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異世界と令嬢②

 外観から三階建てのように見えた洋館風の作りに、花々の庭園が広がって、まさしく貴族のお屋敷だった。


 そりゃあ侯爵だもの。と納得する。


 再び首輪がされて、馬車から降りた。


「こっちよ。ようこそ、ジュピタル侯爵家へ」


 令嬢に連れられ、全裸のまま歩き、大きな玄関には執事服の老齢の男性がいて、レリリイに頭を下げる。


 彼が扉を開ければ、正面に二階に上がる階段が見えるロビーで、赤いふかふかの絨毯に足が沈み込みそうだ。


 中に踏み入ると、身形から身分の知れる男性が手を広げながら寄ってくる。


「おかえり、レリリイ。どうやら、上手く召喚できたようだね」


 やはり、彼こそがレリリイの父であり、ジュピタル侯爵だ。


「ただいま戻りました、お父様。ええ、この通り」


 侯爵の瞳が自分に向けられ、緊張しながら会釈する。


「ほう、なかなか立派なおじさんじゃないか。どれどれ」


 顎髭の細面の紳士が全身をジロジロと見てくる。


「可愛いお尻をしているね」


「ひ……」


 侯爵にお尻を触られた。


「よーしよしよし、今日から君は家族の一員だ」


 首に腕を回され、頭をくしゃくしゃに撫でられる。


 いったい侯爵には自分がどう見えているのか。扱いが犬と変わらない。


「もう、お父様ったら。アレクが驚いているわ」


「おっとすまない。いやぁ、私も昔はケンタウロスを飼っていてね、つい、嬉しくなってしまった。やはり、ペットはいい。ああ、可愛いな」


 中年紳士に愛でられるおじさん。


「大人しそうに見えるけど、なかなか立派な武器を持っているのよ。そうね……」


 後ろから入ってきたメイドを見て、レリリイが命じる。


「スカートをたくし上げなさい」


「畏まりました」


 と、先頭にいた――眼鏡の真面目そうな地味な女性だが、よく見ると美人――メイドが躊躇なく捲るのだ。


「えっ、えっ?!」


「彼女は露出狂の気があるから、見てあげて」


 では、遠慮なく。


 馬車を使っていた事といい、文明的には遅れている世界だろう。


 だが、令嬢のそれもそうだったが、眼鏡のメイドの下着は、というか下半身はストッキングで、服飾に関しては元の世界と同レベルと思われた。


 が、そんな事はどうでもいい。


 パンティストッキングの下には何も穿かれていない。


「な……」


 薄生地に押し込められた髪より濃い色をした恥毛が透けて見え、大人びた脚線も相まって、強烈な官能が放たれてきた。


 ほんの微かに、肉裂が覗け、そこから蒸れと温まった粘膜の香りが届いてくるようだ。


 勃起した。


「ほほう、なかなかの逸物。大きさより、むしろカリ高い形状が卑猥だね」


「そうでしょ、お父様。淫紋が熱くなってきちゃう」


「はは、大切なペットなんだから、酷使しないようにね」


 どう酷使されるんですか!


