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第四十一話 指導

「ステフちゃん起きて、起きて、ねぇってば」


 キアラは寝ているステファニーを起こそうとして、一生懸命に彼女の身体を揺さぶる。


「うぅ~ん…ふわぁ、おはようキアラ」


 寝癖で髪が乱れているステファニーが上半身を起こし、あくびをしながら体を伸ばす。


「おはよう……じゃなくて早く準備しないと。アリーゼさん達はもう行っちゃったよ」

「ううん…ん」


 見回すとアリーゼとメイはいなく、狭い部屋が暗いのでまだ日が出ていない時間帯だなとステファニーは思った。


「もう一回寝よっと」

「ダメッ! 準備していかないと」


 キアラは毛布を力ずくで剥ぎ取り、ステファニーを無理矢理ベッドから引きずり出した。


「ほら、着替えて着替えて。私も一緒に着替えるから」

「分かったよ。ありがとね、キアラ」


 ボサボサの髪を掻きながらステファニーは着替え始めた。気慣れない服ではあったが前もって着た経験からすぐ着ることが出来た。髪は寝癖がひどくて整えている時間がなかったため、髪毛を後頭部でまとめ、まとめた髪で輪を作り紐で結んだ。輪の周りに残りの髪毛を巻きつけて、最後に飾り気のない木製のヘアピンで留めた。


「これで良しっと」

「準備できた? さ、行こう」

「うん。ごめんね、待たせて。それにしてもメイさんとアリーゼさんさぁ、私のこと起こしてくれてもよかったんじゃない?」

「あぁ、それなんだけどね……アリーゼさんが起こそうとしてくれたんだけど、メイさんが遅刻したら遅刻したで面白いって言って……」

「あんにゃりょう」


 ステファニーは拳を震わせながら低い声で恨みったらしく呟いた。


「あはは……まぁ、その、ほら、早く行こう。このままだと遅刻しちゃうよ。遅刻したらきっとジーナさんに叩かれちゃうよ」

「ぐ、それは嫌だなぁ。急いで行かなきゃ」


 二人は急いで集合場所に行くと、背筋が綺麗に伸びて軍服が様になっているブレインとズボンのポケットに手を入れている猫背のフィルスがいた。ステファニー達が近づいてきたことに気付いたブレインが二人に手を軽く振る。


「おはようございます」

「お、間に合ったか。遅刻するんじゃねぇかって話してたんだけどなぁ」

「おはよう」

「おはよう、何とか間に合ったわ。危ないところだったけどね」

「だろうな、どうせテメェが寝坊でもしたんだろ」

「な、何で分かったの?」

「はっ、そりゃキアラが寝坊するわけねぇだろ、そんなことすんのはテメェだけだろ」

「ぐぬぬ」

「二人とも、そろそろジーナ教官が来ますよ。静かにしていないと昨日みたいに鞭でたたかれるのでは?」

「確かに……しばらく黙っていようぜ」

「ええ、昨日の二の舞は嫌だわ。フィル、ポケットから手を出した方がいいんじゃない? あと、背筋も伸ばしなよ」

「ああ、だな。ありがとよ」


 蝋燭のわずかな灯りのもと、四人は姿勢を正して待っていると薄暗い通路の奥から近づいてくる足音が聞こえてきた。足音を鳴らしている人物は精霊術を使っているのか、精霊の微かな光が左手と眼帯を照らす。それを見るやいなや近づいてきている人物がジーナだと気付き、四人は更に背筋を伸ばし固唾を呑んだ。

 四人の前で立ち止まったジーナは無表情で各々の顔を見つめた。


「全員そろっているな。よし、これから毎朝同じ時刻ここに集まってもらう。分かったか」

「はい」

「よろしい。では諸君、私と同じようにしてついてきたまえ」


 歩き始めたジーナの後ろを四人は付いていく。ジーナが向かう先は城外にある訓練場で、そこに行くには二つの扉を通らないといけない。一つ目の分厚い扉を開くと左右に刃引きした訓練用の武器と防具があった。武具の多さにステファニーたちは気を取られたが、フィルスだけが武具に目もくれず、鼻をひくつかせて顔を歪めた。だが、すぐにフィルスは元通りの顔になったため、ステファニーたちはその異変に気付かなかった。

 全員が一つ目の扉の中に入ると、ジーナが扉を閉めるよう指示した。扉を閉めたため、その部屋は通路よりも暗く、キアラはそこはかとない怖さを感じてステファニーの服の袖を掴んだ。ステファニーはキアラが若干怖がっていることに気付き、キアラの歩調に合わせて進んでいった。

