異世界と令嬢①
いつも読んでくださる皆様、ご無沙汰です。
初めての方、宜しくお願い致します。
頭が混乱するカオスなお話ですが、どうかついてきてください。
例えば、部屋で寝転がっている時。
例えば、仕事終わりで帰路につく間。
例えば、緊張するプレゼンテーションを行っている。
ごく普通の日常を行っていて、それが初めて行く場所であっても、段階を踏み、受け入れられるものであろう。
突然、景色が変わった。
正面の視界だけでなく、周囲全体が、だ。
気温が違う。空気が違うと感じる。
目の前にあった物がなく、なかった物がある。
座って、テレビを見ながら笑っていたはず。
尻の下が畳から硬くて冷たい石床になっていた。
薄暗く、ギリシャ辺りの遺跡の神殿のような光景の中にいる。
全裸だった。
脳が状況に追いつかない。だから声も発せられなかった。
続いて呆然と周りを見る。見慣れた物を探していた。なければ安心できない。
それから、また前を向く。
人が数人いた。皆、女性に見える。
「や、やったわ」
中心の一歩前にいた小柄な彼女が言った。
黒髪を肩まで伸ばし、気の強そうな大きな瞳をして、白いゴスロリ風にも思えるドレスを着ている。
「やりましたね、お嬢様! 見事に召喚できました」
歓喜を発したのはその隣の女性で、メイド服のような物を身に着けていた。
まだ状況が飲み込めなくて、ただ若い女性ばかりだったから、股間を両手で隠す。
「どう、ステータスは?」
「平均的、いえ、一部がかなり高いです。お嬢様との相性もかなり高いようですね」
「まあ……、なら、期待できるわね」
お嬢様と呼ばれた彼女が近付いてくる。可憐な微笑みを浮かべて。
歳の頃はローティーンといったところか。何処となく気品を感じるが、顔立ちが日本人とは違う。
いや、外国人でも思い付かない。しいて言えば、二次元のキャラクターがリアル化したような全く知らない人種だ。
「怯えなくてもいいわ。いい子……、いい子ね」
繊細そうな指先が伸ばされ、最近少し薄くなってきた頭を撫でられる。
「あ、あの、ここは……」
「喋った! ねえ、喋ったわ、このおじさん」
微笑ましく見ている他の女性ら。彼女らは全員メイド服姿だ。
益々、混乱する。
「何も心配する事はないわ。やだ、とても困ったような顔をしているわ。なんて、可愛いの。ねえ、見て見て、皆、このおじさん、とっても可愛いわ」
同意を認めて彼女はメイド服の方へと顔を向ける。はしゃいでいるようだ。
「お嬢様、おじさんが可愛いのは分かりましたが、早く主従の証を立てませんと」
「ああ、そうだったわ」
今、分っているのは、目の前の少女がお嬢様で、他の女性らは彼女に仕える侍女といった立場か。
令嬢の傍にメイドが二人近付き、ドレスを脱がしていく。
「え……!? ちょ、ちょっと君……」
慌てて顔を横に向けると、衣服が脱がされていく音が聞こえ、強烈に誘われてしまうのだ。
素肌の体温とほんのりと甘い肌の匂いが感じられる。
「こっちを向いて」
優しい声に顔を前に戻すと、令嬢の姿に鼓動が跳ねた。
白い下着姿。小振りな乳房には、乳輪がどうにか隠れているようなマイクロビキニで、しかも生地が薄く、濃い色をしたそれが浮き出ている。ポッチの膨らみが高かった。
下半身はぷっくりとした土手肉とワレメに食い込むような紐パンで、クロッチの部分は逆三角形で、面積が極端に狭く、スジが透けている。
股間が反応した。
隠す為に座ったまま前屈みになる。
染み一つなさそうなきめ細やかな肌をして、ただ臍の下に何かがピンク色で刻んであった。
子宮と花弁を模ったようなそれは、まるで淫紋のようである。
「凄い……、どんどん淫紋が熱くなってくる」
ずばり淫紋だった。
いやもう、状況とかどうでもいいや。
美少女が極めて破廉恥な下着姿で、淫紋を熱くしている。
夢、決定でしょ。リアル過ぎるが。
「えーと、これからどうするんだっけ?」
メイドの一人が書物を捲った。
「お尻の孔にキスさせるようです」
「そう。じゃあ……」