 いや、公認していいのお父さん。


「どう育てていくか、考えているわ。アレクと共に、私はトップトレーナーへと駆け上がるの」


「品評会まで、そんなに猶予はないよ」


「大丈夫、地区大会で優勝できるまでには仕上げるわ。目指すは全国よ」


 二人の会話がよく分からない。まだ、メイドの下半身しか見ていないせいかもしれない。扱きたいのを我慢して、それどころではない。


「さっ、こんな所で、いつまでも立ち話をしている場合じゃないわね。アレクの体を洗ってあげないと」


 他に奥様と弟がいるらしいが、後で紹介してもらえるらしい。


 移動し、乳浴室へと入る。


 板間で、白いカーテンの他には大き目のバスタブがあるだけの部屋だ。


 メイドたちが水の入った桶を運び込み、白い陶器のような素材のバスタブに入れていく。


「さっ、入って」


 レリリイに促され、冷水に足を入れ、馴染ませながらゆっくりと座っていった。


 水風呂か。リクエストしたら、お湯に替えてくれるだろうか。


 けど、これはこれでスッキリする。こちらは春先のようで、少しだけ肌寒いが、凍えるような事はない。


 水に何か入れられる。香りから石鹸だと分かった。


「じゃあ、洗っていくわよ」


「はい、お願い、いい!?」


 令嬢は下着姿になっている。あの透けるようなマイクロビキニに、覆う面積の少ない紐パンだ。


「お、お嬢様、その格好は?」


「だって、ドレスが濡れちゃうじゃない。まずは、頭からね」


「お嬢様が自ら……」


「だって、トレーナーだもの。おじさんの面倒を見るのも仕事よ」


 手伝いのメイドが桶の水を頭から降り掛けてきた。


 レリリイは背後から寄って、可愛らしい手が頭部に触れてくる。


 髪が直ぐに泡立って、どうやら掛けられたのは石鹸水だったようだ。


「どう、気持ちいい?」


「ええ、お嬢様……、あっ、そこそこ」


 後ろにいてくれるなら、ドキドキする必要はない。入浴中だ。ゆったりしたい気分である。


「洗いながら説明するわ。私はおじさんトレーナー。まだ免許を取ったばかりの駆け出しなの。でも、きっとトップに上り詰めてみせる。それが、私の夢」


 冷水で頭が流される。


 タオルで腕を擦られていった。


「はあ、具体的に俺は何をすれば?」


「訓練メニューは考えるわ。その為には、どんなおじさんにするか、最終的な目標を決めないと」


 他人に体を洗われる経験なんて、赤ん坊の頃以来なんじゃないか。


 王様気分だ。


「どんなおじさん?」


「ステータスが上がれば、進化する事もあるわね。おじさんの種類はとても多いの。アル中おじさん、説教おじさん、イケオジ、ギャンブルおじさん、とかね」


「へ、へえ……、って、進化するの!?」


 背中を擦ってくれている。


「するわよ。楽しみだわ、アレクがどんな風になってくれるか。その前に、どう育てるか、方針を決めないと。アレクは、精力とスケベが高いから、種付けおじさんか、分からせおじさん、セクハラおじさん、変態おじさん、というのもいいかもね」


