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3. 花の享年17歳

よろしくお願いします!

「――よし、修復作業終わり。どうだ?」

「おおっ、いい感じ!見た目も前と同じくツヤツヤだし……あれ、なんかジェルが厚い?」

「おい、触るなよ。あと5分はそのままでいろ。前回よりも強度がある接着剤を使用した。あと、最新の保護剤(シリコンジェル)もな。これなら多少のことでは折れんだろ」

「まじでっ!?さすが先生っ、大好き!」

「お前に言われても嬉しかねーわ。今日はソレに触んなよ。保護剤の安定に多少時間がかかるからな」

「ええっ、思春期の男にそれは酷よ!?」

「なにが思春期だ、もうとっくに過ぎただろ」

「オレ、花の17歳なんだけど?」

「享年17歳、死後20年は経ってるだろ。世間ではとっくに中年だよ」


若者が聞いて呆れる。服装についてもだが、いつまで学生気分でいるのか。

しかも自分を花だとか、いけ図々しいにも程がある。


「永遠()17歳だよ、先生?」


馬鹿はにやっと笑うと、お礼を言って診察室を出ていった。


「……どこぞのアイドルか、まったく」

「あの調子では、今回もそう長くはもちませんね、きっと」


ため息をつくと、助手はころころと笑いながら、次の患者を呼びに行った。

入ってきた患者の状態を見て、思わず半目になる。


「……聞くまでもないですが、一応。今日はどうされましたか?」

「あ、えっと、その……首が落ちちゃって」

「はい、落ちた首をこちらにください。……ほぉ、ずいぶん綺麗な切れ後ですね、どうしてまた、こんなことに?」

「ちょっと油断してて……その、女性に切られました」

「脳じゃなくてよかったですね」


不死者といえど、脳を潰されたら生きてはいられない。

だが、首を落とされた程度ならどうとでもなる。

話を聞いた感じ、痴情の縺れということか。性欲もないのに、よくやるこった。

自分の首を片手に持って途方に暮れている男にベッドに横たわるよう告げると、私は助手に指示を出し、治療準備を始めた。

この後21時に更新予定です。


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