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雨が降っている。  作者: バッチ
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教室の中心で、孤独。

そんな風にしているといつの間にか昼休みになっていて、各々が仲の良い人と食事を取る態勢を作っていた。

いつもなら私は同じ部活の子らとなんとなく輪に入って話の流れを乱さないように相槌だけを打っているのだけれど今日は様子が違う。

ぼうっとしすぎたせいもあるだろうが完全に流れに乗り遅れていて今から合流できるような空気ではとてもない。

なんだかとても恥ずかしいような気がして急いで周りを見るが私では役不足なグループばかりで唯一のオアシスも今日はあの子が一緒にいる。

同じ女子テニス部の仲間でありながらクラスの可愛い子のグループへ属しているあの子が今日は何故かただの女子テニス部のグループに。

きっと彼女も何かあったのだろう、可愛い子のグループの方もいつものメンバーが1人欠けただけでいつもの笑顔が空元気にしかみえない。

まるで意地の張り合いだ。

そんな風にして周りを眺めていると皆の食は大分進み男子生徒なんかお昼休みにボール遊びがしたいからってご飯をかきこんでもう残り僅かだ。

このペースならおかわりしても30分は遊べるだろう。

全く元気な奴らだ。

制服の膝小僧に空いた穴は一体受験の時にどうするのか。

彼らのお母さんの苦労が偲ばれる。

またも物思いに耽っていると本当に一人ぼっちでこんな世界で一体誰が私を愛してくれるというのだろうか。

そう思うと親と一緒にみたあの映画はとても感動的であやふやになっているストーリーを一本の糸へとまとめるためにももう一度みてみたいと思う。

そんな風に孤独を感じていたら孤独を孤独と思わない彼女がやはりグラウンドのほうを見つめている。

怖いけれど朝の話もあるし、そう思って私は心の中でええいままよ!と叫んで彼女の机に私の机をくっつける。

あゆみは驚いた顔をした後、訝しむように私を見つめてくるが私も彼女をじぃっと見つめ返す。

頭の中のイメージでは私の瞳はキラキラ輝いているはずだ。

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