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全ての始まりです。

下手下手で読みづらいかもしれませんが、よければお付き合いいただきたいです。

批評酷評なんでもいいのでお願いいたしますっ!


あと何故か行始めの字下げ?が反映されないです……どなたか原因に心当たりがあって優しい気持ちをお持ちの方、よければ教えていただけると幸いです




あぁ、今日で終わりなのか。

なんだかんだ楽しかったよ、楽しかったけどさぁ……。まだ終わりたくなんてないよ……。

体があったかい。人のざわつく声が聞こえる。あ、かっこいいおじさんだ。……大丈夫か?何言ってんのさ。

大丈夫。きっと、大丈夫。やりたいこといっぱいあるもん。

死ぬなんてそんなの、簡単に受け入れてやるもんか―――


☆★☆


吾輩はぼっちである。理由など自分でも数え切れないほどにある。

まぁおそらく一番は趣味。ゲームアニメラノベ大好き二次元サイコー!な人間は、なぜかそもそも友達が少なくなりがちだ。それでも中学までは普通に、ある程度親しいやつくらいはいたものだ。

だが中学二年生の頃に出会った二次元ゆめのせかいにハマって以来、それまで中の上くらいだった成績は少しずつ下がっていく。その結果、周囲の友人たちとは別の道を進むこととなってしまい、まぁ、うん、残念な感じに。

高校に入ってからも「まぁ適当にやってりゃ友達なんて普通によってくるだろ」みたいな感じで構えてたら、見事にぼっちロードまっしぐら。

アニメみたいな青春物語も恋愛物語も起こることなく、現在僕は独りぼっちの二年生を始めている。

偶然にも出席番号で一番後ろの席をゲット出来た僕は、いつものように、紙のカバーをつけた文庫本を広げる日々を送っていた。

だけどそんなある日のことだ。

「はい! 突然ですが明日は遠足に行きます! それではこれから一時間で男女2:2の班を作ってもらいます!」

いきなりそんなことを言われた。こんなの困る。僕は何の作戦も立ててないんだぞ。

学年始まって直後の班割り。ぼっちがぼっちらしさを存分に発揮することの出来るイベントの一つだ。だからこそぼっちはそうなってしまわないようにある程度作戦を立ててからそれに臨む。ぼっちらしさを発揮したい人間なんているわけがない。

今年の先生は割と共感持てそうな感じだったのになぁ……。やっぱ教師なんてみんな適当な大学に遊びに行ってて、なんとなく取れたし子供嫌いじゃないから教師になってみようかな、みたいなリア充ばっかりなのか…。

なんて、またひねくれた事ばかり考えていると、クラスの大半が急に立ち上がった。どうやら変な妄想をしている間に話が進んでいたらしい。各々自分の友達(笑)のところへ行って班を決め始めている。

皆が次々と名前を黒板に書いていく中、少しずつ余り物……いや、ぼっちが目立ち始める。こういう時、意外とぼっちの団結力は強いものがある。一人のぼっちが他のぼっちに目配せを始め、徐々にそこに集まりはじめるのだ。作戦を考えていなかった僕としては非常に助かる。特に考えることもなく、よし、と思って立ち上がりぼっちの集いへ歩み寄ろうとした。


その時だ。僕の希望の道への進路が塞がれた。


「えっと……澗渕であってるか?」

は、はぁ……あなたは誰でしたっけ?とか言いたいけど急なことに反応しきれない。挙句の果てに「ひゃい!?」なんて声まで出してしまった。

「お、おう? まぁいいや……。澗渕、俺らのグループ入らない?」

てっきりいつもみたいに罵倒とか言われるものかと…。それがグループに入らないかだなんて…。

オドオドしたまま僕は何も答えられない。「どうだ?」と催促され、断るはずだったのだが普通に頷いてしまった。僕から納得した答えを貰えた相手は「さんきゅ〜、じゃあ書いとくな〜」とか軽く言って普通に去っていく。僕はそれをただ固まって見ていることしかできなかった。

一体僕は、どうなってしまうのだろう。

とりあえず僕は、逃げるように机に突っ伏していた。

☆★☆

スマホ、ゲーム機、イヤホン、ポケットWi-Fi……これでよし。もちろん明日の遠足に持っていく物の用意だ。おかしいとか言わせない、それが僕のスタイルなのだから。

引き続き明日の予定とそれに対する作戦を立てていると、僕のスマホがメッセージの受信を告げた。

『こんばんわ〜。なんか大変そうだね……笑』

表示名は羽奈。半年前から話している、所謂『ネットの友達』と言われるやつだ。1日の夜、SNSを通して会話をする、これが僕の数少ない楽しみの一つだ。

今の話題は今日僕に起きた出来事について。相手が返信しやすいものを考えて、また送らなければいけない。

『ほんとだよ……なんで僕を誘ったのやら……。面倒なことにならなければいいけど』

そこで止め、送信ボタンを押してから気付いた。大切な疑問文さんを付けていない。焦って新しいメッセージを追加で送る。

『羽奈はそんなイベントあったりする?』

彼女は割と返信が遅めの人だ。そういう相手の場合、やはり携帯を一度手放して返信を待つ方がいい。気楽だからだ。

ベッドの上に携帯を投げ捨て、明日の準備と予定の確認を再開する。

静かな部屋に鼻歌が響く。自分が即興で作るオリジナルの鼻歌。どうしたものか、なんとなくテンションが高い。明日を楽しみにしている気持ちがあるのだろうか。いいや、ない、それだけは絶対に。

今までの全ての学校イベントに楽しいものなどなかった。

授業参観に親など来ない。体育祭ではずっと一人でテントの下、文化祭は店番、遠足は輪から外され、感動の卒業式では一人だけ花を用意されない。学校行事なんて所詮リア充のためのもの。僕らみたいなのは弾かれるんだ。

準備する手と頭は動くのを止めないものの、ほぼ日課となりつつある被害妄想、自己嫌悪をしっかり行っていると、不意に携帯の鼓動が耳に入ってきた。

それだけのことで一気に現実に戻ってきた僕の頭は、素早い手つきでロックを解除し、羽奈からのメッセージを閲覧する。

「うぇ……」内容を確認すると同時、僕の口から変な声が漏れた。

『実は私も明日遠足? があるんだよね〜! いきなりだったから準備困ってるけど楽しみ!』

これはよかったんだ。話広げやすかったし。問題はこの次のメッセージ。

『明日早いからそろそろ寝るね〜。君も早く寝るんだよ、おやすみ(( _ _ ))..zzzZZ』

あぁ、やってしまった。僕としたことが返信を忘れていたなんて…。

全て自分が招いてしまった事故。あの妄想タイムがいけなかった。

現在時刻は22時36分。一通目が19時54分、二通目が20時12分。そして三通目が22時30分。早い返信はないと勝手に思っていた事で二通目に気付けず、妄想によって時間を過ごした僕は三通目のおやすみメッセージでやっと携帯を開くに至ったのだ。

後悔しても仕方がない、仕方が無いのだが。楽しみな時間が少なくなったのはやはり嘆いてしまうことである。とりあえず適当なおやすみメッセージを返信しておき、携帯を身近に置く。

何度も何度も自分を責めながら返信を待ってみたが、結局その日は寝てしまったようだ。

準備だけはきっちり済ませ、ベッドに潜り込む。

明日はどうなるんだろうか……考え続けたそれに、未だ結論は出ない。しばらく考えても何も出てこなかった、だから仕方なく電気を消して、仕方なく目をつむって、仕方なく眠りについたんだ。

もう二度と、あんなことになりませんようにと願いながら。

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