美少女が背中を向けて、可愛らしいお尻を突き出してくる。体格に似合った大きさだが、球体状に肉付き、とても煽情的に見えた。
眼前に迫り、令嬢が自ら、ショーツの後ろの紐をずらし、皺孔が露出する。
「な……」
すげえな、俺の夢。このまま覚めないで欲しい。
微かにヒクつくアナルから、独特の粘膜臭が放たれ、小さな黒子まで確認できた。
「さあ、怖がらないで。いい子だから、ここにキスして」
はあ、と感じたような息が吐かれ、令嬢の股座をどうにか覆っている生地に濡れ染みが広がっていく。どんどんと透けて、穿いている意味がなくなりそうだ。
恥毛は見えない。よく見れば、剃り跡があった。
「あ、いや、こんな……」
夢なら大胆な事も平気なはずだが、余りにもリアルであるが為、躊躇してしまう。
すると、メイドが二人寄ってきて、左右から自分を押さえ込み、顔を強引に令嬢のお尻の谷間に近付けさせる。
抵抗はできない。そもそもこんな美少女のアナルにキスできるのだから、本当は抵抗する理由はなく、むしろ積極的にしたいくらいだ。
頬に柔らかな尻肉が当たり、擦れ、ぐっと更にお嬢様から押し付けられる。
「やん……。息が当たって……。ハァ、ハァ、恥ずかしい」
興奮にここからは自分から唇を尖らせ、皺孔に接触させた。
ぶるっと一瞬、美少女が震える。
「ひゃん……。ああ、儀式なのに、ハァ、ハァ、感じて……、きゃ!」
舌を伸ばしてしまった。
こちらから顔を強く埋め、舌先を尻孔に潜り込ませるように突いていく。
キュッと窄められると、ペチャペチャと舐り、令嬢のアナルを自分の唾液で濡らしていった。皺目の舌先を捩じ込み、一つ一つを擽れば、甘い喘ぎが漏れてくる。
「あ……、ハァ、あっ、あっ、こ、こらぁ、おいたが過ぎるってば」
慌てたメイドらが、俺を引き剥がした。
「大丈夫ですか、お嬢様?」
「え、ええ、ちょっと驚いただけ。大人しいおじさんかと思ったら、凄い舌遣いだったわ。危うく……、じゃなくて、これはしっかり躾けないといけないわね」
令嬢が瞳を細め、表情に妖艶さが醸し出される。
彼女がドレスを身に着け直し、少し残念な気分になるが、再び寄ってくれた。令嬢の手には首輪が持たれている。
それを自分の施されるのだが、抵抗なく受け入れてしまった。
首輪に繋がった鎖がグイッと引かれ、
「さあ、立ちなさい」
命じられるのだ。
立ちあがる。ただ、両手で股間は隠していた。夢のはずなのに、とても恥ずかしかったからだ。
「ふーん。どれどれ……」
お嬢様が全身をじろじろと見詰めてくる。それから体臭が嗅がれた。
「ああん、臭い。ハァ、ハァ、こ、これが噂に聞いたおじさん臭なのね」
お嬢様が興奮なさっている。
「あら、どうして、股間を手で隠しているのかしら?」
「どうやら、恥ずかしいようですね」
メイドの一人が代弁してくれた。
「けど、飼い主として、ペットの全てを把握しておく必要があるわ」
「ええ、その通りでございます」
視線をこちらに戻した令嬢は、
「さあ、その手をどけて、見せてね」
と言ってくるのだ。
はい、見せます――とはいかない。やはりこれは恥ずかしいのだ。
それより、先程、ペットとか飼い主とか言っていたが、いったいどういう事なのか。
「変ね。ブラーマス家のご令嬢の時は、おじさんの方から喜んで股間を見せてきたらしいのに」
「お嬢様、普通はこんなものです。だからこそ、躾けて自分好みにするのが、醍醐味なのですよ」
「勉強したつもりでいても、まだまだ私は半人前のおじさんトレーナーね」
謎のワードに戦々恐々としつつ、何故かドキドキと期待感が膨らむ。
「たまには強引な手法も必要です」
メイドのリーダーか。眼鏡に長い金髪を後ろで結わせている女性がパンと一度手を叩く。
すると、また二人のメイドがやってきて、腕を掴んでくる。
いくら二人がかりでも女性の力で――と思ったら、あっさり捻り上げられた。
「うぎ! な、なにこの力……」
涼しい顔で、眼鏡のメイドが教えてくれる。
「我らはメイド族。主人の命令に従う時、身体能力が爆発的に向上するのです。異世界から召喚されたばかりのおじさんには分からないでしょうけど」
