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冒険家ギルドにて

てな感じでトータスに来たわけだが、

着いて早々ミミルは散歩してくると言って別れ、

レッグとシオンでギルドに着いた。


ギルドに入るとバーみたいになっており、

たくさんの冒険者がたむろしていた。

カウンターでシオンが親書を渡して話をすると奥に通してもらえた。


小さな部屋でオレの話を聞かれた。

とはいえ、持ってた紙に書いてること以外分からないのだが。

冒険者の手続きとして訳の分からない人形を叩いたりして、

今に至る。


「んー、親書に書いてあることや、

シオン達の話だともっとランクが良くて良いはずなんだけどねー。」


受付嬢 リネが言うところによると、

僕はアレイ村でフェンリルという伝説クラスの氷の魔物を倒して救ったと書いてあったらしいが、

ステータスを測定した(さっきの変な人形を叩いたことらしいが)ところ、

一番下のCランクだったらしい。

レッグはさっきのベヒモスとの戦いを語りそのランクはおかしいと抗議してくれていたが、

初めのランクは測定したランクにしかしないとたしなめられていた。


というのも、

ギルドではそのランクで仕事を割り振るので、

実力以上の仕事を任せて困るからというものだ。


ちなみにシオン、レッグ、ミミルはAランクで、

パーティとして仕事をするときは最難関のSランクの仕事まで任せてもらえるらしい。


「職業ものまね師ってのもレアだよねー。

初めて見たよ。」


職業とは、

その人の持つスキル、身体能力、魔力から、

過去の人たちと照らし合わせて最適と考えられる戦い方ができる戦闘スタイルを表しているらしい。

そのため、魔法使いとして頑張ってきたのにいざ計測すると戦士となることもあるらしい。


オレの場合はものまね師なので文字通り相手のスキルを使えるらしいがそれ以上詳細は分からないらしい。


「これからは実力の世界になるから成果を出せば、

ランクを上げられるから頑張ってね!」


「今後はバーで仲間を募ってパーティを作ってもいいですし、

とりあえずは1人で仕事を受けてランクを上げてもいいですよ。」


「トリル、これからについて提案だが、

良かったらアレイ村まで私達と共闘名目で一緒に向かわないか?

冒険者になりたがった記憶も取り戻したいだろうしちょうどいいだろ?」


共闘とは異なるパーティが一時的に手を結んで同じ依頼を受けることらしい。


「おっ、そうしろそうしろ!

実力はお墨付きだしな!」


シオンの提案にレッグがのっている。

確かにとりあえずはアレイ村に行かないことには、

冒険者を目指したオレの目的も分からない。


「じゃあお言葉に甘えて、お願いします。」


「シオンさん達と共闘されるんですね!

ちょうどシオンさん達にお願いしようと思ってた任務があるんで、

トリルさんのランクアップにもなっていいかもです。」


一息置いて、


「親書の中に書いてあったんですが、

元凶の魔物は倒したのですがかなりの被害を受けているようで…。

物資の輸送を求められています。

シオンさん達がキングベヒモスと遭遇したことを考えると、

ランクの高い方にしかこの任務は頼めないので、

お願いしたいです。

緊急性も高いため、明日出発でお願いします。

では、共闘の手続きをしますね!」




「おぉ、おつかれさま!」


手続きを進めていると大きな声がした。


「ダンさん、今日も元気そうで何よりです。」


「シオン、今回の調査も大変だな。

雪用装備を用意しといたから明日使ってくれ。

…で、君がトリル君か。

私はギルド長をしてるダンだ。

よろしく。」


「こちらこそよろしくお願いします。」


きっちりとした服を着てはいるが、

服の上からでもしっかりとした体付きをしているのが分かる。


「ランクは低くてすまんな。

話だけだとAランクは硬いのだが決まりは決まりで。

なに、すぐに上がるから心配するな。

シオンももとはCランクだったしな。

君もシオンと同じで特殊な職業だから、

ランク計測がうまくいかないんだ。」


「シオンさんも?」


「昔のことだ。

それはともかく、今回の件も彼が関わってそうです。」


「そうか、確かに親書にもそれらしいことが書いてあったな。」


「はい、倒したフェンリルは消えてしまったと。

また、道中で会ったキングベヒモスも、

倒した瞬間に消えてしまいました。」


「召喚された魔物ということか。

確かにそのレベルを召喚できるのはミロしかいないな。」


………


「あの、ミロって誰ですか?」


「召喚士ミロ。

まぁ、言うなれば生死問わずのお尋ね者だな。」


「俺とシオンにとっての元仲間、そしてミミルの…兄だ。」


「今でこそいろいろ事件を起こしてお尋ね者となっているが、

昔は王国を守る魔術師を務めていた。

だが、ある事件をきっかけに王国に反旗をひるがえし、

敵対関係となった…。」


「その話はそれくらいにしとけ、機密事項もあるだろ。

こういう場所ではどこに耳があるか分からんからな。」


ダンさんが話を止めた。


「ギルドは信用してるんだけどなー。」


「信用してもらっても構わんが保証はできん。

念には念をだ。

ミミルも相変わらず顔を出さないしな。」


そういえば町に入るときに別れたな。


「ミミルさんがどうかしたんですか?」


「ミロの話には情報規制が張られている。

ミミルがミロの妹という話も普通は誰も知らないが、

そこのバーでミミルを見てミロのことで絡んできた者がいたんだ。」


「あの件は本当にすまなかったな。」


「ダンさんのせいではないですよ!

絡んだ冒険者はライセンスが剥奪されましたし。

あれ以降この町では俺の知る限りは誰も言ってきてないですし。」


「ライセンス剥奪は王国の意向が強かったんだがな。

まぁ、てなわけでその手の話をするなら人がいるところではするなということだ。」


「そういうことだ。

それでは、手続きも終わった事だしミミルと合流して明日の準備をしよう。」


そして部屋から出ようとすると、

ドンドンドンドン!!

と戸を叩く音が部屋に鳴り響いた。


「ダンさん、そこにいるんですよね!」


まだ、ドンドンと戸を叩く音が聞こえている。


「この声は…本当に鼻が効くというか…。」


「あぁ、彼女ですか。」


シオンは半ば呆れ顔をしている。


「すまん、依頼をプラスすることになるかもしれない。」


「いいっすよ、いつものことじゃないですか!」


レッグはニヤニヤしている。


「今開けるから待ってろ!」


ダンさんは戸を開けた。

そこに立っていたのはリネと小柄でメガネをした女性だった。

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