」


 そっとお嬢様が教えてくれる。


「彼女はアン・ビナス。隣のビナス子爵領の領主の娘で、二十歳。おじさんトレーナーとしては先輩になるわ。昨年の地区代表」


 敵城視察か。


 ホワリンが補足してくれた。


「アン様は、爵位が下という事もあって、ここぞとばかりにマウントを取りにきているんです。おじさんトレーナーとしては先輩になりますし、業界に爵位は関係ありませんから。あと、お嬢様に構って欲しい部分もありまして……」


「成程、ちょっと残念なご令嬢なんだね」


 美人なのに。


「そこ、こそこそと五月蠅いですわ!」


 聞かれていたので、むしろ生暖かい目で見てやった。


 レリリイは慣れた様子だ。


「アン様、紹介します。この子がアレク。昨日、私の呼びかけに応えて、やってきてくれたおじさんです」


 貴族的な挨拶なんて知らないので、とりあえず会釈。


「ふうん、平凡な顔、平凡な体。やはり、うちのマイウとは比べ物になりませんわね。見てください、このマイウの腹。見事なメタボでしょ」


「む……。確かに昨年の地区代表なだけの事はありますね。ですが、うちのアレクだって、腋の下が臭い」


「うちのマイウは加齢臭八百ですわ」


「アレクは、精力五百を超えたところです。スケベもさっき、六百を超えました。昨日、召喚されたばかりで、この値」


「へ、へえ……。く……、マイウだって、凄い腰使いをしますわよ。こほん、おじさんの価値は、やっぱり、可愛らしさですわ。見てくださいな、このマイウの円らな瞳」


「うちのアレクの方が可愛いです。この主人を見る性的な目。艶のない髪。白の割合の方が多い髭」


 えっ、なに、このマウントの取り合い。


 ディスられているようにしか思えないのですが。


 向こうのおじさんを見る。


 視線が交わり、お互い苦労するよね、と一瞬で解りあった。


「マイウの方が汗臭いのよ」


「アレクの方が直ぐに勃起するわ。朝立ちだってするし」


「え、マジ? そんな、マイウはもう……」


 やめてあげて。マイウが情けない顔をしている。


「ふふん、いいサプリをご紹介しましょうか?」


「ぐ、ぐぬぬ……。いいでしょう。どうです、練習試合でも。レリリイ様も次の品評会にエントリーなさるのでしょ?」


「え……、でも、アレクは今日からトレーニングを始めたばかり」


「あら、逃げますの? 自信がないのですわね。まあ、そのおじさんでは……」


「アレクを馬鹿にするのは許さない。いいわ、やりましょう」


 王道の流れのようだが、試合ってなに?


 バチバチのご令嬢たちだが、呑気にマイウが呟いている。


「お昼、まだかな」


 それが地区代表の余裕なのか。たぶん、違う。

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