 訓練場に出る二つ目の扉を開くと波が岩場を叩く音が聞こえ、ステファニーは前世への郷愁に駆られた。海へ駆け出したいという逸る気持ちを抑えるために、大きく息を吸った。


「う~ん、この香りは潮風と汚物の……うげぇぇ! クサいクサいクッサいぃ!!!」


 海から漂ってきた臭いはヘドロや屎尿を煮詰めたような酷い悪臭で、その場から逃げ出したいほど酷いものだった。


「うぉ、何ですか!? この悪臭は!?」

「…………」


 あまりの臭いにキアラは一瞬意識が飛び、後ろに倒れそうになった。フィルスが倒れるキアラの肩を片手でそっと抱きかかえた。


「おっと、大丈夫か? ってかテメェら全員だらしねぇな」

「あ、ありがとうフィル君……うぅ、ううう、どうして……この臭い平気なの?」

「オレのことよく見てみろよ」


 軍帽からはみ出した銀色の髪が目元にかかっているフィルスを見つめたとき、キアラは一瞬の胸のときめきを覚えたが、臭いで意識が朦朧としたためにその想いは直ぐに消えてしまった。


「まだ気が付かねぇのかよ、ほら」


 フィルスはそう言いながら自分の周りに浮いている精霊を指でさした。


「あっ、風の精霊……」

「そう、風の精霊術を使えば臭いをある程度抑えられたぜ。試してみな」


 フィルスの助言に従って、直ぐにステファニー達は精霊術を使うと、臭いが薄らいでいった。


「ふぅ、まだ臭いですが、何とか耐えられるほどの臭いになりますね。フィルは何で事前に精霊術を使ったのですか?」

「まさか、フィルだけここが臭いって知ってたの?」

「あぁ?ここがこんな臭いなんて知らねぇよ。でも、ジーナが気になる事言ってただろだろ、同じようにしろってさ。だからよく見てみたら風の精霊術使ってんのが分かってよぉ。これなんか意味あんだろうなって思って、で、この部屋に入った時、微かに嫌な臭いがしたからジーナを真似して風の精霊術使ったんだよ。テメェらもよく見てりゃ何とかなったんじゃねぇか?」

「その通りだ。フィルス。諸君もフィルスのように緊張感を保ちつつ注意を怠らないようにしたまえ」


 ジーナがフィルスの頭を撫でると、撫でられるのに慣れていないフィルスは動揺を隠せず、何とも言えない微妙な表情を浮かべている。


「良い洞察力を持ってるな。精霊術の扱いも上手いし……フェルサ帝国では良い師に恵まれたようだな」

「あ……おぅ」


 フィルスの人生において信用できる大人は少なく、フェルサ帝国のエイダンとアメリアのことをフィルスは初めてと言ってもいいほど信頼していた。そんな二人のことを褒められたため、フィルスは嬉しくなって思わず上ずった声で返事をした。


「フィルス君……ちょろい」

「ちょろいね」

「ちょろいですね」

「……テメェら」


 顔を赤く染めたフィルスが体を震わせていると、ジーナが撫でるのを止め、力強く頭を握り締めた。


「だが、教育がなってないな! 何だその言葉遣いは?」

「いてぇぇぇ! オィ、やめっああああ」


痛がるフィルスに助け舟を出そうとしてブレインがジーナに話しかけた。


「あの……ジーナ教官、聞いてもよろしいでしょうか」

「ん? 聞きたいことは何だ?」

「どうしてここはこんな臭いがひどいのですか?」

「ああ、それはな……」


ジーナはフィルスの頭から手をどけて話し始めた。


「三百年以上前から帝都に住む人口が限界を超えていてな。下水処理機能が麻痺してしまい、こんな悪臭がするんだ」

「え……」

「うわぁ、ひどい」

「この状況を改善しようとしないのですか?」

「もちろんしようとしている。ただ、汚物の処理をしても人口が多すぎて直ぐ悪臭が漂ってきてしまってな……根本的に改善するためには帝都を一回壊さなければ不可能とまで言われていて、ある意味あきらめてしまっているのが現状だ。対策としては、伝染病が発生しないように芳香性植物を撒いたり、室内のいたるところに様々な芳香剤を設置して悪臭が漂わないようにしている」

「だから蝋燭からも良い匂いがしてたんだ。でも、それって誤魔化し……むぐっ」

「ステフちゃん!」


 これ以上喋らせたらジーナにステファニーが叱られると思ったため、キアラはステファニーの口を塞いだ。


「ステファニー、言いたいことは分かる。今の対策はその場しのぎの策でしかないといえよう。だがな、逆転の発想で我々はこの状況を利用しているんだ」

「んん?」

「悪臭を防ぐために帝都の住民は毎日精霊術を使っているだろ、訓練にはうってつけだと思わないか?」

「んんん?」

「帝都の住民は人族の中でも精霊術に長けているんだぞ! それもこれも悪臭のおかげだといえないか?」

「んんんんーんんんんんん?」


 キアラに口を塞がれているため何を言っているかわからないが、ステファニーは意外とジーナってバカなのと言っていた。キアラだけはステファニーが何を言っているかなんとなく分かったため、口を塞ぎ続けていて良かったと思った。