 種付けおじさんにされたら、真っ先にお嬢様に種付けしますよ。


「お嬢様は、何がいいと思っています?」


「今言ったのは、同系統だから、同じ訓練メニューで暫くは大丈夫ね。そこから、アレクの適性を見て、決めていこうと思うの」


「成程……」


「はい、背中はいいわね。じゃあ、前を洗うわ」


「前……だと?」


 下着姿の令嬢が同じ浴槽に足を入れてくる。


 全裸で座っているおじさんの前に、下着姿の美少女が立った。おじさんの股間も立った。


 瑞々しい肢体から、素肌の甘い香りが届く。飛んだ水滴が小振りの乳房についていて、それが伝い落ちていくと、そこに視線が集中させられた。


 レリリイが膝を付き、半身が泡立った水に浸かり、手が前に伸ばされてくる。


「はーい、胸と腹を洗うわよ」


 ペチャっと濡れたタオルが押し当てられ、ゴシゴシされると乳首が擦れた。


 あっ、声にならない悶えをするおじさん。


 一生懸命してくれるレリリイの胸元を見てしまう。


 マイクロビキニのぎりぎり乳輪を隠す薄生地に水滴が飛んで、僅かに透けた。ポッチが発情を匂わせ、泡立つ水の下で勃起が最大になっていく。


「はい、立って」


「た、立つんですか」


 チッポならもう勃ってます。


「そうよ。下半身も洗わないと」


「……」


 もう見られているしね。


 立ちあがると、令嬢の目の前には勃起した肉棒が。


「まあ……。アレクったら、直ぐにチッポを大きくしちゃうのね。これは品評会で、特技としてアピールできるかも」


「あの……、品評会って、一般公開されたり……」


「ええ。おじさん品評会は、今注目の大会だから、地区大会でも一万人以上は集まるでしょうね」


 これを特技にされる事だけは阻止しなくては。


 というか、品評会って、何を審査されるんだ。


「どうやって、優劣を決めるんです。ひゃっ!」


 タオル越しだが、令嬢が肉棒を洗ってくる。


 こんな美少女が自分のチンポを握って、この扱き立ててくるような動きが気持ち良過ぎる。ハァ、ハァ、もっと。


「点数方式だけど、ちょっと複雑なの。見た目も重要ね。頭の禿げ散らかり具合とか。動きや、癖。それから、特技は点数を跳ね上げる事もあるわ」


 まるで理解できない。


 令嬢の指先が、カリ首の下を擽ってきた。


「そ、そこはっ……、お、お嬢様……」


「あら、痛かった?」


「いえ、そうではなくて……」


 肉棒がビクンと痙攣してくる。


 そういえば、暫くセックスしていなかったな。風俗にも行っていなかったし、久しぶりの感覚だ。


「それじゃあ、今度は睾丸を洗うわよ。一緒にお尻もね」


 ここもタオル越しだが、令嬢の可愛らしい手が睾丸を優しく包み、捏ねるような動きをしてくる。


「はあ……、心地ええ……」


「んふふ、綺麗になるって、気持ちいいものね。ハァ、んっ、こうしていると、私……」


 レリリイの腰がくねりだし、大きな瞳が潤んでは、上目遣いがされた。


 お嬢様、ひょっとして、淫紋が熱くなっています?


 歳を重ね、もう出なくなってきていたカウパーが鈴口から漏れてしまう。


 世界を越えて、病魔が消えたように、生殖能力も最も健康な状態になっているのかもしれない。


 だから――射精してええ!


 オナニーしていいですか――とか、言えるわけがない。


「これでよし。もう一度座って。足を洗うわ」


「……はい」


 これは、これから始まる寸止め地獄の序章に過ぎなかった。


 ――――


 ディナーの時間になる。


 アレクは家族の一員として、同じテーブルにつく。


 そこで、初めて顔を合わせたのが、レリリイの母親であるキュミリアと弟のローロンだ。


 公爵夫人キュミリアは、黒髪を長く伸ばし、貞淑な雰囲気の漂う気品ある大人の女性で、落ち着いた感じのドレスの胸元が大きく迫り出していた。レリリイは十八歳だから、夫人も相応の年齢のはずだが、三十路くらいに見える。若々しい。


 ローロンは向こうの世界で小学生の高学年くらいか。あどけなく大人しそうで、やはり黒髪の美少年であった。


 その弟君が興味津々に真っ先に近付いてくる。


「うわぁ、これが姉様のおじさん。可愛い。ねえ、名前は?」


 可愛いのは君の方だよ。


 いや、まあ、やっと服を着させてもらえたかと思ったら、確かに可愛い恰好だった。


 頭には大きなリボンが付けられ、ピンクのフリフリドレスを着せられた。下着はない。


 どう見ても変態だろ!


「アレクよ。ローロンも可愛がってね」


「うん」


 後から夫人も寄ってきて、


「我が家にもおじさんが来たのね。宜しくね、アレク」


「は、はい」


 握手でもしようかと思ったら、やはり頭を撫でられる。尚、その時、夫人のドレスの胸元を凝視してしまった。


「けど、レリリイ、この姿はどうなの?」


 言ってやってください。


「可愛いでしょ」


「でも、これじゃあ、満足していないのでは? おじさんは基本、牡なのだから」


「あら、こんな姿のおじさんもいるわ」


 いるのかよ。


「それは、きっと女装おじさんね。アレクをそういう風に育てるならいいけど、別のプランがあるなら、相応しい恰好をさせるべきね」


「確かに……」


 とりあえず、今は準備できていないので、そのままの格好でテーブルにつく。


 いや、本当に家族として――あくまでもペットだが――扱ってくれるのが嬉しい。


 侯爵が奥に、近くに夫人。キュミリアの正面にローロンが座り、夫人の隣にレリリイ。


 アレクは令嬢のすぐ横に座る。


「ねえ、おじさんって、何を食べるの?」


 ローロンはずっとこちらを見ていた。


「人間と同じでも問題はないけど、進化すると特別な食事を与える必要もあるわ」


 え? そうなの?


