第2話 魔石、経験値になる
自爆し、バラバラになったスケルトンを眺めて、力が体中に満ちていた。
もう一度、自分のステータスを眺めようではないか。
【ステータスオープン(自己表示)】
名前:なし
種族:ゴブリン
レベル:2/10
HP:11
MP:5
ランク:G-
必要経験値:15
スキル:暗視、逃走
筋力:G-
防御力:G-
魔力:G-
体力:G-
瞬発力:G-
知力:G-
不名誉なスキルを覚えてしまったが、生きるために必要なスキルであるに間違いない。
地面にバラバラになった骨をもう一度見直していた。ファンタジーの小説だと必ず落とすであろう魔石らしきものを漁って、BB玉大の魔石らしきものを見つけた。
眺めていると、なんかうまそうだったから思わずにそれを口にした。
スケルトンが自爆したときのように体に力が湧いてきた。
もう一度ステータスを見て俺は確信した。
魔石はモンスターにとって経験値であると。
【ステータスオープン(自己表示)】
名前:なし
種族:ゴブリン
レベル:3/10
HP:12
MP:5
ランク:G-
必要経験値:30
スキル:暗視、逃走
筋力:G-
防御力:G-
魔力:G-
体力:G-
瞬発力:G-
知力:G-
スケルトンの遺物である棒に手を伸ばし、握りしめる。
先程まで取る気がサラサラない棒だったが、今は難なくそれを振り回した。
三レベルなのに、力が前より3倍増しであると感じた。
もっと強くなりたい。
逃げ回ることはもう嫌だ。
何か思い出せそうで思い出せずにいた。
ゴブリンに転生して、前世の記憶があやふやになった。
しかし今の俺にとってはどうでもいいことである。
さらなる敵を探し、俺は洞窟を歩き出した。