このさい、メイド族とか異常な力とかはどうでもいい。
それより、お嬢様がじっと股間を見てくる羞恥に、恥ずかしさに顔を背けながら、ちょっと興奮してしまった。
「ねえ、このチッポ……、ちょっと変ではなくて。弟に比べて、やけに大きいし、先端に皮がないし、なにより、どうして上を向いているの?」
流石にメイドらは恥ずかしそうに顔を赤くして下を向いている。
「えっと、お嬢様、まず大きさですが、おじさんは大人の男性です。そして、大人の男性は一定の割合で、ズル剥けなのです」
「ズル剥け?」
「亀頭の包皮が完全に剥けている状態です。おじさんは普通、交尾の経験もあるので、まあ、中には童貞のレアおじさんもいますが。そして、上を向いて、硬そうに膨らんでいるのは、性的興奮状態にあるのです」
「まあ……。淫紋もないのに、発情しているって丸分かりなのね、おじさんって」
「いえ、それはこちらの世界の男性も同じで」
「そうなの!? でも……、おじさんのチッポを見ていたら、私の股もウズウズって……」
「いけませんよ、お嬢様。淫紋が活性化しても自重してください。体は、調教で使うのですから」
次々とそそるワードが出てくる。
というか、やけに長いな、この夢。
「分かっています。けど、どうしてこのおじさんは、こんなに興奮しているのかしら?」
「それは、先程、お嬢様がセクシーな姿を見せ、お尻の孔を舐めさせたからでしょう」
「あら。そんな事で興奮してくれるなんて、嬉しいわ。実は私も興奮していたの」
「見れば分かります」
「嘘!?」
ずっと見ていたくなる夢だが、そろそろ起きないといけない時間かもしれない。
悪夢程、起きようとして起きられない事があるが、いい夢は直ぐに目覚めてしまうもの。
なので、名残惜しいが、起きろ、と念じた。
「あれ?」
起きないし、事態に変化はない。
「何をしているの?」
お嬢様に気付かれた。
「いや……、そろそろ夢から覚めて、起きないと」
「…………ああ、そういう事ね。確かに教本でも、召喚されたばかりのおじさんは、事態を飲み込めないって。そんな時は……。いらっしゃい」
首輪が引かれ、その薄暗い空間から外に連れ出される。
新鮮な風を感じた。それが外気だと分かり、それから眩い光に向かっていく。
やがて、建物の出入り口を越えた。
「ようこそ、異世界へ」
やはりいたのは神殿の中で、そして丘の上だった。
緩やかに下っていく地形の先は、草原が広がり、更にその向こうに森がある。
ただ、その上空を飛びまわるそれに、意識は集中した。
咆哮が聞こえ、大きな蜥蜴に羽がある。
呆然と呟く。
「翼竜……」
「そう、ワイバーンよ」
作り物にしてはリアル過ぎて、顔にVR機器でも付けられているのかとも疑った。
そうだ。夢ではないと気付いていた。理性が認められなかっただけ。
これでも簡単に信じられない。
「あら、ワイバーンがこちらに気付いて、向かってくるわ」
「お嬢様、メイドに迎撃させますか?」
「いいえ、早速、試したいわ」
お嬢様が首輪を外してくれる。
可憐な笑みを見せてくれて。
「じゃあ、アレを倒して」
と、言われてしまった。
これを無茶ぶりという。
逃げよう。
美少女に言われようと、ここが何処であろうと、これがドッキリであったとしても、みっともなく逃走するしか選択肢は思い浮かばない。
走った。勿論、迫りくるワイバーンとは逆方向に。
「あ、逃げた」
お嬢様は慌てていない。
必死に逃げた。
で、直ぐに振り返る。急いで舞い戻った。
「ちょっと、早く逃げないと!」
美少女の肩を握る。
彼女はポカーンとした顔――かわええ――を見せたが、直ぐにクスッと笑う。
「大丈夫よ。だって、貴方は――」
まるで危機感のないお嬢様。
それにちょっとイラッとしつつ、彼女も一緒に逃げるように強引に連れていこうとするが、もうワイバーンが迫っていた。
蒼白の顔を振り向かせると、裂けるように開いた竜の口が間近にある。
反射的に腕が動いた。
途端に、ズバーンと弾ける音が響き、ワイバーンの姿が視界から消える。