「例えば、アル中おじさんならお酒。ギャンブルおじさんなら馬券とか。あと、変態おじさんは、飼い主の使用済みパンツをオカズに食事をするわ。上級進化した超変態おじさんだと、使用済みパンツが主食ね」


「じゃあ、アレクが変態おじさんになったら、姉様の使用済みパンツを提供するんだ」


「そうなるわね」


 ちょっと待ってくれ。常識が追いつかない。


「あら、私の穿いた物では駄目なの?」


 と、夫人が言いだした。


「変態おじさんは好みが五月蠅いらしいの。アレクはどうなのかしら?」


 そこでこちらを見られても。


「変態おじさんにする気で?」


「そうね、まだ決まっていないんだったわ。アレクったら、もう変態おじさんっぽいからつい……」


 半分は貴女の責任ですよ、お嬢様。


「なんだ、まだ決めていなかったのか?」


 侯爵が口を挟んでくる。


「一応、私と相性が良くて、ステータスも考えて、方針は決めているわ。分らせおじさんになるかもしれないし」


「ほう。分らせおじさんにする事ができたら、軍部が放っておかないかもしれないな」


「駄目よ。アレクはずっと私と一緒にいるのだから」


 メイドによって食事が運ばれてくる。


 前に置かれたのは、令嬢らと同じメニュー。安堵した。


「あの、軍部が放っておかない分からせおじさんって?」


「ああ、それはね。魔界からやってくる牝ガキ族に唯一対抗できるのが、分からせおじさんなの」


「魔界から来るのは魔族ではなく?」


「いやぁねえ、魔界から来るのは牝ガキ族に決まっているじゃない」


「怖いよう、牝ガキ族」


 ローロンが怯えている。


 クスクスとレリリイが笑った。


「悪い事をすると、牝ガキ族が来るって、よく親が脅しに使うのよ」


 侯爵は苦笑いだ。


「そんなに笑ってやるな。男の方が牝ガキ族の被害に遭いやすい。ほら、ローロンも男なら胸を張りなさい。それに、我が家にもおじさんがやってきた」


「そうだね。おじさんがいれば、牝ガキ族だって、怖くないや」


 もう会話がさっぱりだよ。


 夕食を終え、アレクはレリリイに歯まで磨いてもらい、そこから彼女の部屋に移動する。


 その途中。


「お花摘みに行くわ。ちょっと待っていて」


 自分も行きたい。いや、令嬢に付いていきたい訳ではなく、トイレに行きたいのだ。


 なので、レリリイが戻ってくると、早速訴えてみた。


「俺もトイレに行きたいのですが」


「やだ、気付かなくて、ごめんね。こっちよ」


 手を引っ張られる。因みに、家の中なら首輪はない。どうやら法律で、町などに外出の時だけは首輪が必須であるらしい。


 トイレの前に到着。


「ここよ」


 令嬢が扉を開けてくれたので、中に入ります。


 スカートを捲り――。


「えーと、お嬢様」


「アレクは上手におしっこできるかな? ワクワク」


「できますから、出ていってもらえます?」


「えー、飼い主として、確認の義務があるわ」


 ばっちり見られました。


 放尿を手伝われなかっただけ、良かったと思おう。


 そしてレリリイの部屋。ここで、一緒に生活するのだ。


 ほんのりと甘い香りが漂っている。アレクから見れば、どれもアンティークな家具で、まあ侯爵家ならば、それなりに高級な物なのであろう。


 天幕のベッド。あそこにお嬢様が寝るのか。


 では自分は?