「納得していないようだな。だが、ここを旅立つ頃には私が言ったことが理解できるはずだ。さて、少し無駄話をしすぎたな。ついてこい」


 扉の外には訓練場に行くための長い下り階段が険しい崖に沿ってあり、そこから海を一望できた。どこまでも遠くに広がる水平線は前世であろうが現世であろうが変わらず美しい風景で、ステファニーは心を奪われ立ち止まってしまった。だが、下の方を見ると海が汚物やゴミのせいで濁っており、少し心が痛くなった。


「何をしている、ステファニー。早く来い」

「はい……」


 長い階段を降りると広い砂地の訓練場に着き、中央まで行くとジーナが振り返って立ち止まった。


「そこに並べ」


 ステファニー達は横一列に並び、ジーナのことを見つめる。


「よし。諸君に伝えることがいくつかある。フェルサ帝国で学んだ内容や諸君の特徴など事細かに記載された報告書を受領し、全て読まさせてもらった。もちろん、光の遺跡での出来事もな……。魔族に遭遇し、生き残っただけでなく、幼い諸君が魔族を撃破したという旨の報告書を読んだ時は驚きを禁じ得なかった。諸君に称賛と……そして敬意を表したいと思ったぐらいだ。だが、諸君が上官の指示に従わず、不用意に壁画へ精霊術を使ったせいで転移し、魔族と交戦して六人の尊い命が失われた……」


 ジーナはそういうとステファニー達に殺気を放った。


「はっきり言おう、子供のいたずらでは済まない結果だ。帝国では貴賓のように扱われていたかもしれないが、この大帝国では、いや、私の元ではそうはいかない。諸君が二度と同じ過ちを犯さないように厳しく指導していく。規律を破るもの、指示に従わないもの、和を乱すもの、私はそういうものに対して容赦はしない。分かったか」


 ジーナの言うことは正しく、誰も返事ができなかった。


「返事はどうした!」

「は、はい」

「諸君を思って言っているんだ。私は諸君と同じような過ちを犯してしまい、未だに償いきれない罪を背負っている」


 ジーナはそういうと左手の手袋を外し始めた。手袋の下には、生身の手ではなく、鈍く光る金属の義手があった。


 ブレイン達は息を呑んで義手を見たが、ステファニーだけが目を輝かせて義手を見た。義手は細かな傷が多数あったが、適切に整備されており、ジーナが大切に扱っていることが見受けられる。


「これは私がはじ……」

「かっこいいぃぃ! その義手って何か特殊なギミックがあっ……」


 義手に興奮したステファニーが思わず話し始めた時、ジーナが鞭でステファニーの足元を叩いた。


「ひぃっ」

「上官の話を遮るな! ふぅ、まったく……私が義手になった原因を話そう。新兵の頃、私は同年代の兵士より遥かに強く、上官よりも自分の方が強いと思っていたほどだ。そんな思い上がりがあり、上官に逆らったり指示を聞かずに行動することが度々あった。そう、私が初めて魔族と戦った時も……」


 キアラは自分が始めて魔族と戦った時を思い出し、身を震わした。


「その魔族は細長い一本の棒……まるで白樺の細い枝先のような姿だった。一メートルに満たない長さで、強風が吹いたら折れてしまいそうな華奢な姿でな、こんな弱そうな魔族なら一撃で倒せると思って一人で攻撃を仕掛けてしまった。上官が隊列を組んで慎重に戦術を駆使しろと指示していたのに、私はその指示を無視して全速力で魔族の元に飛び出し、渾身の一撃を繰り出した。剣が魔族に当たったと思った瞬間、その魔族は一瞬で縮み、私は無様にも空を斬っただけだった。その後も何度も斬ろうとしたが、その魔族はどんどん小さくなっていき、最後には小指ぐらいの小ささになった。まるで魔族に弄ばれている感覚に陥って、冷静さを失った私は小さな魔族ごとあたり一面を破壊しようと気を練った瞬間、その魔族は一瞬で膨れ上がり、まるで巨大な枯木のような姿になったんだ。細長く突起した枝のような物が私に向かって振り下ろされたから、私はとっさに盾で防ごうとした。そしたら、このザマさ。盾ごと左腕を切り落とされ、左目もやられてしまった」


 ジーナは義手の人差し指で顔の傷をなぞりながら言った。


「その時は何が起きたか分からなかった。遠くから上官が私を助けるよう指示する声や仲間が私に話しかける声、そして多くの悲鳴や呻き声が聞こえてきてな、死に物狂いで戦い、気付いたときには魔族を倒していたが……生き残ったのは私だけだった。みんな、判別がつかないほど細切れにされていてな、あの悲惨な光景はいまだに忘れることはない。それ以降、私は……」