「最強種のおじさん、なんだから」
無意識で振り払っただけだった。
だけど、ワイバーンは地を転げまわり、止まった場所で動かなくなっている。
「…………チート?」
異世界物のお約束に、認めるしかなかった。
――――
身分の窺える豪華な外装の馬車に乗っている。勿論、内装も立派なのだろうが、向こうの世界の車のシートに比べれば硬い。
お嬢様と二人きりで、メイドらは後ろの馬車に乗っている。
「まずは覚えなさい。私は、レリリイ・ジュピタル。それが主人の名前よ」
普通に執事とか付き人とかで就職するなら、こんな絶世の美少女の従者とか喜ばしいのだが、突然過ぎて、理解が追いつかない。
「ああ、ちょっと待って。君が俺を異世界に召喚したんだよね。言い方は悪い子けど、拉致じゃないかな」
「そうね。認めるわ。けど、これは貴方の為でもあるの」
「俺の?」
「ええ。だって、召喚できるのは、余命一年以内の者だけだから」
「は? い、いや、俺は健康そのもので……」
「けど、それが召喚できる条件だから」
ここまで常識を外れた事態だ。
信じたくはないが、本当に自分の余命は一年なのか。
「俺……、もう直ぐ死ぬのか?」
「安心して。世界を渡った時に、肉体は再構成される。その時に、全ての病気も消えるのよ。だから、貴方の為でもあるの」
ホッとする。
「そうか。感謝しないといけないな」
「その必要はないわ。だって、私は私の都合で、貴方を召喚したのだもの」
「えーと、さっきのワイバーンをフッ飛ばした力が必要とか?」
「半分正解」
「質問。あんな力があって、普通に他人と接していいのか?」
「問題ないわ。状況に応じて、無意識に力を抑えたりする事があるでしょ。日常生活で、そんな力は発揮したりしないわ」
馬車に乗る時もドアを恐々と触れたが、そこまで心配する必要はないようだ。
「それで、君の都合って?」
「おじさんをペットにしたかったの」
「……」
ペットかぁ。
「今、貴族の子女の間では、おじさんをペットにするのが流行っていてね、私はおじさんトレーナーのトップを目指しているのよ」
「へ、へえ……。あの、俺に人権とかは……」
「主張してもいいけど、どうやってここで生きていく気?」
「それは……」
「こう見えて、私は侯爵家の息女なのよ。温かい寝床に、食事も最高級を約束するわ。第一、もう主従の儀式もやってるし」
思い出して、また勃起しそうだ。因みに、今も全裸で、股間を両手で覆っている状態である。
それにしても美少女のペットか。
ペット。即ち愛玩動物。お嬢様に愛玩されるだけの簡単なお仕事です。
「お嬢様に忠誠を誓います」
「そう言ってくれると思っていたわ。うふふ、はあ、可愛い」
何処か性的な意味合いも感じる瞳で、レリリイが見詰めてきた。
「え、えーと、俺が可愛い?」
「うん。凄く可愛い。はあ、おじさんって本当に可愛いわ」
後に知る事になるのだが、この世界でおじさんとは異世界人の中年男性だけ。こちらの世界の中年男性は、他の呼ばれ方をするのだ。
この時は、変わっている令嬢としか思わなかった。
「それで、俺はペットになって、何をすれば?」
「そうね。まずはお家に帰って、それから体を洗いましょ。それから……」
「まさか、庭の小屋に住まわされたり……」
「あら、体調管理もしないといけないし、私の部屋で飼うわ」
いけない予感しかしない。
やばい、完全に勃起する。
「え、えーと、お、お嬢様、ご年齢は……」
向こうの世界には淫行というものがあって、だね。
「十八歳よ。おじさんトレーナーの資格は、十八歳にならないと取れないの。なに、その目は? もっと幼いと思ったのでしょ。もう……」
確かに思ったが、それよりも色々とセーフだった。
「いえ、そんな事は。それよりもペットはご主人様にじゃれてもいいのですよね?」
「あら、甘えたいの? いいけど、足元に頬擦りするだけよ。それ以上は、頑張り次第で、ご褒美としてとっておかないとね」
「お、おお……」
その誘惑には抗えない。
直ぐに四つん這いになった。