「うほ!?」


 レリリイが着替えだしている。背中を向けてブラを外している場面を前にして、流石に顔を背ける。


 寝る時は、ブラは付けない派、のようだ。


「あっ、アレクの寝間着もあるのよ。そこのクローゼットを開いてみて」


 旅館にあるような浴衣があった。


「とある令嬢の飼っていたおじさんがリクエストして、それから広まったらしいけど、それで良かったかしら」


「ええ、勿論」


 フリフリドレスより何倍も。


 淡いピンク色の薄生地のネグリジェ。お嬢様はどれだけ挑発すれば気が済むのだろう。


「さあ、眠りましょ」


「はい。灯りは……」


「そこの壁にある……そう、それ……」


 魔法の灯りらしい。小さな紋様に触れると部屋は暗くなった。


 全く見えない訳ではなく、窓から月明かりが差し込んでいる。元いた世界の夜より、少し明るく感じた。


 床に横になると、


「どうしたの、アレク? ほら、こっちよ」


 ベッドの掛け布団を半分開き、レリリイが誘ってくる。


「い、いいんですか!」


「アレクは私の愛おじだもの。一緒に寝た方が絆が深まるって、トレーナー教本にも書いてあったわ」


 鼻息が荒くなってしまう。


「ふぅ、ふぅ、お、おおお、あったかい」


「もう、アレクったら、興奮しちゃって。寝るのだから、落ち着きなさい」


 この「寝る」はエッチするという意味ではない。そうは分っているが、仰向けになったアレクの肩に令嬢のそれが接触してくると、体温だけで性感が膨張しそうだ。


 いかん、また勃起する。勃起したまま治まらない。


 何か、意識を変えなくては。


「ちょっと、聞いていいですか?」


「なに?」


「ここは何という国で、どんな地方なのでしょう?」


 まだこの世界の事を何も知らない。


「そう言えば、まだ教えていなかったわね。ここはバースカント王国。明日、地図を見せてあげるけど、大陸南部に位置して、大陸二大強国の一つよ。で、ここはジュピタル侯爵領なんだけど、少し町からは離れているわね」


「町から離れて、政治的に問題は?」


「あくまでもここは自宅。お父様は、週末以外は町の方にいるわ」


 成程、今は週末だったか。


「地区大会とか言ってましたが」


「ここと隣の伯爵領、子爵領で一つの地区に纏められているわ。そこで勝ち抜くと、地方大会。王国の東地方でも勝てば全国大会に行けるのよ」


「地区の出場は、三人?」


「いいえ、貴族以外でも裕福な家庭でおじさんを飼っている家もあるし、団体で所有している場合もあるの。前の品評会では、この地区では五名がエントリーしているわ。今年はもっと増えそうね」


 それだけ大勢、この世界におじさんが来ているのか。


「因みに、おじさんの飼い主、トレーナーって、皆、お嬢様のような……」


「自分で言うのも何だけど、若くて綺麗な女性が大半ね。でないと、召喚の儀式で、おじさんが現われてくれないし、言う事を聞いてくれないらしいわ」


 解かる。とっても解かるぞ。


「大半って事は、稀に他も?」


「私は会った事はないけど、若くて綺麗なオカマもいるらしいわ」


 良かった。レリリイお嬢様で、本当に良かった。


 ふあ、と可愛らしい欠伸が聞こえる。


「寝ましょうか」


「うん……。おやすみ、アレク」


 目を瞑る。


 隣から美少女の息遣いが聞こえ、生々しい温もりを感じる。


 少し手を動かせば、太股に触れてしまいそうで、欲求を堪えるのだ。


 いや、こんなの眠れないでしょ。


「はあ、アレクぅ」


 寝返りを打つお嬢様。蠱惑的な体が傾き、腕にしがみ付いてくる。


 抱き枕代わりにされていた。


 手の甲に股座が当たりそうで、そこの体温がやけに熱く、湿度も高そうに思える。


 やっぱり、興奮して眠れないだろ!


 眠れた。


 朝までグッスリだった。


 もう徹夜ができないのがおじさんだ。

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