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戦いの跡

ガタン、ガタンと音が聞こえる。

どうやら馬車の中なのだろうか?

目を開けると眩い光が目に入ってきた。


「おっ、目を覚ました、目を覚ました。

体の方は大丈夫かい?」


レナが覗き込んでくる。


「良かった…。記憶は…ある?」


ミミルの声だ。


体の節々が痛いが…。

「あぁ、たぶん大丈夫だ。

記憶もある。」


どこかで見たことのある光景だ…。

あのときは…。


「シルフ…!

…、

本当にすまなかった…。」


「ううん、ありがとう。

おかげで私も助かったし…。

シルフは…、しばらくしたらきっと戻ってくるよ。

トリルのおかげで死んではいないと思う…。

前も致命傷を負って消えたことがあったんだけど戻ってきてくれたから。」


精霊…だからか?


「そうか…、良かった…。」


「そうそう、ちゃんと自分の心配をしてろって。

俺がシールドを張らなかったら死んでたぞ。」


レッグが会話に入ってきた。

シオンは…どうやら前みたいだ。


「ものまね師ねー。

どうやらしばらく相手の技を見ていたらその技が使えるようになるってとこかしら。」


レナが続ける。


「それまでは自力の力で耐えなければならないけど、

そこはまだまだCランクって感じかー。

まぁ、剣術の方も体が覚えていたっぽいから、

鍛えれば強くなりそうね!

こりゃあ、出資したかいがありそうだよ!」


「なあ、キングベヒモス倒したときの技は使えなかったのか?」


レッグに聞かれたが…、


「使えたら苦労しなかっただろうけど…、

出せる気すらしなかったかなー…。」


「あの技を使うには魔力が足りないと思う…。

あのレベルなら私でもシルフがいないと出せないし…。」


しれっと、シルフがいたらあのレベルの技を出せる宣言が入った。

オレの視線に気づいたのかミミルは先を続けた。


「その技を出すのに5分程度時間がかかるの。

ただ、まだ慣れてなくて辺り構わず吹き飛ばすから、

いつもはレッグのシールド頼りなの。」


声がどんどん小さくなっていった。


「それを知ってて私は結界で代わりをしようと準備をしていたんだよねー。

まぁ、結果的に別の用途になってしまったけど…。」


レナはその技を使うところを見たことがあるらしい。

そのときはダンジョンの奥のお宝を手に入れに行ったときらしいが、まぁ、凄まじかったとのこと。


「じゃあ、さっきの技は使えるのか?

レナが言ってた短剣を自由に操作する感じのやつ。」


「んー、そうだなー。」


近くに転がっていた石を持って投げてみた。

あのときの感じを思い出して曲がるように念じてみたが…、

曲がらずまっすぐ飛んでいった。


「ダメっぽい…。」


「まねする対象がいないと使えないか、

その技そのものになにか条件があるかってとこかしら。」


「じゃあ、俺のシールドは…」


そのとき、馬車が急に止まった。


「どうした?」


「外を見てみろ。」


シオンの声がした。

外を見ると周りの木のあちこちに切れた痕があり、

木によってはなぎ倒されている。


「何があった?凄まじいな。」


「さっき私が戦った相手の魔力を感じる。」


「あとトリル君の戦った相手もいたんじゃない?」


レナの指差した方向を見ると、

木に短剣が1本突き刺さっていた…というか突き刺さった上で少し溶けている。

どうやったらあんな風になるんだろう…。


「そして…、ミロの魔力もわずかながら感じる。」


ミロ…、ミミルの兄でありお尋ね者だ。


「ミロ、やっぱりこの辺りにいるのか!」


馬車を出て行こうとするレッグを制するようにシオンは続けた。


「待て、おそらくやりあったあとで近くにはもういない。

ミミルやトリルのこともあるし、今はアレイ村に戻るのが先だ。」


レッグは口を噛みしめ出るのをやめた。


「それに召喚されたままの召喚獣がまだ辺りを彷徨いているかもしれない。

警戒しながら村へ向かう。」


そして、馬車は走り出した。


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