 キアラとブレインが青ざめた顔をしていることに気付いたジーナは言葉を詰まらせ、軽く頭を下げた。


「すまない、少し怖がらせてしまったか。だが安心した前、諸君がこの帝都にいる限り、魔族と戦うことはあるまい。数千年もの間、壁を超えてきた魔族は一匹もいないからな」


 少しバツが悪そうにしていたジーナが襟を正して話を続けた。


「さて、話が脱線してしまったな。私が伝えたい事をもう一度言おう。身勝手な行為が周りに多大な迷惑を与えてしまうことがある。そのため、諸君が同じ轍を踏まないように厳しく指導していく。分かったか」

「はい」

「よし、では朝の訓練を始めよう。まずは諸君が着ている軍服の性能について実践を含めて説明していく。この軍服はエルフ族の国だけで生産されている貴重な精英樹の繊維を使っている。精英樹の繊維は精霊術の浸透率が高く、繊維の中では一番とも言われていてな……値段が高いため、絹と精英樹の混紡だ。口で説明するよりやってみたほうがわかりやすいだろう、軍服を精霊術で強化してみろ」


 既にステファニーとキアラは精霊術で軍服を強化したことがあり、精霊術の通しやすさは知っていたが、改めて意識しながら精霊術を使ってみると精英樹の繊維の奥まで浸透していくのが分かった。


「うわぁ、本当にすごい! 確かに精霊術を通しやすいね」

「そうだろ、ステファニー。ただ、精霊術の浸透率が優れているだけじゃなく……」


 ジーナはそう言うと目にも留まらぬ速さで鞭でステファニーを叩いた。


「ぎゃああぁぁって……あれ? 痛くない?」


 ステファニーは叩かれた左肩を見ると、軍服に傷一つないことに気付いた。


「どうだ、我が国の軍服は? これほど丈夫なものは中々ないぞ。それにな、帽子の中のベールを出し、ケープの襟を立てて顔を覆えば……」


 ジーナは帽子のベールで目元を覆い、立てたケープの長い襟をケープ留めの金色の紐で留めた。


「全身を隈なく覆うことができ、人族には理想的な防具といえよう。人族は他種族と比べると弱く、獣人族の強靭な肉体、ドワーフ族の屈強な腕力、エルフ族の卓越な精霊術、妖精族だけが使える妖術、そういった種族的優位性がない。だからこそ、人族は気功術と精霊術の両方を極めるべきだと考えていてな、この軍服は肉体的不利を精霊術次第で補ってくれるんだ。どうだ、この軍服は素晴らしいだろう!」

「ええ……」

「そうだろそうだろ、素晴らしさが分かってくれて私は嬉しいぞ」


 軍服の話になった途端、声もトーンが明るく高くなり早口で捲し上げるジーナに四人は圧倒された。圧倒されながらステファニーはジーナの意見に同意していた。

 何故なら、ステファニーの父親ライリーと同じ教えだったからだ。ライリーは他種族と比べると肉体的に劣るエルフ族にもかかわらず身体を鍛え上げ、気功術と精霊術の両方を極めた人物で、その教えはステファニーにも伝わっていた。

 敬愛しているライリーと同じ考えをしているジーナのことをステファニーは気に喰わないけど少しは認めてやろうかと思い始めた。


「軍服の良さを理解したところでまずは走り込みをするぞ。私についてこい」


 ジーナの指示のもと、二時間ほど訓練した。フェルサ帝国の訓練と比べるとかなり楽な内容だった。


「今日はここまでとしよう。各自朝食を済ました後、まるきゅうまるまるに食堂の横の休憩室に集合しろ。そこから移動して昼食と休憩時間以外は夕方までずっと勉強してもらう」

「え、やだ」

「文句を言うな、勉学は将来役に立つものだ。あとマナーの勉強もしてもらうぞ。特にフィルスとステファニーだがな」

「マジかよ」

「マナーができてないやつを皇帝に会わせるわけにはいかないのでな、二ヶ月間はマナー教育と勉学を主にしてもらう」


 ステファニーは精霊術や気功術を学びたいため、納得いかない表情を浮かべていた。それに気付いたジーナが少し口角を上げてステファニーに言い放った。


「ステファニー、貴様だけ夜付き合ってもらおうか」

「え?」

「お前の両親……特に母君から丁寧な手紙を頂いてな、厳しく訓練してくれと頼まれているんだ。覚悟しとけよ、ステファニー」

「えええええええええええ」


 ステファニーの叫びはむなしくも響き渡る波の音にかき消された。


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