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初めてのモンスター

確かに目の前の戦いは激しいものだ。


さがったベヒモスが宙を引き裂くと斬撃となってレッグとシルフに襲い掛かる。


レッグは盾で斬撃を防ぎ、隙を見て切りかかって応戦している。

シルフはミミルの魔法陣で力を得てバリアを作って斬撃を防ぎながら魔法で攻撃している。


ベヒモスはその巨体に似合わぬ素早い動きで攻撃を避け、

辺り一面は斬撃と魔法で覆い尽くされている。


「ランクAといえば私達でも苦戦を強いられる魔物だ。

チームで戦い慣れていてこそ渡り合えるがその中に知らない1人が混ざると、

チームワークが崩れて戦いが不利になる。」


確かにこの中に入るのは厳しそうだ。

僕の実力は僕自身も分からないのだし…。


「じゃあオレは自分の身は守るんで、

シオンさんは戦いに加勢してください。」


「私は余程のことがない限り戦いには加わらない。

そのときが来たら手助けする。」


そんなこと言ってる場合かとも思うが、

確かに押し負けては無さそうだ。

少しずつではあるがベヒモスに傷も増えているように見える。


「「くーらーえー」」


レッグがベヒモスに渾身の一撃を加える。

ベヒモスは角でその攻撃を受けるが、

剣の周囲から無数の刃が発生しベヒモスに降り注ぐ。


「ぐあーっっっ」


さすがに効いたのか体をのけぞらせる。

角には亀裂が入り、亀裂から光を発している。


「あれは!

レッグ、シルフ、離れて結界を!」


「どうした?」


「あいつはベヒモスの中でもキングベヒモスだ!

そして角が光り始めているということは…」


ベヒモスの頭上が暗い歪みが発生し大きくなっていく。


レッグは後ろに下がり盾を構えると大きな透明な壁が発生した。


ミミルは魔法陣を描きながら何か唱えている。


「エアロシールド!」


シルフに光が降り注ぎ大きな透明の壁の何枚もの緑の壁が形成されていく。


そのとき暗い歪みから赤い火の塊が無数に飛び出し、

緑の壁が次々と割れていく。

勢いがなくなった火の塊は透明な壁に当たり激しい音とともに消えていく。


「ちっ!」


シオンは舌打ちをし、何かぶつぶつ言い始めた。

シオンの目から青い光が出始めている。


オレも何かできることはないか。

すると、体が勝手に動き力が湧いてきた。


「えっ?!」


シオンがこっちを見る。

それにつられてレッグとミミルもこちらを見る。


「黒い歪みがトリルの頭に…」

「魔力が急激に上昇してる⁉︎」


狙いをベヒモスに定め、

頭に響いた声をそのまま口に発する。


「ヘルフレア」


ベヒモスを目掛けて火の塊が無数に飛んでいく。

こちら側のバリアを通り抜けて、

ベヒモスの放つ火の塊をかき消しベヒモスに命中する。


「グァー!!!」


無数の火の塊がベヒモスに降り注ぎ、

断末魔とともにベヒモスは消えていった。


「消えたの?まさか…。」

ミミルはなぜか顔を暗くしている。


シオンはこちらを見ながら考えごとをしている。


「まぁ、みんな考えることがあるようだが、

とりあえず倒せて良かったじゃねえか。

トリル、あんな大技があるなら教えてくれよー。」


レッグが近づいてくる。


「ん、ああ、ありがとう。

ただ、オレ記憶無くなってるし…、

体が勝手に動いただけで何がなんだかよく分からない。」


「ちょっといいか?」


シオンが近づいてくる。

また目が少し青くなっている。


「また魔力が元に戻っている…」


「まぁ、とりあえずトータスに戻ろうぜ。

またあんなやつが出てきたら厄介だ。

可能性はありそうだしな…。」


ミミルを心配そうに見ている。

シルフも無言でミミルに寄り添っている。


そしてオレ達は馬車に乗りトータスに向かった。

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