★8R》姉妹
ニックは祭壇の確認を終えると部屋に閉じ込めているセレスティナの方へと向い……。
ここは結界の城。ニックは、地下に特別に作られた祭壇で、異世界の者を召喚する為の準備をしていた。
「……さて、そろそろ良いころ合いですね。この祭壇に、マナが満ちあふれ……。後はあの召喚魔導師の女に、異世界の者を召喚してもらうだけ」
そう言いニックは、祭壇の確認が終えると階段を上り、セレスティナの元へと向かった。
その頃、シェルズ城のとある部屋では、セレスティナ・シャルマと妹のリムティナ・シャルマが鎖で厳重に拘束され閉じ込められていた。
「お姉様。このままでは、この城の者たちの思うつぼですわ!」
リムティナ・シャルマ、ヒューマンで女性。
白めのエメラルドグリーンで、フワッとしたツインの縦ロールの髪をピンクのリボンで結んでいる。性格はきつめだ。
「ええ、リムティナ。ですが、そうだとしても貴女の命には代えられません」
セレスティナ・シャルマ、ヒューマンで女性。グロウディスの許婚である。召喚魔導師の中でも優れた者であった為、このシェルズ城に連れてこられた。
白めのエメラルドグリーンで縦ロールで長めの髪。性格は穏やかなのだが、正義感が強く困っている者を見ると見過ごす事が出来ない。
そう言われリムティナは、あの時の事を思い出し、この城の者たちに捕まってしまった自分の不甲斐なさに泣きたい思いでいっぱいになった。
「あの時、私さえ足手まといになりさえしなければ……逃げる事も出来ましたのに」
「何を言っているのです。貴女を見殺しにするなど……」
そう話をしているとニックが、部屋の扉を開け入って来て、セレスティナとリムティナの側まで来た。
「セレスティナ。これから召喚の儀を行いたいと思います。そして貴女には、異世界の者を召喚して頂きたい」
「待ってください。異世界の者を召喚って……私は確かに召喚魔導師ですが、そんな力など……」
そう言いセレスティナは不安な表情でニックを見た。
「いえ、貴女ほどの召喚魔導師であれば、異世界の者を召喚するのは容易いはず」
そう言いながらニックは一冊の魔導書を取り出し、
「もし召喚の方法が分からないのであれば、それらが記された魔導書も、ここにありますので」
そう言われセレスティナは断る理由を探すが見つからず仕方なく、
「……分かりました」
と、言うしかなかった。
その言葉を確認するとニックは、セレスティナを拘束したまま部屋を出て、祭壇がある地下へと向かった。
「お姉様。私は何も……」
リムティナは何も出来ず、ニックに連れて行かれるセレスティナの後ろ姿を見ながら、泣き崩れていた。
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)
『お姉様。やっと私たちにも、出番がまわってきましたわ!』…by,リムティナ
『リムティナ。そうなのですが……私はこのような登場の仕方は苦手なのです』…by,セレスティナ
『苦手……そう言いつつ、お姉様。いつもよりオシャレをしているように見えるのですが』…by,リムティナ
『こ、これは……。あっ!そうそう、お茶とお菓子を用意してあるから、食べながら続きを……』…by,セレスティナ
『お姉様!誤魔化しましたわね。……まぁいいですわ。美味しそうですし……(-ω・`)チラッ..』…by,リムティナ
と、いう事で……∩^ω^∩
では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)