レリリイのハイソックスの履かれた足に顔を寄せ、そこに顔を寄せていく。
確かな体温を感じながら、高貴な足に頬を接触させた。
「ああ、お嬢様ぁ……」
どう見ても変態だった。
「んふふ……、私から離れたくないのね。そうだ、名前を付けなくちゃ」
名前なら元々あるが、ここはレリリイに付けてもらってもいい。
令嬢が思案している間、頬を足に擦り付け、匂いを嗅いでいた。
疑いようのない変態だった。
「アレク……。この世界で、かつて魔王を倒した英雄の名よ」
今後、レリリイが自分に何かを言い付ける時、その名で呼ぶのか。危ういところだった。
「ところで、その……、淫紋とか、言ってませんでした?」
「ええ、淫紋を刻んでもらっているわ。異世界からおじさんの召喚には、多大な魔力と代償が必要になるの。淫紋は、その二つを満たしてくれるの。淫紋によって、私の魔力は増幅され、代償として清純さを差し出す」
「お、お嬢様はもう、清純ではない、と」
「どうかしら? ねえ、アレクにはどう見える」
レリリイの片手がドレスを捲り上げていく。裾がずり上がり、内から蒸れが漏れてきた。
「え、えーと、お嬢様?」
太股が覗け、もう少しで下着まで露出しそうになったが、彼女の手がそこを覆い隠した。
しかし、それは切なそうに蠢く。
「あ……」
小さく漏れるよがりの声に、顔を持ち上げようとしてしまうと、
「ダーメ。そのまま足をスリスリしていなさい」
腕の位置から手が股間に添えられているのも、微かに動いているのも分かる。だが、床に近い高さからでは、全容が確認できない。
「ハァ、ハァ、んん……、そのままの格好で、いい子で待っていなさい。あっ、んあぁ、ハァ、ハァ……」
「い、今、何を……」
「指で、膨らんできたクリトリスを擦っているわ。下着の上からだけど、あっ、もう、ぐちょぐちょ……」
「オ、オナニーを」
こちらも肉棒を握りたくなった。
「こら。勝手にオチンポを触ったら駄目よ。そっちの管理も飼い主の役目だものね」
貴族の可憐な令嬢に射精管理までされるのか。
狂おしいが、ゾクゾクと感じてしまった。
「おおお、お嬢様は、天使でもあり、小悪魔でもあります」
「まあ。でも、そうかもね」
このままでは我慢できなくなりそうなので、別の話題を振った。
「あの……、メイド族とか、おじさんが最強種とか仰っていましたけど」
「ん……、この世界には様々な種族がいるわ。メイド族もその一つで、あっ、あっ、その辺りはおいおい覚えて……。ああっ、いつもより、クリっ、敏感……。えーと、自分のステータス、見れるかしら?」
喘ぎが気になって、聞き逃すところだった。
「ステータス?」
これもお約束。
ならば、意識すれば見る事ができるのか? できそうな気がしてきた。
見えた。
名前=アレク。種族=おじさん。
レベル=ニ。
加齢臭=八十三。渋み=百二十七。精力=四百七十八。キモさ=二百三十二。毛根耐性=百六十四。スケベ=五百七十一。
HP=百七十一。MP=八十八。
「……」
これでどうやってワイバーンを倒した!
加齢臭八十三って、どのくらい?
いや、精力とスケベがやたら高いんですけど。
「どう見えた?」
「え、ええ……」
「鑑定のスキルを使わないと、他人には見えないわ」
「これも召喚の影響……」
「そう。でもまだこれから成長するわ。はあ、はあ、あ、わ、私が貴方を育て、強くしてあげる。ん、あ……。ま、まだ、スキルも何も習得していないでしょ?」
「このステータスが成長するんですか」
加齢臭は高めたくない。
表示を切り替える事ができた。
スキル欄は空白だ。
「あれ、これは……」
更に別の表示では、忠誠状況というのがあった。
忠誠状況=スケベ心。
主人との相性=九十二パーセント。
愛され値=三百七十三。
「……」
これ、鑑定されたら不純な動機でペットをやっているってバレるのでは?
「あっ、イきそ……。ハァ、ハァ、んんっ、イク……」
これでスケベ心を持たない方が無理でしょ。
期待と不安、それと興奮を抱きながら、馬車はジュピタル侯爵家に向けて走っていった。