女神の癒し空間
真っ白な空間だ。
真っ白で、なにも無い。
ここは、どこだろう。
上も下も分からない。
どこからともなく声が聞こえる。
「あなたは今、時空を超えた癒しの部屋にいます」
声に対して私は問いかけた。
「あなたは誰ですか?」
声はやさしく答える。
「私はあなたの女神です」
私は驚くこともなく、受け入れる。
「女神さまでしたか」
「はい、あなたを癒すためにこの空間に案内しました」
「ありがとうございます」
女神様は続ける。
「よろしいですか?よく聞いてください。この時空を超えた癒しの部屋では、
あなたの脳は、温かいお湯の上に浮いています」
「ゆったりしていますね」
「あなたの首のコリが伸びます」
「ああ、温かいです」
「あなたの腰の痛みがやわらぎます」
「ああ、気持ちいいです」
「ここには重力もなく、空気もよく、かすかにコーヒーの香りがします。
そして、あなたはよくがんばっています」
「そうでしょうか?」
「そうですよ、だから今はがんばって、休むのです。息を吐いて」
私は言われるままに息を吐く・・・
「フー・・・・・」
女神は続ける。
「吸って」
「スー・・・・・」
「はいて・・・」
「フー・・・・・」
少しのまどろみの中、女神は目を覚ますように言う。
「ではそろそろ、休憩も終わりにしましょう」
「え、もうですか?」
「そうです。最後に何か一言、自分に対して肯定的な言葉を言ってみてください」
「ええ、何もないですよ、私なんて・・・本当に、何も無いです」
「じゃあ、今回は、私が言ってあげます。次回からは自分で考えるのですよ」
「はい」
「私は自分がだいすき!」
「え、これだと、女神様が自分に言ったことになりませんか?」
「そうでなく、あなたが自分で言葉に出して言ってください。さんはい」
言いましたか。
では、ゆっくりやるべきことに戻りましょう。
疲れたらまた来るんですよ。
気付けば、わたしは現実世界に戻っていた。
照れずに言うのですよ
読んでいただきありがとうございました。
また頑張りましょう。